人にはそれぞれ事情がある
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その後、ラジエーヌに被害の内容をまとめた報告書を村長が渡して、ラジエーヌは帰っていった。
「あのラジエーヌて言う子、前に会った時は猫を被っていたのね・・・・・・、正直魔族と相対するぐらいの迫力だったわ。」
「だんだんと酷くなって来てるんです。昔はからかう位は出来たんですけど、最近は冗談も聞かないぐらいに気にしてるんです・・・・・・。」
「それが思春期て言うものさ。とりあえず領主の協力は得られた訳だから、後片付けといこうか。」
僕とミサさんは家に戻り、家の後処理をやった。
農機具はおじゃんになってしまったが近所の人達が使わなくなった物を無償でもらえた。
畑の方は被害が無く野菜も順調に育っている。
「へぇ、色んな物を育てているのね。」
「えぇ、こっちが本職ですから。ミサさんは農業とかやった事無いんですか?」
ミサさんは首を横に振った。
「私は魔法の才能がある事がわかった時点で私は国の施設に入れられたの。」
国の施設?
「私みたいな特別な才能を持つ子供達を教育する施設があるの。その施設に入れば両親は国からの援助金が出て生活が保証されるの。私はあっさりと親から離されたわ。今じゃあ家族の顔も覚えていないわ。」
そんな施設や制度があるのは知らなかった・・・・・・。
まぁ、僕には関係ない話か。
夜は畑で採れた野菜でサラダとシチューを作った。
「エドって料理も上手いのね、美味しいわ。」
「一人暮らしが長いですから。」
「エドの両親は既に亡くなっている、てシンシアから聞いたんだけど。」
「はい、山で山菜を取りに行った時に崖から落ちて死んじゃったんです。」
あの時、僕はまだ9歳で両親が亡くなったのはやはりショックだった。
だけど周りの大人達が支えてくれたのでこうして生きていけた。
だから、僕はこの村が大好きだ。




