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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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76話

 「先輩方!確かに気持ちは分かりますがちゃんと反省してください!」


 スラはスライム達を並べて説教をしている。

 さっきも見たぞこれ。

 てか、気持ちは分かるのかよ。

 トイレ覗きは研鑽を積み重ねてきている俺もまだ到達していない地点だぞ。

 おうふ!

 嗚呼・・・そろそろ、きつくなってきた。


 「もうトイレに行っても大丈夫か・・・?ついてこないよな?」

 「ここにいるスライム達にはきつく言ったので大丈夫だと思います!」

 「ここにいるスライム達?」

 「はい!今もなお君見たさに各地からぞくぞく集まってきます!」

 「おいおい、俺は動物園の見世物じゃねーぞ」


 周りを見渡すとさっきよりもスライムが50%増しになっているような気がする。 

 最終的にはどのくらい増えるんだろうか。


 「機械女神の間では、なお君を見ると願いが一つ叶うと言う噂が流れているんですよ!」

 「・・・お前ら一応神だろ?なんでそんな噂を信じてるんだよ・・・」

 「気持ちの問題です!」


 あふん!

 今はそっちの事情はどうでもいい・・・

 俺の腹辺りから茶色い電流が流れる気がした!

 内股モードに切り替えて防御姿勢をとらなければ!

   

 「うにゅ~・・・では、ちょっと待っててくださいね。今トイレを創りますんで!」

 「どんくらいで造れるんだ・・・?30秒で建築しなっ!」

 「すぐに創れるようがんばります!では、先輩方!なお君が漏らす前にがんばりましょう!」


 なんか俺の為に造るみたいな事になってるが、元々お前らが覗こうとするから俺ができねぇんじゃねぇか・・・

 そう言えばスラを飼い始めた時もよくトイレまでついて来てたような気がする。

 こいつら・・・もしやナチュラル変態か!?


 かちゃ


 色々考えている間にスライム達がつるはしやブロック体みたいな物を用意し始める。

 え、何。そんなゲーム感覚みたいな感じで造るの?

 もっとこう、神の力でピカーン!っと造るんじゃないの?


 「設計図はこれです!では安全第一でお願いします!ご安全に!」


 ぴょんぴょんぴょん!


 スライム達は森を切り開く作業に取り掛かる。

 そのスピードは人間がやる作業に比べて何十倍も速いスピードだったが・・・


 「なぁ、トイレを作るには切り開く場所が広すぎないか?」


 広さで言うと、郊外にある大きなショッピングセンターの駐車場くらい切り開いている。

 トイレを造るには明らかに不必要な広さだと思う。


 「公衆トイレだけじゃ物足りないって提案があったのです!そして、公衆トイレと言えば公園ってことになって今、公園を創っている所です!・・・ふぎゅふぎゅ!!」


 スラのほっぺを強く押して最終警告を行う。


 「おいおいおい!?それ、もしやスラが提案したんじゃねぇよな!?」

 「スラちゃんいじめよくない!」

 「お前らが今、俺の肛門いじめてるんだよぉ!」

 「ボクじゃありません~でも、大丈夫です!公園を余計に創ったって数秒の違いしかありませんので・・・見てください、ほら!」


 作業をしているスライム達の方を見ると大分完成に近い状態となっていた。

 作業を始めてから1分くらいしか経っていないと思うが遊具やら何やらが色々揃っている。


 「ん?・・・この懐かしいような感じはなんだ?」


 すごく見たことがある風景が目の前に広がっている。

 どこだっけ・・・?


 「ふふ~ん、そうです!ナオ君とボクが初めて出会った思い出の公園を再現したのです!あっ、なおく~ん!」


 俺はスラの話を聞き終わる前に内股になりつつダッシュをする。

 ここがあの公園の再現しているならばトイレの位置は分かる!


 ダッダッダッダッ! 


 「ここか!」


 30秒ほど走って目的の建造物まで到着する。

 俺の記憶では古くて汚い公衆トイレだったが、スライムが造った公衆トイレはとても綺麗で清潔感がある建物だった。

 そして何故かトイレの前のベンチに青いツナギを着たマネキンが胸を肌けさせている。

 そして何故か建造物の前に看板が設置されている。

 その看板を読むとこう書いてあった。


 「" といれダンジョンへようこそ (*>v<)ゞ"」


 俺は嫌な予感がした・・・

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