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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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81話

 むしゃ・・・・・・・むしゃ


 「・・・」


 ・・・むしゃ


 遅ぇ。

 せんべいを黒スライムにあげてからおおよそ10分くらいだろうか。

 黒スライムはとてもゆっくりとせんべいを食べていた。

 ポケットに入るくらいの大きさのせんべいだが、まだ半分も食べてなく口にくわえ続けている。

 黒スライムはこのマイペースなのが素なんだと言う事が良く分かった。


 ぽと


 「あっ・・・」

 

 くわえていたせんべいが割れて地面に落ちた。


 「・・・」

 「・・・」


 そろーり


 黒スライムはゆっくりとした動作で地面に落ちたせんべいを拾い上げ再度くわえなおした。


 むしゃ・・・・・・むしゃ


 そして何事もなかったかのように食べなおした。  

 



 さらに10分後




 ようやく1枚のせんべいを食べ終えた黒スライムは動きを完全停止させた。

 恐らく俺が何もしなかったら黒スライムもしばらく動かないだろう。

 このまま盆栽を見続ける老人のように観察し続けるのもそれはそれで面白いが、スラと正反対の性格をした黒スライムをもっと知りたくなった。

 もう少しコミュニケーションをとってみよう。


 「撫でてみてもいいですか?」

 「・・・・・・」


 コク


 しばらくの沈黙後、小さく頷いてOKの意思を表した。

 出会って間もないのに「撫でもいいですかぁ~?」とスキンシップを求めて、しかも了承をとれるのはイケメンの特権!

 さぞかし俺はイケメンなのだろう。


 なでなで


 「・・・」


 分からん。

 もしスラを撫でた場合、喜びのあまり謎の踊りをするくらい分かりやすい反応を示してくれるのだが、黒スライムはほとんど反応してくれない。

 もしかしたら我慢してたり怒ってたりしてるのかもしれないがそれすらも分からない。


 なでなで


 「・・・」

 「・・・ありがとうございました」


 手を離し撫でるのを終わらせる。

 とりあえずコミュニケーションを取るのはこんなもんでいいや。

 何を考えているか分からない以上、むやみやたらに触れるのは良くないだろう。

 黒スライムから湖に視点を変えて大自然の素晴らしさに感動しておこう。


 ぼけっー


 ああ素晴らしい。

 この大自然はまるでスク水を着た美少女みたいな美しさがある。


 もぞもぞ


 嗚呼素晴らしい!

 湖でスラと陽菜と赤神ちゃんがスク水姿で水遊びしてる幻覚が見えてきた!


 もぞもぞ

 

 あああすばらしいいいい!!

 ここは人が来ないからスク水脱いでも恥ずかしくなんかないよって?

 いいよ!脱いじゃって!でも完全には脱がないで!半脱ぎで! 


 もぞもぞ


 ・・・ん?


 大自然の素晴らしさに打ちひしがれると足に何か柔らかい物が触れる感触があった。

 見てみると、黒スライムがゆっくりとしたペースで俺のあぐらの上に座ろうともぞもぞしていた。

 黒スライムを拾い上げてあぐらの上に置いてやる。


 「・・・」


 そしてまた黒スライムの動きが止まった。

 うーん・・・スラのように膝にすりすりして喜んでるアピールをしてたら分かりやすいのだが・・・

 まぁ、黒スライムの方から乗ってきたからいいのだろう。


 「いや~故郷の自然は素晴らしいですね」

 「・・・」


 ・・・反応がない。

 てか、頷く動作すらない。

 まさか無視されているのだろうか。  


 「・・・はっ!?」


 この状況・・・俺が鈴木高校に入学して友達を作るためにクラスメイトに喋りかけてもあまり相手にされなかった状況に似ているではないか?

 社交辞令みたいな挨拶は全く効果がなかったではないか!

 考えろ、考えるんだ俺。

 ならば俺はその状況をどうやって打破した・・・?

 俺はどうやって友達をつくることができた・・・?


 そう・・・答えはエロだ!

 合宿の時、エロのおかげで友達ができたではないか!

 自身の性癖をありのまま晒しだすことで友情を深めることができたではないか!

 ならやることは簡単だ。


 「すぅ~・・・」

 

 ありのままの 姿見せるのよ。

 ありのままの 自分になるの。


 俺はポケットから今回の報酬品である陽菜のパンツを取り出して黒スライムに見せた。


 「黒スライムよ、これは俺の家宝だ!俺は生涯これと共に生きていこうと誓ったが・・・人間と機械女神の今後の良い関係を祈り、これを黒スライムに進呈したい!」 

 「・・・」

 

 俺は黒スライムに陽菜のパンツをかぶせた。

 黒スライムは抵抗らしい抵抗もせず、されるがままパンツをかぶった。

 そして俺はエロの素晴らしさについて黒スライムに語り始めた。

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