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後継者の規定
ブロックスが死んだ後、シュクタルの統治権をブラッド、サングエ、ケイオスの3人が奪い合った。
シュクタルの統治権は、『原則として、正式に王の血を受け継ぐ男であり、中でも最高年齢者である。』と法典書の一文に書き記されてる。
順当に考えれば、長男のブラッドが統治権を持つはずだ。
しかし厄介なことに、彼ら3人は1000年あまり続くシュクタルにおいてその歴史上初の三つ子。
法典書には続けて、『最高年齢者が二名いる場合、つまり王の子が双子などの場合はこの限りではなく、王により次期の統治権を行使できる者をそこから決定する。』とある。
そして後継者についての記載はここで終わってしまっている。
つまり、この法典書では王の子が三つ子の場合、後継者の決定について何ら効力が発生しなくなってしまっているという欠陥がある。
そのため、3人が始めの一文に記載されている『最高年齢者』に必然と当てはまってしまうのである。
ルヴァンはというと、彼らとは十も歳が離れているため、名前すらも上がらない。
ただ、実力でいうと3人を上回るのだが…