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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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95話

 朝……目覚めの時っ!!

 夏野の心に突き刺さるのは…………昨日の後悔っ!!

 果たしてはアレで終わってよかったのかと夏野を苦悩させる……!!

 そして思い起される……昨日の楽園っ!!

 陽菜の白く柔らかな肌が目の間に広がり――


 もぞっ……もぞっ……


 「……ん?」

 

 人がせっかく昨日の出来事を思い出してエロ妄想をしようとしていた時に体中にべったりとスライムが貼りついた感触を感じて妨害された。

 確認してみるとどうやら精鋭スライムたちだった。

 一応部屋に鍵をかけて寝たんだが多分ドアの下の隙間からにゅるっと忍び込んで来たのだろう。女神なんか辞めてスパイになっちゃえよ。

 

 「"おはようごじゃいましゅ~(-ω- ,,)Zzz"」


 ピンクスライムがチャット機能を使って喋りかけてきたからそれに応える。


 「ああ、おはよう」

 

 そしてピンクスライムは…………多分二度寝した。


 「おい、起きろ」


 精鋭スライムたちをびしびしと叩き起こす。何故叩き起こしたかって?特に意味はないが調教の意味を込めて叩き起こす。

 別にこいつらは夏野家のペットじゃないから調教する必要なんてないのだが、スライム調教師としての血が騒いだのだ。


 びしびしっ! 


 精鋭スライムたちを根気良く叩き続けてようやく二度寝することを諦めたのかもぞもぞと起き始めた。


 「"おは Zzz……"」

 

 びしびしっ!


 「"おはようございます!(゜∀゜)"」


 「うむ、それでいい。」


 これが仕事を上手くこなせれた時の達成感か。いつか来るであろう就職活動の自己PRのネタとして覚えておこう。 


 「で、何で俺に貼りついて寝てるんだ?」


 今までの経験からするとこうやって人間に貼りつくのはスライムの好意の証だと思うんだが、昨日陽菜を助けるためにアヘらせるの邪魔した挙句問答無用でこいつらを弾け散らしているから俺に対する好感度は高くないと思うんだがこうやってべったりと貼りつかれている。

 まさかその復讐で俺をアヘらせようとか計画していたけど途中で寝落ちしたとかか?


 「"試合の参加賞としてなお君と一晩添い寝する権利を獲得したからです!"」

 

 「そう……」


 知らないところで参加賞にされてたよ。俺は一体、他のスライムたちにどう思われているのだろう?

 後でスラってみるか。


 「……あ」

 

 4匹のスライムが目の前でうねうねしているのを見ていると、突然良い事を閃きましたぞ!スラ一匹では出来ない事を今こそしてみようぞ!

 まずこうやって同じ大きさのスライム2匹を横に少しくっつけてます。

 誰でもいいや、とりあえず黄色スライムとオレンジスライムをこうやって……


 「いいか、そのまま動くなよ」


 「"( ̄▽ ̄)?"」


 そして!そのスライム間に挟まれるような形で俺の顔を埋める!!

 するとどうだ!!疑似おっぱいの完成じゃないか!!


 「おっぱい!おっぱい!おっぱああああい!!」


 流石俺、また新しい道を敷いてしまった!

 前々から思ってたんだよ!!おっぱいとスライムの感触って結構似てるなって!!


 「うおおおおおおおおおお!!」


 「なお君!おはようございま……うにゅ?」


 「ナオ……」


 「ん?」


 顔を上げるとスラと陽菜がそこにいた。スラは俺が何をしているか分からなそうにしていたが可哀想な目で見てくる陽菜は恐らく俺が何をしているか察していた。

 

 「おはよう(キリッ)」



 ◇◇◇◇◇



 「いきなり入ってくるなんて礼儀がなってないな。もし仮に俺が自家発電している所を陽菜に見られたら恥ずかしくて自殺するだろうな。危なかったよ」


 「いやっ、もう十分恥ずかし事してたから!」


 陽菜は顔を赤くして言う。ははっ、スライムに顔を埋めたくらいで何を恥ずかしがる事があるのやら。


 「そうか?価値観の違いだな。で、何の用だ?」


 「朝ごはんを持ってきました!」


 「ほぅほぅ」


 そういや、色々な事がありすぎて家を出てから1日以上まともに食事をしていなかったな。

 流石にお菓子だけじゃ流石に健康に悪いしもうお腹もペコペコだ。

 

 さて、故郷の飯はどんな食べ物が出てくるか。流石に人間が食べれない物をスラが出してくるとは思えないから一応食える物が出てくるだろう。

 郷に入っては郷に従え。ちょっとくらい変な物が出ても嫌な顔せず食べようじゃないか!

 

 「お湯はさっき沸かしたのがあります!どうぞ!」


 「えっ?ええっ?これ!?」


 だがスラから渡されたものは……いつも家で食べてるインスタントの焼きそばだった。

 

 「あの、あのあのスラさん?」


 「うにゅ?あぁー大丈夫です。安心してください!ちゃんと持参してきた物なので安全安心ですよ?」


 「いやいや、何故焼きそば……?」


 「おうどんの方が良かったですか?じゃあボクのと交換しましょう!」


 スラが持っていたうどんと焼きそばがトレードされる。


 「ちがう……そうじゃない」


 「うにゅ?……ああ、ごめんなさい。お箸もいりますね」


 「ちゃうねん!故郷まで来てなんでいつも食べてるインスタント食品やねん!これじゃあ、大阪に来てお好み焼き食べずにもんじゃ焼き食べるみたいなもんやないか!」 

 

 うねうねうね


 一方、精鋭スライムにとってカップうどんは珍しいのか知らないがすごく興味津々の様子でカップうどんに集まっていた。

 俺はカップうどんの蓋をめくって粉末ダシとお湯を注ぐ。


 「ほれ、5分後に出来上がるから仲よく分け合って食えよ?スラ、この精鋭スライムの中で一番ちゃんとしてる奴はどいつだ?」


 「んーと似たり寄ったりですが、ゆいちゃん――そこの緑スライムです!」


 「りょーかい」


 一番まともだと指名されたゆいちゃんに食事の指揮を任せるために割りばしを渡してやる。

 すると、精鋭スライムたちは気でも狂ったんじゃないかと思うほどハイテンションの踊りを始めた。

 まるでスラに初めて餌として素麺をやった時と似たような反応だった。 

 てか、その中でも一番ゆいちゃんが頭一つとびぬけてハイテンションになってるんだが……ちゃんと仲よく分配して食ってくれるか心配になってきた。


 「な?スライムだって地球の食べ物をもらって嬉しいように俺だって故郷の飯を食ってみたいんだよ。……おい、まだ30秒も経ってないぞ。何百万年も生きてるんだから5分くらい待てよ」


 フライングして蓋を開けようとしたオレンジスライムを抱きかかえてうどんから遠ざける。


 「" (; ・`д・´)…ゴクリ… "」


 遠ざけられたオレンジスライムはわなわなと待ちきれない様子で震えていた。


 「なお君……そのー……故郷にも食べ物はあるにはあるんですが……なお君の口に合わないじゃないかなーって思うんです」


 「まぁ、それはそれで良い思い出になるだろう。それともあれか?食ったら体に悪いレベルなのか?」


 「うにゅー……ちょっと待ってくださいね。先輩方、今日のお食事当番は誰でしたっけ?……ふむふむ、そうですか。大丈夫です!健康に問題ありません」


 えっ?何?食事当番次第では健康に問題ある食べ物が出てくるの?すっげー怖いんですけど。


 「丁度、広場で朝ごはんの炊き出しをしているのでなお君も行ってみますか?」


 「ああ、そうでなくっちゃな。陽菜はどうする?あんぱい選んでここで飯食っとくか?」


 「私?私も炊き出しでいいわ」


 「そうか、なら行こうか。……後3分もあるからちゃんと待ってから食えよ?」


 蓋のほんのわずかな隙間からカップうどんの中を見ようと頑張っているオレンジスライムに釘を刺しておく。


 「" ( _。д゜)アウアウアー "」


 ……もういいや。


 そして俺と陽菜とスラの2人と1匹で広場に向かった。


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