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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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77話

 といれダンジョンB1F とあるスライム2匹の(テレパシー)会話


 「"私達の配置はここら辺でいいかな?"」

 「"うんうん、ここがベストだよ!"」

 「"でも、なんでダンジョンを?なお君って人が困るんじゃないのかな?"」

 「"さぁ、なんでだろうね?"」

 「"うーん"」

 

 お互いに首を傾げる動作をする。


 「"誰がダンジョン造るって言ったっけ?"」

 「"たくさんいたから誰かまで分からなかったけど、赤色の誰かだったと思うよ。夏野には試練が必要だとかなんとか言ってた気がするよ"」

 「"うーん・・・よく分からないね~"」

 「"分からないね~"」

 「"でも、やるからには楽しまないといけないね"」

 「"そうだね、がんばろう!"」


 ぴょんぴょんぴょん!

 ぴょんぴょんぴょん!


 お互いに跳ねる。


・・・ダッダッダッ


 盛り上がっている内に、入り口の方から人間の気配が近づいてくる。

  

 「"あっ!なお君って人が来たみたいだよ!"」

 「"予定よりも早いね。ところで今回、私達はどんな設定だったっけ?"」

 「"勇者なお君のチュートリアルの為の低レベルスライム役。軽く戦って適当な所でやられるんだって!"」

 「"またやられ役なんだ・・・たまにはボス役もやりたいな~"」


 コーホー・・・コーホー・・・

 大きな呼吸音を出しながら人間は赤色に光る剣を右手に持ち、物凄い殺意を向けながら向かってきている。

 その目はまるで何匹のスライムを狩ってきた狩人の目だった。


 「"ねぇねぇねぇ!最近の若者はもやしっ子で臆病だって聞いてたんだけど!話が違うんじゃないかな!"」

 「"ここここれどうしたらいいの!?もうあの形相は勇者じゃないよ!!魔王だよ!!てか、変態だよ!!"」

 「"ちょ・・・ちょっとだけ本気だそうか・・・?てか、出さないとすごく痛い目に合う!"」

 「"で、でも!私達、チュートリアルのやられ役だよ!?あまり力は・・・"」

 「"なお君って人にチュートリアルは必要ないって!"」


 人間はプルプル震えて体を寄せ合っているスライム2匹の目の前まで来た。

 そして、人間は剣を大きく振り上げながら言った。


 「If you only knew the power of the dark side (おまえがダークサイド側の力を知りさえすれば)」


 ブォン!


 ぷしゅー!








 2匹のスライムに攻撃をして無残に弾け散り飛ばす。

 無抵抗だろうがもはや関係ない。


 「・・・容赦ないわね」


 追いかけてきた陽菜とPTを組み、俺たちはこのダンジョンを攻略することになった。


 「当たり前だ。スライムのおふざけで漏らしてたまるか」

 

 だが、俺には時間がない。

 一刻も早くたどり着かなければ俺のパンツと心が暗黒面に染まりきってしまう。


 うねうねうね


 トマトペースト状になっていたスライムが再生しようとしていた。

  

 ブォン!

 

 ぷしゅー!


 そのスライムに剣を振り再度、弾け散り飛ばす。

 このダンジョンの入り口に用意されていた剣は殺傷能力は全くない(というか機械女神が丈夫すぎる為)が、当たればそこそこ痛いのでオーバーキルはやめてね!っと注意書きされていた。

 逆に言うと、俺はやりたい放題できるということになる。

 

 「人間を舐めすぎるとどうなるかってことをこいつらに叩き込んでやる!」


 ブォン!

 

 ぷしゅー!

 

 「まぁ・・・うん。自業自得よね。後、一応これ渡しとくね。」

 「コーホー・・・コーホー・・・」

 

 陽菜から手渡されたのは俺がリュックに入れていた替えのパンツだった。

 俺はそれを受け取りポケットに突っ込む。

 

 「それとさ、こんな時に言おうかどうか迷ってたんだけどさ・・・ナオが顔にかぶってるパンツってもしかして私の・・・」

 「たーん!たーん!たーん!た~た、たーたーたた~ん!」


 陽菜が言い終わる前に俺は早足で階段を下った。

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