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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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92話

 「いよいよお待ちかね!陽菜ちゃんアヘらせ親善試合がついに始まります!実況はスラちゃん、解説は黒様でお送りします!黒様、よろしくお願いします!さて、早速ですが試合を迎えての陽菜選手のお気持ちを一言!」


 「絶対スライムなんかにアヘられたりしない!」

 

 「おおー!これは何とも強気な姿勢!精鋭スライムたちも強敵と戦えて大喜びの様子です!」


 「……いや、ナオと約束したから仕方なく言っただけで私は――」


 「さて、今回のゲームのルール説明をします!制限時間は180分!その間に陽菜選手がアヘるかどうかで勝敗が決まります!」

 

 「さっ……3時間!?いくらなんでもそれは長すぎだよね!?」


 「その代わりスライムたちの道具の使用は不可、己が持つ技術力のみを頼りとしたガチンコ試合となります!それでは試合すたーと!」


 「……ちょ!?まだ心の準備が……」


 「ゆい選手……うにゅ、名前で言っても分かりませんね。緑スライムが試合開始と同時に陽菜ちゃんのお腹に飛び乗ってヌルヌルマッサージ攻撃を始めました!」


 「……ん?……あれ?なんか普通のマッサージ?」


 「緑スライム、そのままゆっーっくりと優しくマッサージ攻撃を続けています!それにしても黒様、あの奥手の緑スライムがまさかの試合開始と同時に攻撃を始めるなんて一体どうしたのでしょうか?」


 「ん~……もうちょっと横かなー。うん、そこそこ」


 「……ふむふむ、グーグル検索で緑髪と検索するだけで「緑髪 不人気」と出てしまうくらい緑髪の美少女は不遇ポジション!その屈辱の思いが緑スライムを奮い立たせたのですね!ですが、やっている事はいつものマッサージと変わりません!陽菜選手も気持ち良さそうです!」

 

 「ん~……やっぱりゆいのマッサージはさいこー……」


 「試合前のインタビューでは、「例え、友人でも手は抜かない。機械女神一のマッサージ師としての誇りがありますから!」と、とても意気込んでいた緑スライム!ですが、このまま普通のマッサージでは試合に負けてしまいます!この後、果たしてどう試合が進むのでしょうか!ここで一旦CMです!こほん、……故郷の旅行に地図はいかがですか?楽しい旅行も迷ってしまったらしょんぼり!地図をお求めならスライム本屋へ!」


 1時間経過



 「試合が始まってから1時間が経過しました!ですがこれは一体どういうことでしょうか!緑スライムがやっているのは普通の全身ぬるぬるマッサージ攻撃!これでは陽菜選手をアヘらせることはできません!そればかりかとてもリラックスした様子です!」


 「んー……」


 「そのあまりにも心地よさに陽菜選手はうたた寝をしています!とても羨ましいです!このまま試合が終わってしまうのでしょうか!……うにゅ?緑スライムが空になったボトルをボクに渡してきました!これは……もしや!?」


 「……なんか……体がとっても温かくなったような感じがする」


 「人間に恋をした、とある機械女神が調合したと言われる"スライム恋薬"。ローションと媚薬が合体したような物です!使ってから1時間後に効果が出る"スライム恋薬"はあまりのも効果が高く長らく封印されていたのでボクも見るのは初めてです!」


 「ス、スライム恋薬!?あれは…………と、とにかく!道具は使ったらダメだって言ってたよね!?」


 「……ふむふむ、緑スライムがスライム恋薬を飲んだだけで陽菜選手には使ってないからセーフですか。ですが緑スライムのマッサージを受けている陽菜選手にも効果が出るとの事!つまり……自滅を覚悟した上で陽菜選手をアヘらせると言う事ですか!」


 「ゆいが飲もうがそれが私に効果出るんだったらルール違反でしょーが!」


 「……ふむふむ、解説の黒様がセーフと言ってるのでセーフでしょう!」


 「いや、だってそもそも黒って中立じゃないよね!?精鋭スライムの味方だよね!?」


 もぞもぞ


 「おっと!陽菜選手が審判に抗議しているスキをついて緑スライムとピンクスライムがバトンタッチしました!バトンタッチの時間はおよそ5秒!その鮮やかな交代ぶりに観客も興奮を隠すこことはできなかったでしょう!次はいよいよアタッカーのピンクスライムのターンです!」


 「はぁ……はぁ……んっ……媚薬の効果が……」


 「試合が始まって1時間!ついにここから本番!その白熱したバトルはCMの後すぐ!こほん、……故郷に立ち寄ったら故郷名物、スライム饅頭がおすすめ!!スライム菓子店へゴーゴー!」

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