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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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83話

 「・・・」


 ・・・むしゃ


 俺の膝に乗ってせんべいをむしゃむしゃしている黒は機械女神の中で一番偉いだと?

 ってことはあれか・・・人間で言うと、俺は総理大臣や大統領の頭にパンツをかぶせたということになる。

 

 「スラ、黒・・・様は今何か言ってるのか?」

 「せんべい・・・かゆ・・・うまっと言ってます!」

 「かゆいのか?」


 適当に言ってるだけなのか、本当にかゆいのか分からないが黒様を適当に軽く掻いてみる。

 だが、やっぱり反応はなかった。


 「よかよか・・・っと言ってます。後、様付けはいらないそうです!」

 

 うーん・・・本人が様付けがいらいないと言ってるのだから取っても大丈夫なのだろうか。

 

 「なら、改めてよろしくな。黒」

 「・・・と言ってます!」

 「・・・って何って言ってんだ?」

 「黒様は寡黙なので正確にはボクも分かりませんが、肯定みたいな感じで受け取って良いと思います!ただ・・・」

 「ただ?」


 スラは黒を見てそーっと目を逸らした。


 「いえ・・・何でもないです」

 「気になるんだが」

 「とりあえず、なお君が休憩できる所を造ったのでぜひ来てください!」

 「あ・・・ああ」


 何を言おうとしたのか気になったが、今は疲れも溜まっているのでおいて置こう。

 俺は立ち上がりそのまま黒を抱える。

 

 「黒様も持って行くのですか?」

 「ああ、なんとなくな」

 「なら、気をつけて持って行ってくださいね!割れ物注意です!」


 落とした所でダメージなんて全くないとは思うが、一応丁寧に持っていこう。

 



 「なぁ、スラ」

 「うにゅ?」


 森の中を歩いている途中、俺はスラに喋りかける。


 「黒が一番偉いんだろ?スラの殺人未遂の件を許してもらうってのはどうだ?」


 わざわざ故郷に来た目的はスラが合宿で不良たち相手に戦闘もーどを使った件で裁判を受けること。

 んで、そんなめんどくさそうな事しなくても機械女神のトップを今抱えているのだから直接許してもらえれば手間がはぶける。

 そんでもってサクっと許してもらって、ささっと家に帰ることができれば残りのゴールデンウィークを満喫する時間が増えるのだ。 


 「罪が知らない間にすごく重くなってませんか!?スラちゃんそんなに悪くない!」

 「で、黒さん許してくれね?」


 片腕でサッカーボールのように抱えてた黒を両手で俺の目線の高さまで持ち上げて問いかけてみる。

 しかし、やっぱり反応らしい反応がなかった。


 「なお君、それは黒様でもできないと思います!」

 「えっ・・・なんでだ?」


 故郷に来てわかったが、ここにまともな法律や裁判の手続きがあるとは思えない。

 なら、鶴の一声で裁判なんて無かったことにして終わらせることも簡単だと思ったのだが。


 「いくら機械女神トップの黒様とは言え、無理矢理裁判を中止してしまうとみんながしょんぼりしてしまうのです!」 

 「あん?裁判できなくてしょんぼりって何だよ?何?スラっていじめられてんの?」


 スラってそんな可愛そうな立ち居地だったのか。

 可愛そうだからこれからスラにドックフードをやる時はもうちょっと質の良い物にしておこう。


 「機械女神社会にいじめなんてありません!」

 「だったら仲間に有罪が出るかもしれない裁判はなかった方が良いんじゃないか?」

 「故郷では裁判自体が娯楽みたいなものなのです!」

 「えー・・・」

 「もちろん、裁判を受けるボクは本気で無罪を勝ちに行きます!」

 

 スラはドヤ顔だった。

 

 「俺、スラのことすっごい心配して故郷に来たのに来る必要なかったんじゃないのかなー?」

 「えっ?・・・でもなお君がここに来た目的って心配してくれたっと言うよりボクが渡した報酬品ー・・・」

 「俺、すーっごいスラのこと心配してたのになー!」

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