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どうやら被害はかなり重かったらしい

 翌朝、僕はミサさんと一緒に自宅に戻り被害状況を確認する。


 改めて確認すると、倉庫は全焼していて農機具等は完全にパーになってしまい新たに買い替えなければいけない。


 家の一部も黒焦げになっていて修繕が必要。


 コレクションの本も一部は焼かれてしまった、ちょっと残念。


「へぇ、魔導書も持ってるのね。」


「魔力は持ってないんだけど、読み物としては面白くて頭の中で想像してみるんだよ。」


 勿論、僕が持つよりミサさんみたいな魔法使いが持つ方が良いに決まっているんだけどねぇ。


 知識としては持っていても良いと、思う。


「・・・・・・ちょっと待って。この本、何処で購入したの?」


 ある本を手に取ってミサさんは固まった。


 その本は一部焼かれていた。


「それ? 古本屋で買ったけど?」


「コレ・・・・・・、『王宮図書館』に保管されている持ち出し厳禁の本よ。」


 ・・・・・・はい?


「後ろに王印が押してあるでしょ? これは国の貴重な資料として国外は勿論、図書館以外では閲覧は禁止されている本なのよ。」


「えぇっ!? そ、そんな貴重な物だったの・・・・・・。」


 とんでもない物を読んでいた事がわかり背筋に嫌な汗が出た。


 で、改めて本を調べたら何冊か王印が入った本が見つかった。


 幸いにも被害はあの1冊だけだった。


 しかし、持ち出し厳禁の本が市場に出回っていたのが大問題で、しかもその内の1冊が焼かれてしまった。


「国に報告すれば、たちまち警備隊が動いてまず持ち出した犯人を特定して処分されるわね。最低でも無期懲役、最悪で死罪ね。」


 本1冊で死罪・・・・・・。


「流石に原本ではなくて複製本だと思うけど、被害報告に入れておいた方が良いわね。」


 とりあえず、我が家の被害状況は確認出来たので、村長に報告をする事にした。


 村長に本の話をするとやっぱり驚いていた顔をしていた。


「噂では秘密裏に貴重な本が売買されている、というのは聞いていたがまさか本当だったとは・・・・・・。これは国を揺るがしかねない大問題に発展する可能性になるぞ。」


 そう言って腕組をする村長。


 そんな時、扉がドンッという大きな音と共に乱暴に開かれた。


「村長っ! 一体何があった!?」


「『ラジエーヌ』様!」


 入ってきたのはこの村が入っている領地を納めている領主『ドラグニエル』伯爵の一人娘である『ラジエーヌ・ドラグニエル』伯爵令嬢、僕とシンシアの幼馴染みの一人である。




 


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