幕間2
感想+評価ありがとうございます。
メタリマンド城 執務室
「そうですか、ミロウ様はお元気でしたか。」
「あぁ、あの頃と全く変わっていない。」
村から戻って来たレバイアスは秘書官に村での出来事を伝えていた。
「しかし……、思っていたよりも事は大きい事になりそうですな。」
報告書を手に秘書官の眉間に皺が寄る。
「いや、考えによってはこの国を食い尽くそうとしている『白蟻』共を一掃できるチャンスかもしれん。かなりの『大掃除』になりそうだが……。」
「勿論、最後までついていきますとも。」
そう言って秘書官はニコリと笑う。
この秘書官は長年王家に仕えていてレバイアスやミロウの事も良く知っている。
信頼できる人物である。
「父上、失礼いたします。」
「『ジェルミ』か、入れ。」
入って来たのはレバイアスの息子であり王太子の『ジェルミ・メタリマンド』、以前ラジエーヌに顔面を殴られた、あの王太子である。
あの頃は我儘極まりない王子だったが、あの事件以来人が変わった様に我儘を言わなくなり、今では王太子として国政に関わっている。
「父上、出かけていたようですが何かあったんですか?」
「あぁ、ちょっと野暮用でな……、お前確かエリックと仲が良かったよな?」
「えぇ、でも最近は連絡は取っていませんが。」
「お前から見てエリックは勇者の資格はある、と思うか?」
「そうですね……、実力はともかくとしてかなりの女好きの所が問題です。『ハーレムを作るのが俺の夢!!』て豪語してましたからね。」
「そうか……、やはり人格に問題ありだったか。ジェルミ、お前に『秘密任務』を言い渡す。勇者パーティーの『後追い調査』をしろ。」
「後追い……、ですか? 何か問題でもあったんですか?」
「あぁ、大問題だ。」
レバイアスは村で起こった出来事を報告書を見せながら語った。
「本当ですかっ!? かなりの大問題じゃないですかっ!?」
「そうだ。だから、お前に勇者パーティーが立ち寄った町でどんな行動が起こったのかを調査するのだ。全部の街を立ち寄れとは言わない。そこはお前の裁量に任せる。」
「わかりました!」
こうしてジェルミは王都を旅立った。




