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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
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73話

 「れでぃーすあんどじぇるとめん!当機はまもなく故郷に到着します!お座席のベルトをお締めください!ふぁっくゆー!」

 

 スラがノリノリで機内アナウンスごっこで到着することを教えてくれた。

 うろ覚えで適当に言ったんだろうが最後はThank Youな!Fuck Youじゃねーから、客に喧嘩売ってどうするんだよ!

 

 「あ~疲れた」


 家を出て8時間くらいだろうか。

 夜行バスで東京、大阪間を移動しているような感覚だった。


 「ボクが数十年の歳月をかけて地球に来たと時と比べれば随分早く着くことができました!流石高速道路です!」

 「数十年を8時間に短縮できた高速道路すげぇな、おい」

 「んふふ~すごいでしょ~?」


 何故かスラがドヤ顔になっていた。

 恐らく機械女神を褒める=スラを褒める、みたいな式がスラの頭にあるんだろう。

 別にスラのことは褒めてねーからな?


 「んー疲れた!着いたら休憩しましょ。休憩」

 

 陽菜は捕獲した赤スライムを引っ張って伸ばしたりもみもみしたりしながら休憩を提案した。

 赤スライムは俺の必死の弁護により交通事故の件は許されたものの、そのまま解放されることなく陽菜のおもちゃになっている。

 始めは気の強い赤スライムも必死に陽菜に抗っていたが今では根気負けしたのか大人しくなっているようだった。


 「で、陽菜さん。休憩は何時間コースに?俺的には宿泊でもいいんだが?そして、希望を言えばベッドが広い部屋がいいな」

 「残念ながら故郷にラブホはないです!」

 「あっても行かないけどね・・・」

 

 陽菜がツッコミをいれる前にスラが答えた。

 故郷にラブホないのか・・・じゃあ機械女神はどこでプレイするんだ?

 まさか教会で女神プレイか?

 いいだろう、故郷についたら陽菜と教会女神プレイだ!


 「よいしょっと」


 スラは運転中に窓を開けて車の屋根に置いてあった翼を取って、再び車の横に取り付けた。


 「もしかして・・・また飛ぶ?」

 「また飛びます!ふぁっくゆー!」

 「ああん?」

 「な、何で怒ってるのですか・・・?」


 スラは俺の頭をナデナデして俺の機嫌を取ろうとする。 

 どうやら、本気でFuck Youの意味を理解していないようだった。  


 「では行きます!1万1千回転まできっちり回します!」


 ブオオオン!!


 スラはアクセル全開に踏み込んで離陸準備に入る。

 スピードメーターは今ままで安全運転の時速80Kmを示していたが今はMAX140Kmを振り切っている。

 一体この車は今何キロ出ているのだろうか・・・300Kmくらいか?

 だが、今の俺にもはや恐怖心は残っていない。

 ここに来るまで何度か死ぬ思いをして俺は大人に成長しているからだ。


 「故郷に着いたら自慢の水を振舞いますのでそれまで辛抱してください!」

 「水かよ・・・」


 スライムだからなのか、スラは水が大好きでスーパーで買って来たミネラルウォーターとかをプレゼントしてやるとすごく喜ぶ。

 飲んだだけでどこのメーカーやら産地やらを言い当てることができる水ソムリエ師のスラだが、俺は全く分からん。

 水もいいけど・・・もうちょっと良い物欲しいなぁ。

 

 さて、故郷は一体どのような所だろうか。

 走行中、スラに聞いた記憶があるんだがスラが何か楽しそうに喋ってる途中で寝落ちしてしまったせいで故郷についてはほとんど何も聞いていない。

 未来感あるSF風な感じでビルやら何やらの高層物が立ち並んでいて空飛ぶ車がそこらじゅうで使われているような所なんだろうか。

 それとも、案外地球とほとんど変わらないような感じなのだろうか。


 ピカーン


 そうこう考えている内にまた目の前が眩しく光る。

 さぁ、いよいよ故郷と対面だ。


 ・・・


 「・・・ん?」


 予想していた景色と正反対と言っても良いくらいの景色が目の前に広がった。

 そこにあった景色はビルなんて一つない・・・てか、全く手の着けられていない大自然だった。

 どこを見渡しても森や山や川しかない広大な大自然だ。


 「ようこそ、スラちゃんの故郷へ!」

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