王宮図書館に来ました
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次の日、クルズさんがやって来た。
「おぅ、どうだ? 王都の様子は?」
「昨日来たばっかですけど賑やかですね。村とは大違いです。正直まだ慣れてないですけど、布団がフカフカでぐっすり寝れました。」
「変な所に感動してるなぁ……。」
いや、意外と大事ですよ、寝具。
お土産で購入しようかな?
「今日は王宮図書館へ案内しよう、と思ってな。」
「本当ですかっ!? それじゃあ調査が始まるんですか?」
「調査は明日からだ、敵は知っておいた方が良いだろ?」
そう言って、クルズさんと王宮図書館へと向かった。
宿を出て数分後、僕達は王宮図書館へとやって来た。
「でか……。」
「この国最大の図書館で貴重な書簡も保存されている研究施設でもあるからな。」
王宮図書館と言うのはこの国の本と言う本を保管している施設でもあり魔法や歴史等の研究を行う施設でもある。
一般人が立ち入れるエリアと貴族とか特別な身分が無いと入れないエリアがある。
当然、僕は一般エリアしか入れない。
「一般エリアは2階でその上は立ち入り禁止エリアだ。明日、調査を行うのは立ち入り禁止エリアだ。」
「でも、そういうのって司書の人は嫌がらないんですか?」
「その為にいるのが俺達司書調査官だ。一応本に関する扱いのレクチャーは受けているからな。表向きには文句を言われない。」
「表向きには?」
「まぁ、圧力とかそういうのはあるよ。それに此処の総責任者は宰相の支持派だ。だから、今回の流出の件も宰相が関わっている可能性が高い。」
「なるほど、だから国王様も内密に調査を進めているんですか。」
「そうだ、ばれて証拠を隠されたら元の子も無いからな、じゃあ俺の職場に案内しよう。」
そう言って図書館の奥の部屋へとやって来た。
扉の前には『司書調査室』と書かれている。
入ってみると中にはあまり人がいないけど奥の机には女性の方が座っている。
「室長! 今回の件の関係者である少年を連れてきました。」
「クルズ、ご苦労様。ようこそ王宮図書館へ。私は司書調査室の室長の『ミーナ・ハックマン』筆頭司書調査官よ。」
「はじめまして、エドと言います。」
「立ち話もなんだからどうぞそこのソファーに座って。今、紅茶を出すから。」
「ありがとうございます。」
そう言って僕はソファーに座った。
部屋の中を見ると図書館とは思えないぐらい殺風景だ。
それでも、やっぱり本は置いてある。
「どうぞ、ミルクティーで良かったかしら?」
「あ、ありがとうございます。」
そう言って出されたミルクティーを飲んだ。
少しリラックスする事が出来る。
「まずは、王立図書館の者として持ち出し禁止の本を保管していてくれてありがとう。」
「あっ、いえ、たまたま手に入れた本がそんな貴重な本だったとは知らなかったので。」
「貴方みたいな本好きにの子が持っていてくれてるのはありがたいわ。実は本の流出は前々から噂になっていたけど今回確実な証拠が出てきたから堂々と調査が出来るわ。」
どうやら本流出の噂はあったらしいけどあくまで『噂』だけだったので動けなかったのだが今回、火事の件で本に被害があったのもあり堂々と調査出来る事になったらしい。
「これで私達調査官の面目も保たれるし、廃止の話も無くなるでしょうね。」
「え? 廃止の話があったんですか?」
「そう、多分、上の奴らが悪事がばれるのをまずいと思って俺達を追い出したかったらしいが国王様が止めていてくれたんだ。」
何ともずるがしこい人達だ。
「まぁ、明日はかなり荒れると思うわ。エド君にも同行してもらうけど、最初に謝っておくわ。」
え? なんで?
「うちの室長、普段は温厚なんだけどキレると怖いんだ。俺と同様かつては騎士団に所属していて部隊長まで勤めていたんだ。」
「マジですかっ!?」
「昔の話よ、今はだいぶ落ち着いたわよ。」
そう言って笑うミーナさんだったが、翌日クルズさんの話が本当だったという事を理解する事になる。




