85話
森の中を歩くと陽菜がスライム数匹にしがみつかれながら立っていた。
俺同様、陽菜もスライム達に大人気だ。
「来たわね」
「陽菜も大変だな。重いだろうに。・・・おお、そこの陽菜のおっぱいにしがみついているスライム、俺とかわってくれ」
ぴょんぴょんぴょーん!
陽菜のおっぱいにしがみ付いていた緑スライムは俺の胸にしがみついてきた。
うーん・・・そういう意味じゃないんだけどなぁ。
「私は慣れてるのよ。それに・・・って・・・わ・・・わわっ!!」
陽菜は俺を見てすごく驚く。
「えっ・・・何だ?どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも・・・そのっ・・・えーっと・・・失礼しまーす」
「ん?」
陽菜はそーっと俺の方に手を伸ばす。
「緑スライムに嫉妬して俺に触りたくなったのか?ん?ええで?」
「違うわよ・・・」
陽菜はそっと黒がかぶっているパンツに手を伸ばす。
「ナオに悪気はないのよ・・・大人しくしててね~」
「・・・」
陽菜は黒からぱんつをとって自分のポケットにしまおうとする。
ビュン!
だがやっぱり思っていた通り、黒は超高速でぱんつを取り返しもぞもぞと再装着しようとした。
「えー・・・なんでー・・・?」
「えとえと、なお君が友情の証として黒様にあげた物なんです!」
「えー・・・それ、私のだから返してよー」
黒はふきだしを使って答える。
「"・・・だめ・・・これは今日から国宝"」
「・・・国・・・宝!?」
ぱんつを取り返そうとしてた陽菜の動きが驚きのあまり止まった。
「どうして私の下着が国宝になるのよ・・・」
「"・・・よかよか"」
「良くない!」
俺もまさかあげたぱんつが機械女神の国宝になるとは思わなかった。
「休憩所って・・・ここか?」
森を歩いて広場に戻るとまた一つ新しい建物が建っていた。
大きさはそこまで大きくないがディズニーランドみたいな中世っぽい城だった。
ただ・・・城の色が全面ピンク色でカラフルなLEDで装飾されていた。
そして、看板には「ホテル 機械女神プレイ」と書かれている。
その建物を見るに明らかに・・・
「・・・ラブホテルじゃん」
俺がつっこむ前に陽菜がつぶやいた。
「おや、陽菜さん。ラブホを知ってるのか?」
「えっ!?・・・ま・・・まぁ人並みには」
「ほうほう・・・何回くらい行ったのかなぁ?」
「行ったことないわよ!」
「そうか、なら今日いよいよ陽菜はラブホを初体験!ラブホで初体験!気持ちよくなってきたー!!」
スライム達やるじゃん!
俺は小躍りする。
「えへ、えへ、えへ!ウェーイ!」
「私・・・そこらへんで寝てくる」
陽菜はすたすたとどこかに歩いて逃げようとしていたが、スラが後ろから抱き着いて足を止めさせる。
「待ってください陽菜ちゃん!ここは機械女神の総力をかけて作ったのです!ぜひ体験して行ってください!」
「・・・じゃあもっとまともな建物に造り直してよ」
「うにゅ?さっきのトイレみたいにダンジョンを攻略してから入る必要はないですよ!」
「いや・・・そう言う意味じゃなくて・・・」
「特に!お風呂とかすっごいがんばりました!きっと気に入ると思います!ねー」
ぴょん!ぴょん!ぴょん!
スラに同調するように周りのスライムも元気良く跳ねた。
「では早速入りましょう!3人で!」
「ウェーイ・・・ん?3人?俺と陽菜と・・・後誰?」
いきなり初めてで3Pは流石に天才の俺でも上手くできるか自信がない。
ここは次に確実に繋げるために2Pで成功させたいのだが?
「え・・・スラちゃん・・・です」
いつものあざといポーズを取っていたがドヤ顔があまり決まってなく表情が硬かった。
「いやぁ、ラブホにペットも一緒に連れて行けないだろう」
「えっ・・・?」
「さぁ、いくぞ陽菜!」
俺は陽菜の腕を掴んでラブホへ引っ張った。




