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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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82話

 「何故肌の露出が少ないスクール水着が男を欲情させるかと言うとだなー・・・」

 「なおくーん!こっちの仕事は終わりましたー!」

 「ああ・・・お疲れさん」


 俺の主義を主張すること30分くらい経っただろうか。

 スラが現場監督の仕事?を終えてこっちにやって来た。

 そういや、俺のパッションを抑えることができず結果、黒スライムを長い時間拘束してしまった。

 黒スライムが一体何を考えてどう思っているのかは分からないまま一方的に喋ってしまったが・・・いや、多分何も考えてないとは思うが。俺が語りかけているときも大人しく聞いてくれて、たまに相づちを打つ動作もしてくれた。

 そしてご褒美として聞いてくれている間にせんべいをあげていたが、1時間近くたって黒スライムが食べたせんべいは2枚と今かじっている1枚だけだったので手持ちのせんべいだけで賄えてしまった。


 「んふふ~先ほどのお詫びの意味を込めてボク達の総力を結集させてなお君が休憩できる場所を造り・・・て、・・・くっ・・・黒様!?」

 「黒様?」

 

 スラのさっきまでのドヤ顔が一瞬で消えて青ざめて動揺し、ぷるぷる震えた。

 そしてスラは素晴らしいフォームで土下座をした。

 普段、俺が部屋で土下座の練習している横でマネをするようにスラも付き合っていた成果が生かされたな!


 「も・・・申し訳ありませんでした!その・・・なお君に悪気は決してなくー・・・」

 「・・・」


 ・・・むしゃ・・・むしゃ


 黒スライムは俺の時と同様、ノーリアクションでせんべいをむしゃむしゃしている。


 「一体そんなにビビッてどうしたんだ?」

 「それはもう・・・ええと、とっ、とりあえず今すぐ取るので失礼しますね!」


 スラは俺が黒スライムに装着したパンツに手を伸ばして外そうとする。

 なるほど・・・調子に乗ってかぶせてしまったけどやっぱりまずかったのか。

 もしかして、態度には出てないけど怒っているのだろうか?

 ひょっとしたら俺には聞こえないが、スライム間のテレパシーでは文句タラタラ言ってたりするのだろうか?

 スラはそっと優しく黒スライムからパンツをとった。


 「・・・後でなお君にはしっかり言っておきますのでどうかお許しを!」


 ぱんつをとったスラは土下座の体勢に戻ろうとしていた。


 びゅん!


 「ん?」

 「・・・うにゅ?」


 一瞬、風がなびく感じがしたが何があったのか良く分からなかった。

 俺の動体視力で分かった事は、恐らく黒スライムがスラに対してものすごい早さで何かをしたということだ。

 スラの反応を見る限りスラ自身も何をされたのかよく分かっていなさそうだった。

 もしかして黒スライムがスラに何かすぐには気付かないおしおきでもしたのだろうか?

 てか黒スライムさん・・・そんな早い動作できたんっすね。

 

 「黒様・・・?」

 

 スラは驚いた表情をする。

 黒スライムを見ると、スラがとったパンツをもぞもぞゆっくりした動作で再度かぶりなおそうとしていた。

 ってことは、さっきの早い動きはスラからパンツをとった動作か。


 「・・・」


 ・・・むしゃ・・・むしゃ


 俺がかぶせた時と同様のかぶり方をして黒スライムはせんべいを食べることを再開した。


 「そうですか・・・そのままでよろしいのですか。なお君、どんな経緯があったか知りませんが黒様は気に入ったようです!」

 「・・・それはなにより。ところでクロサマってのがこの黒スライムの名前なのか?」

 「クロサマじゃなくて黒様です!様づけです!」


 黒いスライムだからとりあえず黒スライムと呼んでたけど本名も黒だったのか。

 スライムだからスラと名付けられたくらい単純で分かりやすい名前だ。

 ここで一つ疑問が浮かんだ。

 

 「前にスラが機械女神に上下関係はないって言ってたけど様づけなのか。前に作った設定くらいちゃんと覚えとけよ?」

 

 俺もその言葉を信じて油断していた・・・スラや他のスライムと同じような扱いじゃ駄目じゃん!

 これからスラの裁判みたいなのをするのに偉いスライムの心象を悪くするのはとても悪手だ。

 

 「設定ではありません!え~っと、前も言った通り基本、上下関係はありません・・・が、黒様だけは特別なのです!」

 「黒様だけ?もしかして・・・」

 「ですです。黒様は機械女神のトップです!ナンバー1なのです!」

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