タピオカ小噺
毎度、馬鹿馬鹿しい小噺を一つ。
みなさん、幼少期にデンプン糊を使った経験がおありかと思います。
古くはお米、小麦、ジャガイモなんかをよく練り上げ、ビンに詰めて売られていました。
今では、トウモロコシのコーンスターチや、キャッサバのタピオカが使われているそうです。
そのタピオカ。
今やタピオカは、往時のナタデココを凌ぐ人気フードでございますね。
猫も杓子も、タピオカティー、タピオカジュースを嗜み、エスエヌエス上は、タピオカなう一色といっても過言ではないでしょう。いや、過言かな?
ちなみに。
ナタデココとは、ココナッツの実の中にある液体に、ナタ菌を加えて発酵させたもののことです。
低カロリーで食物繊維豊富とあって、バブル末期に流行いたしました。懐かしいですね。
お通じが良くなり、ダイエットにも効果的ですが、食べ過ぎると当然、結果はリバウンド。
さて。
ご多分に漏れず、学生というものは暇を持て余し、はやりに流されやすいものでございます。
今ここに、二人の学生がおります。
どこに? これから登場いたします。
「よぅ」
「おっす。いやぁ、さっきは大変だった」
「アクシデントでも起きたのか?」
「どっちかっていうと、インシデントだな。ゼミで一緒の奴が、演習中にアレルギーで医務室へ運ばれたんだ」
「お前が犯人か?」
「ちげぇよ、バカ。そいつが生協で買ったタピオカティーが、原因だったんだ。ゼミ室で飲んでたんだけどさ」
「見てない隙に、こっそり毒を盛ったと?」
「ミステリーにするな。どうやら、底に入ってるタピオカが、蒟蒻由来の物だったらしいんだ」
「なんだ、そんなことか。使えねぇな」
「ネタにしようとするな。まったく。これだから、流行に溺れる奴はいけねぇ」
「言えた口かよ。そういうお前は、何を買ってきたんだ?」
「飲むカスピ海ヨーグルト」
流行の波は、寄せては返すものですね。
おあとがよろしいようで。