その術士、稀有なる魔具の適正者
魔術の学院イグドロス。
その一学年生である少年――ロスト・ヴォーグラムには欠点があった。
現代魔術行使において必須とも呼べる魔導具の適正が皆無だったのだ。
それゆえ、劣等感を抱いていたある時、クラスメイトの快活少女、ブリジットから魔導具《パンドラ》の話を聞く。
パンドラは未だかつて適正者がおらず、誰にも起動されたことのない古の魔導具だという。
そんな話もつかの間、ひょんなことからロストは学園一の実力者である少女、ミルヒ・シュトラーセに決闘を申し込まれ、勢いで応じてしまう。
引くに引けなくなったロストは一縷の望みにかけて、パンドラが保管されている学園地下へと身を投じる。
これは、風変わりな少年と、人々の物語である。
使えない魔術士と、使えない道具との出会いと、結果
2018/06/03 12:00
(改)