その後の顛末
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図書館での立ち入り調査から2日が経過して本持ち出し事件の詳細が明らかになった。
きっかけは司書長と館長が更なる出世をしよう、と宰相に賄賂を定期的に渡していたけどその要求額が段々と上がっていって個人の資産では払えなくなった。
そこで考えたのが貴重な本を売る、事になった。
司書長達は元々は本の知識は無く『どうせ複製本にしてもバレないだろう』と思っていたらしい。
まさか、精霊が宿っているとは思っていなかったそうだ。
そして、息のかかった司書達に命令して本を持ち出し売ったそうだ。
知り合いの古本屋に本を売ったのもやっぱり司書だった。
その中には当然、国家機密の内容が書かれている本が存在し、これが国外に出回っていたとしたら機密漏洩の罪だ。
この事は国王様に報告され、この件に関わった館長及び司書長、司書達は更迭された。
直ぐ様、国王様により罰が与えられた。
館長及び司書長は勿論身分剥奪、財産没収、おまけに『売った原本を取り戻すまで国内の立ち入りを禁止とする。』、つまりはほぼ国外追放である。
館長及び司書長は絶望的な表情をしていた。
肝心の宰相なんだけど現在、国を離れている。
だから、国王様も思いきった決断に踏み込んだ訳だ。
多分、この件は直ぐに宰相の耳にも入り今頃は大慌てだろう。
さて、シエルの件は国王様の計らいで魔導書を持ち出し禁止のリストから外してもらい正式に僕の物となった。
つまり、正式に僕は魔導書の持ち主となったのだ。
最初、シエルをミサさん達に見せる時はどうか、と思っていたけど直ぐに把握してくれたおかげで特に大きなトラブルにはならなかった。
「魔導書の精霊なんて初めて見たわ。話は聞いていたけど・・・・・・。」
「エド君の本好きがこんな形で結果に出るなんて、ね。それに可愛いし。」
シエルは直ぐに気に入られたみたいで良かった。
「これからよろしくお願いしますね、ご主人様♪」
・・・・・・とりあえず、ご主人様と呼ばれるのは何か恥ずかしいので別の呼び名にしてもらおう。




