トラブルは大事になる前に納めましょう
久しぶりの連続投稿です。
その日の夜、僕は焦げ臭い匂いに目が覚めた。
眠気まなこに家の裏側を見たら、真っ赤になっていた。
「か、火事っ!?」
慌てた僕は外へと飛び出し、家の裏側に向かった。
藁から炎が出ている。
裏に藁の束なんて置いた覚えは無いので、誰かが意図的に置いたのは明らかだった。
慌てて井戸に走り水を組んで消火に走った。
しかし、家から井戸までは距離があり往復している間に家が全焼する可能性がある。
それでも行動は起こさなければいけないので、水を汲んで裏側に行き水をかけた。
それでも、火の勢いは納まる事は無い。
もう1回井戸に向かおうとした時だった。
「凍てつく氷よ、炎を沈めよ、『ブリザード』」
急に吹雪が起こり一瞬にして炎は消えてしまった。
僕は唖然としていたけど、慌てて声がした方を向いた。
「どうやら間に合ったみたい・・・・・・。」
その人に見覚えがあった。
「貴女は確か勇者パーティーの魔法使いの・・・・・・。」
「『ミサ』よ、覚えていてくれたのね。」
「な、なんでミサさんが此所に?」
勇者パーティーは確か近くの街の宿屋にいるはずだ。
「話は後、放火犯を捕らえるわよ。」
「えぇっ!? まだ放火犯がこの村にいるんですかっ!?」
そう言うと同じくらいに『火事だっー!!』の声があがった。
行くと村のあちこちから火が出ていた。
村人達は慌てて外へ出てきて消火活動を始めている。
僕とミサさんも一緒に消火活動を手伝う。
その時、視界の隅っこに怪しい人影が見えた。
どうやらミサさんにも見えたらしく、ミサさんは呪文を唱えた。
「悪しき者よ、その歩みを封じる『フリーズ』!」
そう言うと悲鳴と共にドサッと倒れる音がした。
そっちの方に駆け寄ると覆面をした男達が倒れていた。
「コイツらが放火犯ですか?」
「えぇ、この男達は私達の護衛をしていた者よ。」
「それじゃあもしかして・・・・・・。」
「この男達に指示をしたのは・・・・・・、勇者エリック。」
この瞬間、僕の中で勇者は敵認定した。
今回で勇者パーティーのミサがエド側につきました。




