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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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75話

 「先輩方!確かに気持ちは分かりますがちゃんと反省してください!」


 スラはスライム達を並べて説教をしている。

 しょんぼりしているスライムもいれば何か楽しそうにぴょんぴょん跳ねてるスライムもいて反応は様々だった。

 ・・・しかもあのスラと似たような色のスライムなんか話を聞く所か、多分寝てるぞ。

 

 「スライムの色って性格で色分けしてるのか?水色はマイペースで能天気とか」

 「なんか、突然ディスられたような気がしましたが・・・そんなことないですよ、色と性格は関係ないと思います!」

 「ふーん」


 そういや、そろそろ闇の魔弾を排出してぇなぁ。

 家を出てから8時間ほど経過しているがずっと座っていたので出しておきたい。

 俺は回りを見渡してみる。

 さっきも見た通りだが、文明を感じさせる物が何にもない。

 そのような物がバレないようカモフラージュでもして隠しているのだろうか?

 

 「スラ~トイレ行きたいんだけど?」

 「いてら~。で・・・先輩方!牛丼チェーンは最近、298円で買えるほどの格安弁当や居酒屋などで食べられる安いランチの登場によりとても苦戦しているのです!」


 スラの説教は大きく脱線し何故かサラリーマンの昼飯について語っていた。

 そして何故か関心を引く話だったらしくスラの話を聞いてるスライム達はさっきまでと違って集中して聞いている様子だった。

 まぁ、それはどうでもいいんだが俺はどうやってこの内に秘めたダーク・物質を解き放てばいいんだ?

 

 「トレイはどこに?」

 「ないです!ので適当な所でお願いします!」

 「え~・・・?」

 

 そうだった、スラがスライムの時だってトイレをしてる様子はなかった。

 つまりスライムしかいない故郷にトイレが必要がないのか・・・ご都合生物め。

 俺はリュックからポケットティッシュを取り出して適当な所へ向かう。


 ぴょーんぴょーんぴょーん


 「・・・」


 ・・・複数のスライムが俺の後についてくる。

 何これ何これ?

 なんでこいつらはついて来てるの?

 まさか、俺の暗黒儀式に立ち会いたいのか?


 「あの・・・すいません、トイレに行きたいんで着いてこないでくれます・・・?」


 スライム達はしょんぼりした後ついてくるのを止めて帰っていった。

 良かった・・・理解してくれたようだった。

 あのまま話を聞かずに嬉しそうにぴょんぴょんついてきたら公開露出変態プレイをされる所だった。。


 すたすた


 ん~ここら辺でいっか。

 手で軽く穴を掘って準備を整える。


 ガサガサ


 そしてベルトを緩めて射出体勢に入ろうかとしていた時、茂みからガサガサと動く音がした。

 

 「・・・ん?」


 そういえば故郷の空を飛んでいる時、鳥の群れが飛んでいるのを見た。

 つまり、スライム以外の野生動物がこの星にいるってことになるが・・・ひょっとしたら俺に危害を与えるような野生動物もいる可能性もあると言うことだ。

 もし、茂みにいるのがそういった危険な動物だったら俺はケツを丸出しにしながら逃げる羽目になる。

 それで逃げられるなら笑い話で済むが・・・もしもの事にならないよう、一回スラの所に戻って聞いた方がいいか?


 ざわ・・・ざわ・・・


 俺を取り囲むように周りから気配を感じる。

 しまった・・・考えている間に囲まれてしまったか!

 何も考えずに全力で逃げておくべきだった!


 ざわざわ・・・ざわざわ・・・


 そう考えている間にも数が増えている感じがする。  

 姿が見えないが恐らくそんなに大きな動物ではないだろうが数が多そうだ。

 スラのいる所まで3分ちょっと・・・少し距離がある。

 仕方ない、アレを使うか。

 俺はポケットからある物・・・防犯ブザーを取り出して手に握る。

 俺が魔改造を施した防犯ブザーはそこらの市販の防犯ブザーとは比較にならないほどの大音量が出る。

 これを使いながら逃げてスラや他のスライムの助けが来るのを願う作戦で行こう。


 ・・・


 ・・・・・・


 やっぱ、やめとこ。

 考えている内に茂みにいる奴の正体が分かってしまった。

 そもそも人間を襲うような野生動物が近くにいたら流石にスラが事前に教えてくれるなり対策してくれてるだろう。

 スラだって女神の端くれ・・・ポンコツだがいつも俺の身に危険がないように配慮はしてくれている。

 スラを信用すると今回も俺の予想しているような危ない事は絶対に起きない。

 俺はガサガサしている茂みに手を伸ばしてそれを掴んでみた。


 むにゅむにゅ


 「よう・・・連れションか?」


 やっぱり・・・俺が手に掴んだのはスライムだった。

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