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51話



   

 時計は4時00分を指した。


 「ゲームが終わり!男子達、お疲れ様!」


 遠くから陽菜の声が聞こえたのをきっかけとして作戦を実行する。


 「いやぁ~・・・やっぱ強かったなぁ」

 「負けた負けた!まさか一人も脱がすことができないなんて」 

 「完敗だ~完敗」


 俺たちは公然わいせつで捕まるであろうギリギリの姿のまま堂々とした足取りで近づく。

 見えてないとは言え、実質ほとんど裸の状態はとても恥ずかしいであろう。

 だが、男子達はだれも羞恥心を見せず自然に近づく・・・皆が一つの目標に向かって一致団結しているのだ。

 

 「ちょ!・・・ちょっと!そんな姿でこないでよ!」

 「・・・あ~失敬失敬!もう疲れてそんなこと気にもならねぇや」

 「とりあえず着替えないとな~・・・更衣室は~・・・こっちだよな?」

 「ああ」


 更衣室は俺たちの進む反対方向だ。


 女子達のバリケードが張ってある陣地まで5メートルまで来た。

 一撃必殺を決めるためにはこのバリケードを潜り抜ける必要がある。



 「更衣室は・・・反対の方向よ」

 「あれっ・・・そうだっけ~?」

 「それよりすっげぇ腹へったよ~晩飯はなんだろうな~」


 バリゲードの目の前まで来た。

 

 ・・・勝った!

 バリゲードといっても所詮簡易なものだ。

 邪魔さえなければあっという間に取り除ける。

 俺たちはバリゲードを取り除く役、攻撃を行う役に分かれている。

 遠藤が攻撃の合図を出すと後は蹂躙タイムだ。


 「ボクも楽しかったです!」

 

 バリゲードからひょこっとスラが出てきてきた。

 もちろん、スラもゲームに参加しているためスクール水着を着用している。


 ・・・

 

 「空調が効いてるけど早く暖かい格好した方がいいですね!」

 「あ・・・ああ」


 ・・・まずい。

 俺たちの攻撃目標は一番近くて確実に脱がせる者。

 俺たちの目の前にスラがいると言う事は作戦が実行されれば間違いなくスラが一番ターゲットになる。

 だが、ここまでターゲットがスラに集中してしまうと他の女子に体勢を整えるスキを与えてしまうことになる。

 そうなった場合、下手をするとスラだけが恥ずかしい目に合う可能性があるということだ。


 それはいけない・・・それだけは阻止せねば。

 全員を恥ずかしい思いにさせるのであれば良いが、スラだけに恥ずかしい思いをさせたくはない。

 だが、陽菜は間違いなく俺を注目しているだろう・・・今ここで俺が下手な動きをすると作戦自体が崩壊しかねない。

 どうすればいい・・・作戦を中止してスラを助けるか・・・友情とエロをとるか!


 遠藤が作戦開始の合図のピースをしようとしている。

 俺は・・・俺は!


 遠藤が満面の笑みでピースをして作戦が実行された。


 がばっ!


 バリゲード除去部隊があっという間に除去を完了した。

 

 「えっ・・・何!?何!?」

 「どうなってるの!?」


 突如バリゲードを除去された女子達は混乱していた。

 目の前に障害物はなくなり遠藤が大声をあげた。

 

 「突撃いいい!!」

 

 俺はっ・・・!

 

 「やめろおおおおおおおおおおおおお!!」


 俺は叫ぶと同時にスラの目の前に立ち庇う体勢に入ろうとする!

 だが、間に合わない!!・・・俺は出遅れてしまったのだ!!


 「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

 男子の一斉射撃が行われる。

 せめて・・・スラの半裸が他の奴に見られないよう割って入ってやる!


 ばしゅ!ばしゅ!ばしゅ!ばしゅ!


 ・・・


 俺はスラと男子の間に入ったが・・・全く俺に水がかからなかった。


 「スラ!」

 「うにゅ?」


 スラも全く濡れた様子はなかったようだった。


 「きゃー!」

 「いきなり何するのよ!」

 「ルール違反だって!もうゲームは終わってるんだよ!?」


 俺は女子達の方を見ると見事計画通り上手くいっていた。

 慌てて迎撃体勢をとるがもはや手遅れであり次々とスクール水着の面積が少なくなっていく。


 男子達は誰一人スラに向けて射撃を行わなかったのだ。 


 





 


 

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