幕間7
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「どうして、そんな事に? まさか公式な場所でやらかしてはいないよな?」
「勿論、勇者パーティーの歓迎の為のパーティが終わった後俺はこの格好で酒場に行ったんだけどそこにネイチェルがやって来て……、酔っぱらってたんだろうな、パーティーで会っているのに俺とはわからなかったみたいで、気安く声かけてきたんだよ。なんか行く街でナンパをしていたらしいし強制的に連れて行って『行為』をしていたらしい。しかも満足できなかったら暴力を奮っていたらしい。自慢そうに言っていたよ。」
「……なんかすまん。それで城の牢屋に入れているのか?」
「護衛の奴が密かに尾けていたみたいだからな、とりあえず今は頭を冷やしている状態だ。」
「勇者パーティーはまだこの街にいるのか?」
「2,3日前の出来事だからまだいると思う。何にも言ってこない。」
「全然気づいてないのか……。」
ジェルミは頭痛がしてきた。
しかし、まだ気づいていないのはこっちとしては好都合だ。
勇者パーティーが気づく前にネイチェルの身柄を拘束した方が良い、と思った。
「明日、身柄を引き取らせてもらうよ。」
「わかった、城の者に伝えておくよ。」
そう言ってコボットと別れた。
そして翌日、ジェルミとメイシャはレイサス城にやって来た。
兵士にも話は伝わっていてすぐに牢屋へと案内されネイチェルと面会できた。
ネイチェルはしょんぼりとした様子でジェルミの姿を見て驚きの表情を見せた。
「な、なんでジェルミ様が……。」
「たまたま、コボット王子と会ったんだよ。何をやってるんだ? お前は?」
「酒を飲んで羽目をはずしてしまって……。そ、それに知らなかったんだ!」
「知らなかった、で許されると済まされると思うか? 下手したら戦争の火種になりかねない事なんだぞ。事の重大さにはわかっているのか?」
「す、すいません……。」
戦士と言う事もあり、普通の女性よりは筋肉質で体が大きいはずのネイチェルだがジェルミの説教に身を縮ませている。
「お前の身は俺が拘束させてもらい、一緒に帰ってもらうぞ。帰国後にちゃんと罰は受けてもらう。」
「ば、罰って!? 魔王を倒した勇者パーティーの一員なんだぞっ!?」
「だからこそだ、勇者パーティーは言ってみれば我が国の代表だ。代表だからこそその行動はちゃんとしなければならないんだ。それが犯罪行為をしていたとしたら我が国の責任でもある。お前、いやお前たちは勇者パーティーを軽く考えていたようだな。」
ジェルミの言葉を聞いて顔面蒼白となるネイチェル。
「それにな、お前たちはとんでもない勘違いをしているぞ。」
「勘違い?」
「魔王は生きている、お前達が倒した魔王は影武者だったんだよ。」
「なぁっ!?」
「その魔王はな、人間と敵対するつもりはないらしい。俺はこの事を進言して和平交渉をするつもりだ。」
目の前にいるメイシャがその魔王だとは気付いていないネイチェルはジェルミの言葉に呆然としている。
「さぁ、一緒に来てもらうぞ。」
ネイチェルは思い描いていた未来が音を立てて崩れていく事を感じた。




