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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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84話

 休憩所に向けて森の中をスラの案内に従って歩く。

 

 「右手に見えますのが~故郷3丁目の12-10で~みんなとよくかくれんぼとか鬼ごっことかして遊んだりしています!」

 「・・・ああ」


 スラはまるで旅行のガイドのように説明してくれるが3丁目の12-10番地とか言われてもどう反応したらいいか分からん。

 ただの森じゃん。


 「左手に見えますのが~故郷3丁目の12-11で~みんなとよくかくれんぼとか鬼ごっことかして遊んだりしています!」

 「同じじゃねーか」

 「そうですか?」

 「てか、適当な事言ってるだけじゃねーのか?」

 「これを見てください!スラちゃん嘘つかない!」

 

 スラが指した看板を見て、俺はそこに書いてある文を読む。


 「え~っと・・・"ここは故郷5丁目5-5"」

 「うにゅ・・・すいません・・・」


 いや、住所に違いがあっても俺にとってどうでもいい事なんだが・・・

 とりあえず慰めの意味を込めてスラの頭をなでなでする。


 「うにゅ~・・・確かにここは3丁目のはずなんですが・・・ん・・・そうなんですか、数年前に変わったのですか」

 「何独り言言ってるんだ?スラちゃん怖い」

 

 スラが独り言のようにぶつぶつ言っていた。

 

 「すいません。黒様と会話してました!」

 

 もぞもぞ


 抱えていた黒が少しもぞもぞとしていた。

 ああ、そうか・・・スラと黒がテレパシーで会話していたのか

 

 「ん?どうしました?」

 「いや~、スラがテレパシーで会話されると俺が蚊帳の外になってしまって・・・」

 「ふふ~ん・・・そういうこともあろうかと実はテレパシー通信がなお君でも分かるようにチャットツールを新たに実装しました!」

 「チャットツール?」

 「では、実際に見てください!どうぞ!」


 ・・・


 ぽわーん

 

 黒の上にオンラインゲームで出てくるようなふきだしが出て文字が書かれていたので読んでみる。


 「"・・・"」  

 「ほう、これで少しは他のスライムともまともにコミュニケーションがとれるか」


 便利な機能だったが現状、黒に対しては何も意味をなしていなかった。

 だが、ここで機械女神のトップの黒について色々知っておいた方が色々後で得になるかもしれない。

 これを使って黒と会話してみよう。


 「黒~元気ですか~?」

 「"・・・元気"」

 「調子はどうですか~?」

 「"・・・絶好調"」  

 「テンション上がていきましょうか~?」

 「"・・・あげあげ"」


 う~ん、そんなテンション高そうには見えないな。

 

 「もし、スラが今回の裁判で有罪になった場合、最悪のケースではどういう処分になってしまうんだ?」

 

 ほぼ、100%の確率で有罪になってもやばいことになるとは思えないが一応、黒から聞いておいた方がいい。

 これで返答が「・・・おこられる」とかだったら俺はより安心できる訳だ。


 ・・・


 だが、黒からの返答は思っていたのと違った。


 「"・・・神のみぞ知る"」

 「えっ、何それ?人間の俺には言えないってことか?」

 「ん~・・・っと言うより、ネタばらし防止でしょうね!せっかくなので無理な詮索はやめときましょう!」


 無理な詮索はやめときましょう!・・・ってスラさんの事なんやで?


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