フラグ、踏んでました
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シンシアが旅立ってから数日が経過した。
旅立ってからすぐに手紙が来て、『現在は王都で旅の準備をしている。終わったら1回は村に戻る』と書いてあった。
流石にいきなり旅立たせる事はしないだろう、と思って安心した。
しかし、いきなり連れ去られた事はやっぱりショックで体に力が入らない。
こういう時は本を読むのに限るので早めに農作業を切り上げて家に籠る事にした。
ベッドで寝転びながら何冊か本を読んでいく。
「そういえば、最近買った小説読んで無かったなぁ。」
ベッドの横の机に置いてある本を取って読み始めた。
「・・・・・・あれ?」
読み進めていくうちに違和感を感じた。
その小説というのは、主人公の少年が信じていた仲間や恋人に裏切られて絶望やら怒りで主人公の中に眠っていた力が覚醒して仲間や恋人に対して壮大な復讐をする、という話。
僕は冒険者では無いし、特殊な能力なんて無い。
・・・・・・無い、と思う。
しかし、この主人公と僕がダブって見えてしょうがないのだ。
「もしかして、僕も裏切られるのかな・・・・・・。」
更に僕を不安にさせるのは主人公が彼女に言った台詞。
『この戦いが終わったら俺と結婚して欲しい。』
つい最近、似たような台詞言ったよっ!?
この後、主人公は仲間だった男から裏切りを喰らうんだけど、この男は『催眠魔法』で主人公から全てを奪ってしまうんだけど・・・・・・。
そういえば別の小説には勇者が催眠魔法をかけてハーレムを作る、て言う小説があったよなぁ・・・・・・。
勿論、これはあくまでフィクションの世界の話で、現実ではない。
しかし、何か気になるんだよなぁ・・・・・・。
うん、気をつけておこう。
主人公は石橋を叩いて渡るタイプの人間です。




