59話
「はぁ~・・・やっぱこれ最高やわぁ」
ベットで寝転びながら読んでいた漫画を読み終える。
合宿が終わりゴールデンウィーク1日目、俺は早速ぐーたら生活を満喫していた。
合宿で開催されたゲームの最終結果は俺達5組がぶっちぎって1位をとり、他のクラスはマイナス点で終わった。
ただ、予定されていたゴールデンウィーク中の講習会は学年主任の手違いでホテルの宿泊を継続する手続きをしていなかったという建前で全クラス免除された。
つまり元々やる予定はなかったと言うことが・・・俺たちは随分と学年主任に遊ばれたものだ。
まぁ終わったことはいいや。
俺は友達を少なくとも2人作ることができ、ゲーム後の合宿は賞金を使って自由時間を満喫したから十分満足だ。
「できました!」
スラは俺の横で添い寝をしながら器用にスラちゃん専用ノートPCをカタカタさせていたが何かが完成したようだ。
「何ができたんだ?」
ノートPCを覗き込むとプログラミングのコードだった。
スラは1ヶ月ほど前から、C言語の勉強をこつこつと勉強していたがついに何かプログラムができたようだ。
まぁプログラミング初めて1ヶ月の初心者なんてできることが限られる。
俺はペットを褒めて伸ばす主義だから、たとえHello world!と表示する単純なプログラムでも俺はスラを褒めてやろう。
チラッ・・・
プログラムの行数・・・1000万行
「どうですか!」
「ま・・・まぁまぁじゃない?うん・・・」
1000万行って何だよ1000万行って・・・
プログラマーが1日で書くコードは多くても1000行くらいだよな・・・?
まさか本当に27年分を1ヶ月でやったのか・・・スラちゃん舐めてたわ。
「で・・・これはどんなプログラムなんだ?」
「ふふ~ん、全部完成したら見せるので楽しみにしてください!」
「・・・そうか。それが終わったらぜひ作って欲しいものがあるんだが」
「いいでしょう!この機械女神スラちゃんがなお君の願いを叶えてあげましょう!何が望みですか!」
「仮想世界に入ってエロいことができるゲーム」
「そんな物作らなくてもボクがいるじゃないですか~」
スラは体をひっつけてすりすりとしてきたが、作ってくれないのならもはやスラに用はない。
スラを剥がして違う漫画に取り替えようと本棚まで歩く。
次は何を読もうかな~。
ベチャッ!!
本棚まで歩いてる途中、何か柔らかいものを踏み潰してしまった。
・・・またか
足元を確認すると踏まれて弾け散った哀れな生き物・・・ミニスラちゃんだった。
ミニスラちゃんの破片が四方にちらばっている。
もう少しこのグロい弾け散け方を何とかできないかスラに聞いた所、弾けなかったら弾力で踏んだ人が危ないから仕方のないことだそうだ。
後、弾け散ったら心配されて気にかけてくれると言う打算もあるらしい。
メンヘラかよ。
だが、俺にとってスライムを踏み潰してしまうのは珍しいことはではなくなっていた。
スラがスライムの時も2ヶ月に1回は潰していたからだ。
俺だって一応注意して歩いているつもりなんだが、こいつらはいつも俺についてきて足元で跳ねるせいで気をぬくとすぐに踏んでしまう。
しかも、スラがスライムの時はサッカーボールほどの大きさだったからある程度目にとまっていたが、ミニスラちゃんは拳サイズの小ささで5匹もいるから今まで以上に踏んでしまうのだ。
「" (´;ω;`) "」
再生したミニスラちゃんは筆談で抗議してきた。
「はいはい、悪かったよ」
潰したミニスラちゃんを拾いしばらく撫でる。
「" (*´ω`*) "」
どうやら機嫌が直ったようなので、ぽいっとベットに放り投げてリリース。
さて・・・漫画取り替えるか。
ベチャッ!!
1歩歩くと別のミニスラちゃんが潰されていた。
・・・
絶対わざとだよな!?




