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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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86話

 「あわわ・・・まさかこんな事になるなんて・・・まだ心の準備がぁ~」

 「ええやないか!ええやないか!」


 陽菜は顔を真っ赤にしながら俺に引きづられてフロント前まで到着。

 もちろん、今まで友達すらいなかった俺はこういう所にくるのは初めてだ。

 だが、思春期の男ならば誰もがインターネットとかでラブホのシステムをぐぐったりはするだろう。

 つまり男は皆、事前知識は十分持っているのだ!


 「え~っと、まずは部屋を選ぶんだったな。陽菜、どの部屋がいい?」


 どこ選んでも似たような部屋だろうと思っていたのだが、部屋パネルを見ると色々な種類の部屋があってラブホっぽい部屋だけではなく和室や洋室、SF的な部屋や例のプールみたいな部屋もある。

 相変わらず無駄な技術をふんだんに使っている。


 「あのさ・・・やっぱ一緒の部屋に入る気?」

 「もちろん!」

 「あぁ~・・・そう。んーと、部屋はなんかピンクの可愛いその部屋を希望で・・・」

 「ほう」


 陽菜は適当に選んだつもりだが、その部屋はまさに王道を征くラブホっぽい部屋だった。

 俺は王道を往くラブホっぽい部屋のパネルのボタンを押して陽菜が希望した部屋を選ぶ。


 「で、ボタンを押した後は鍵をもらうんだっけ」

 「・・・ナオ、なんか詳しくない?」

 「別に?男子生徒はな、学校の保健体育で習うだよ」

 「えっ!?そうなの!?・・・へ~・・・男の子ってラブホテルの入り方も習うんだ。へ~」

 

 でたらめ言ったのだが、男が習う保健体育について陽菜は興味津々のようだった。 

 ほうほう・・・なんだかんだ言って年頃じゃないかぁ。

 さて鍵を貰おうか。

 俺は鍵をもらう為に、小窓の方を見る。


 うねうねうね


 スタッフと客が顔をお互いに見えないように小窓があるのだが、小窓の下で普通にスライムがうねうねしながら待機していた。

 

 「鍵くれ」 

 「"どぞ~ごゆるりと~"」


 うねうねうね


 スライムから鍵をもらって俺達は部屋に向かう。


 「ナオ・・・さ。やっぱり変な事するのよ・・・ね?」

 「ああ」

 「・・・っ~!!」


 陽菜は赤い顔がさらに真っ赤になって下に俯いた。

 きっと恥ずかしくて顔を合わせることができないのだろう。

 そう、これはスライム達が用意してくれた絶好のチャンスなのだ。

 陽菜にセクハラをしまくって穢れない程度に陽菜をひなひなにして汚してやるのさ!

 ふっふっふっ・・・興奮しすぎて一線を越えないように気をつけないとな!


 ぴょん!ぴょん!ぴょん!

 

 「スラちゃんやって来ました!」

 

 おや、外に置いてきたスラがついてきた。

 追い返すか。


 「スラ~!いい所に~!ほら、一緒に行くわよ!」


 がしっ!


 追い返そうと思ったのに陽菜ががっちりとスラをホールドして頬にすりすりした。

 陽菜にとっては今のスラが女神に見えるのだろう。


 「どういうつもりだ、スラよ。・・・まさか主のセクハラを邪魔しようとするのか?」


 やっぱ除け者にしてしまったから嫉妬したのだろうか。

 でもな~・・・俺の主義的にはペットにセクハラはちょっと対象外なんだよなぁ。

 何でも言うこと聞いて何でもやってくれるペットにセクハラしても面白くないのだ。


 「逆です!ボク達、機械女神が集まって演算能力をフル回転させて未来予想した結果、なお君がヘタレて陽菜ちゃんにセクハラを何もしない確率が80%だったのです!」

 「あ~・・・や~っぱりね~!ナオって何だかんだ言ってヘタレだもんね~!」


 えーと、スラの自称だがスラ一匹で地球にある全てのコンピュータを合わせた演算処理能力を上回るらしい。

 で、そんなチート生物が集まって演算能力をフル回転させてまでやった事は俺をヘタレ認定する事だった。

 もうちょい有意義な事に使えよ・・・


 「まぁ、ここは青少年らしく健全に健全にー・・・」

 「で、なお君が何もしなかったらせっかく造ったホテル機械女神プレイがもったいと議論になりました!そんでもって、ボクがセクハラエージェントとしてなお君のセクハラサポートをしに来たのです!」

 「私の味方をしに来たんじゃないの!?・・・私、やっぱり外で寝るぅ~・・・」


 陽菜はホールドしていたスラを放す。


 「んふふ~陽菜ちゃんも素直になるのです!」


 そして今度はスラが陽菜をがっちりとへばりついて逃げられないようにした。


 「さぁ、行きましょう!」

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