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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
75/184

74話

 「着きました!ふぁっくゆー!」

 「えー・・・」

 

 森が切り開かれた場所に車は着陸をする。

 ここもただ森が切り開かれただけで文明らしい文明は全くなかった。

 ただ、地球の自然とは少し違う点がある。

 それは、そこらへんにスライムがいることだ。

 数十匹くらいであろうか、色んな種類の色のスライム達が俺たちを歓迎(?)している。


 「あれ?スライムなんだ」

 「うにゅ?」

 「機械女神なんだからさ・・・こう、スラみたいな女の子がたくさんいると思ってんたが」

 

 機械女神ハーレムを期待していたのに、これじゃあペットが増えただけではないか。

 

 「故郷では基本スライムの姿です!残念ながら故郷には人間がいないので少女化する必要がないのです」

 「あれか?女子高で男子がいないからわざわざ気合入れてお洒落する必要ないし、どんどん女子力が低下して教室では膝立てて無防備にパンツ見せ放題にしてる、みたいな?」

 「うにゅ~・・・それを肯定していいのか悩みますが・・・まぁ、そんな感じです!」


 ぴょん!ぴょん!


 スラと喋ってる内に数匹のスライムが俺の足元までやって跳ねたりぷよぷよしている。

 やっぱ、人間の存在が珍しいのだろうか。

 確かスラのように地球に脱走していない機械女神にとっては人間を見るをすごく久しぶりの事なんだろう。

 適当に足元にいた緑色のスライムを拾い上げて撫でてみる。

 緑スライムは物凄い勢いでふるふるした。

 経験上、これは怯えてる震え方ではないことは分かる。

 どっちかって言うと喜びが内側から体に出てるみたいな震え方だ。

 ほほう、嬉しいのか嬉しいのか。

 ならもっとなでなでしてやろう。


 なでなで


 「あ・・・なお君!それはまずいです!」

 「ん?触ったらダメだったか?」

 「・・・もし本当に苦しくなったら何か合図してください。助けますんで!」

 「え?」


 ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!


 周りが騒がしいと思って見回すとスライム達が俺の所にダッシュで跳ねてくる。


 「えっ!?えっ!?俺そんなに悪い事したのか!?」

 「人間大好き機械女神が数十万年ぶりに人と直接触れ合えるチャンスが来たのです!その子を撫でるのを見て我慢が出来なくなったのです!」

 「つまりあれか?男子校で女の子に全く接点がなく飢えてた男達の教室に美少女が転校してきたみたいな?その美少女が教室でとある男にスキンシップをするのを見て他の男子がムラムラするのを抑えられなくなったみたいな?レッツパーリー!」

 

 そう言い終わる内にスライム達が俺に抱きつき地面に押し倒された。

 クッションとして別のスライムがスタンバっていたので痛みは全くなかったがどんどん俺の周りにスライムが寄って来て抱きつき、スリスリしてくる。

  

 「さ・・・流石にこれは重い・・・苦しい」


 これがスライムじゃなければ・・・美少女の姿で抱きついて来たのなら俺は今ここで死んでも悔いは全くないのに・・・

 俺はもがいて振りほどこうとするが数があまりにも多すぎる。

 てか、完全に埋もれてるせいでスラに救助要請も出せない!

 ちょっとこれはやばいか・・・?


 「・・・よっと!」


 バシーン!


 スライムの数匹が何かの衝撃で俺の体から離れる。


 「全く・・・疲れてるのに」


 バシーン!バシーン!バシーン!


 どんどん俺の体からスライムが剥がれている。

 目の前では陽菜がスライムに蹴りやパンチを入れて俺の体から引き剥がしていたのだ。

 そして、恐れをなしたのか残っていたスライムも逃げ出して俺は解放された。


 「はぁ・・・はぁ・・・ありがとう陽菜。・・・助かった」

 「どういたしまして。・・・てか、ナオってスライムでも発情できるのね」

 「してねぇから!単に息苦しくて呼吸が乱れただけだから!」

 

 陽菜が差し伸べた手を握り俺は立ち上がる。

 

 「俺を助けるとは言え、ちょっと乱暴すぎやしなかったか?」

 「大丈夫よ。あの程度じゃダメージすら入ってないし。反省の意味を込めてもっと強くしとけばよかったと思ってるくらいよ」

 「そうすか」


 まぁ、陽菜がそう言ってるんだからそうなんだろう。


 「それに私が引き剥がさなかったらあいつら、かなり痛い目に合う所だったし・・・ほら」

 「ん?」


 陽菜が指した方を見るとスラがいたが・・・その姿は前の合宿で見た戦闘もーどになっていた。

 手には前と同様、おもちゃの水鉄砲(コンクリート壁に大きな穴を開けれる威力)を持っている。


 「・・・大丈夫・・・でしたか?」


 いつもニコニコしてるスラはガチの目になっていた。


 「あっ・・・はい。だ、大丈夫です。・・・この通り、元気です」


 その姿に思わず俺はスラに敬語を使った。

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