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機械女神スラちゃんの飼育日記  作者: エエナ・セヤロカ・ナンデヤ
第二章:スラちゃん故郷出頭編
72/184

71話

 ドーン!

 

 「うおおおおお!?」

  

 高速道路を走ってからしばらく経過した後、突然後ろから物凄い衝撃が伝わった。

 スラは急ブレーキを踏むがそのまま車はガードレールに追突してしまう。


 ドシーン!

 

 恐らく普通の車だったらあっという間に大破して俺たち・・・いや、俺の命も危なかっただろうが怪我はほとんどなかった。

 例の対神バリアのおかげなのだろうか。


 「なお君!怪我はしてないですか!」

 「ああ・・・大丈夫だ」

 「うにゅ~・・・次の改良ではエアバックも搭載しときますね!」 

 

 スラはまるで何事もなかったかのようにニコニコしていた。

 余裕だなぁ、おい。

 

 「で、何があったんだ?」

 「交通事故です!後方から追突されました!」

 

 1週間に1台くらいしか通らない高速道路でまさかの接触事故が発生。

 衝撃からして相当なスピードで追突されたようだ。


 「あぁー?・・・・後ろから追突ぅ・・・?」


 後ろで寝ていた陽菜が起きたが・・・まずい。

 俺が寝ている陽菜にセクハラをしない一番の理由・・・寝起きが悪い時の陽菜はやばいのだ。

 中学生くらいの時だろうか・・・寝ている陽菜におっぱい触診をしていた所、目覚めた陽菜にぼっこぼっこにされたことがある。

 普段はどんなセクハラをしてもほとんど暴力を振るわない陽菜のギャップに驚き、それ以来寝てる陽菜には手を出さないと誓ったのだ。


 「おいコラァ!免許持ってんのかコラ!」 

 「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」


 陽菜はそのまま車から降りて後ろに向かった。


 「スラさんスラさん!ちょっと陽菜を止めて来てくれない?」


 ガタガタガタガタ

 

 「えっ・・・ボ・・・ボクですか・・・?」


 さっきまで頭の中、お花畑だったスラは震え、そして俺の手を握ってきた。

 

 「なお君も一緒に来てください・・・」

 「ああ・・・だけど、ちょっと考える時間をくれ」


 バックミラーを調節し後方を確認する。

 すると陽菜がガチの格闘で誰かと戦っていた。

 戦っている相手は・・・どうやら、人間ではなくスライムのようだった。

 紫スライムがさっきの仕返しにやってきたのかっと思ったが、陽菜が戦っている相手は赤色のスライムだった。


 「もしかして後ろからぶつかってきたのは・・・」

 「はい!スライムです!」


 スラも80キロくらいは出していたが・・・少なくともこのスライムも80キロ以上で飛び跳ねてたのか。


 赤スライムは勢い良く飛び跳ねて陽菜に体当たりをするが陽菜はそれを受け流し体勢を整える。

 どうやら赤スライムも戦う気満々のようだった。

  

 「おいおい、これはまずいぞ」


 陽菜はどこで学んだのか知らないが達人級の格闘術を持っている。

 俺が真正面から陽菜に挑んでも勝てるか分からないほどだ。

 だが相手はスライム、もとい機械女神だ。

 もし機械女神が感情的になって手加減の仕方を間違えると陽菜が大怪我をしてしまうかもしれない。

 俺も車から急いで降りて陽菜の所に向かおうとするとスラに腕をつかまれた。


 「待ってください!決着が着きました!」

 「えっ?」


 俺は落ち着いて後ろを見ると・・・陽菜が片手で赤スライムを鷲づかみにしてこっちに戻ってきた。

 陽菜はまるでラスボスがする悪の笑顔のような顔をしていた。

 赤スライムは暴れて抵抗しているが逃げられない様子だった。

 つまりこれはあれか?

 

 「もしかして陽菜が勝ったのか?」

 「ですです!慢心環境の違いですね!」

 

 うーむ・・・戦闘モードにならない機械女神が大して強くないってことか?

 いやいや、80キロ以上の速さで飛び跳ねるスライム体当たりを人間がまともにくらったら余裕で死ぬ。

 そのくらいの力は今でも出せるってことは・・・赤スライムが手加減してくれたのだろうか。

 だが、あの赤スライムの凄い暴れて抵抗する様子は手加減をしてるようには見えないが・・・


 「ただいま・・・」

 「お帰りなさいませ」


 陽菜は赤スライムを捕まえたまま車に乗った。

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