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久しぶりの逢引
「十八時半から待ってる」
いつものように簡単なメールで落ち合う
更衣室を出る前にもう一度鏡を見る
二ヵ月半ぶりに会うのだ
にやけた顔は隠せない
彼とはもうすぐ2年になる
会社の同僚である彼とはひょんなきっかけからこの関係は始まった
それはまた別のお話し
メールの時刻より少しだけ遅れて店に入る
彼は既にカウンターで刺身と日本酒を飲んでいる
いつもビールをグラスで2杯飲んでから日本酒にいく彼
少なくとも30分は待たせたのかも知れない
「待った?」
そう声をかけながら横に座った
彼は何も言わずにメニューを手渡した
私は彼と同じ日本酒を飲むためお猪口をもらった