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優越
彼は無口だ
だいたいの会話のきっかけは私から
仕事の話は極力しない
お互いにそれなりのプライドを持っているから
最終的には険悪な空気になることは十分に分かっているから
私はこの年齢の女らしくなく可愛らしい性格ではない
早い段階から認められたこともあり
しっかりとした大人達の中で方を並べ働いている
実際は足がつって転びそうなくらいに背伸びしているのだが・・・
彼は職場では後輩や女子社員達に怖がられている
鋭い目は何かを見透かしているようでごまかしは効かない
ちゃらちゃらとセクハラまがいなどうでもいい会話もしない
笑顔もあまり見せない
だけど上司からの信頼は厚い
そして何より
私の前だけでしか見せないリラックスした表情は
私にとっては格別に優越した気持ちにさせてくれる
私が肴のエイヒレ炙りを注文したとき
彼が小さくため息をついて話し始めた