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幕間3

感想&評価、ありがとうございます。今回も幕間でございます。多分、展開的に賛否が分かれる様な事になると思います。

 王都を旅立ったジェルミは、勇者パーティーが立ち寄った町で聞き込み調査を行った。


 秘密任務なので勿論身分を隠し、目立たずに『旅の者』と偽り勇者パーティーの評判を聞いた。


 その評判と言えば、やはり『魔王を倒した英雄』と言う声が大半だったが、気になる声も聞こえた。


『息子の恋人が勇者に惚れてついていってしまい、息子も後を追うように護衛兵として出て行ってしまい行方がわからない。』とか『勇者に婚約者を盗られ暴力まで振るわれた。』と言う声が聞こえた。


 その声を深堀していくと、その盗られた男性は家に引きこもったり、自ら死を選んだり、護衛兵として出て行った、と様々だった。


 魔王城近くの街に行くと、護衛兵の数は数百人となっていたようで一つの隊となっていたそうだ。


「エリックに彼女を盗られた男性が志願したのか……。」


 ジェルミは男性の気持ちを思うと複雑な気分になった。


「しかも、魔王討伐後に街に来た時にはメンバーが半数以上減っている……。」


 つまりそれだけ『犠牲』になっているのだ。


「無念だろうなぁ……。」


 ジェルミは何ともやりきれない気持ちになった。


 しかし、これだけでは勇者パーティーを断罪する理由としては小さい。


 何せ『魔王を倒し世界を平和に導いた英雄』なのだから、『勇者だから』と言う理由で許される可能性が少なくは無い。


「皮肉な物だが、勇者が魔王を倒した、という事実を疑わせるような物が無いとダメだな……。」


 ジェルミは魔王城跡へと足を向けた。


「流石にボロボロになってるな。」


 魔王城は瓦礫の山となっていた。


「あの、何かご用でしょうか?」


「へっ!?」


 いきなり背後から声をかけられたので振り向くと一人の少女が立っていた。


「いえ、私は旅をしてまして最近魔王が倒された、と聞いたので見に来たんですが。」


「そうですか、珍しい方ですね。こんな所に来るなんて。」


「はぁ……、貴女はこの辺の近くに住んでいるんですか?」


「そうですね……、まぁそんな所です。」


「あの、それだったら魔王が倒された時の事を知っていますか?」


「えぇ、知ってますよ。」


「その……、おかしな事を聞きますが勇者は本当に魔王を倒したんでしょうか?」


「……どうして、そう思われるんですか?」


「いえ、色々聞いていくとちょっと疑問が湧きましてね……。」


「そうですか……。」


 そういうと少女はジェルミを見定める様に見ていた。


「……どうやら貴方は信用できる人間みたいですね。」


「へっ?」


「答えを言うと魔王は倒されていません。勇者達が相手にしていたのは『影武者』なのです。」


「えぇっ!? それでは魔王は生きているとっ!?」


「はい、こうして今、貴方の前にいます。」


「……はい?」


「はじめまして、私貴方達のいう所の『魔王』、『メイシャ・デモン』と申します。」


 そう言って少女は頭を下げた。

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