49話 脱衣水遊びゲーム開始!
男子と女子はそれぞれ障害物が多そうな場所へ移動し、ゲーム開始となる午後3時まで作戦会議を行う。
男子グループのリーダーの遠藤が引き続きこのゲームでも指揮をとることになったようだ。
「ゲーム時間は1時間。短いようでこれはかなり長期戦だ。まずは女の子たちの出方を伺おう」
「夏野はどう思う?……おっと、夏野に意見を聞くのはルール違反か」
「うひゃ!……うひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「……夏野?」
「はぁーはぁー……まだか……まだ始まらないのか俺の戦争は!ひゃひゃひゃひゃ!」
「……おい、大丈夫か?」
「あれやべぇぞ……」
男子一同が何やら俺を心配している様子だったが一体俺の何を心配しているのか分からない。
「早く!早く!早く!脱がす!脱がす!脱がす!」
「今にも飛び出しそうな勢いなんだが……」
「とりあえず夏野落ち着けって!まずは相手の出方を探るために様子見だ!」
遠藤はいつも冷静なキャラの俺に落ち着けと意味不明な事を言っている。
「はぁはぁ、俺は十分落ち着いているが……そうだな、遠藤の命令に従おう」
そうだ、このゲームは集団戦であって一人で無双できるものではない。
作戦を練り、一致団結して行動することが勝利の鍵だのだから俺一人突っ込むようなことはしてはいけないのだ。
「まずは、ルールブックを読み、おもちゃの水鉄砲の性能をちゃんと調べてからだ。みんなにはそれぞれ役目について欲しい」
遠藤がそう言い、おもちゃの水鉄砲検証する人、偵察をする人、ルールブックを把握する人などを手際良く指名する。
俺はしっかりと組織のリーダーとしての役割を果たしている遠藤を感心していた。
普段の遠藤はそれほど目立つキャラでもないのだが、やらなきゃいけない所はしっかりとこなす縁の下の力持ちな人物だといった印象を受ける。
正直俺が指揮に混ざれない以上、男子グループは陽菜を筆頭とする女子グループにとても不利な戦いを強いられると思っていたのだが、これなら十分互角に戦えると確信した。
そして、遠藤に役割を与えられた男子もテキパキとこなす姿を見て俺は思った。
そうか……俺が浅はかだった……5組の男子達は別にエロで釣らなくてもここまで一致団結できるんだ。
今回のゲームで合意セクハラができれば良いと思っていたが、俺はひっそりと裏方に徹しよう。
みんなの邪魔をしてまでセクハラをして一人良い思いをする気がなくなった。
そして、俺はプールに設置されている時計を確認すると、丁度午後3時を指していた。
……ゲームが開始されたのだ!
開 戦 だ !
高ぶる!高ぶる!高ぶる!
ああああああああああああああああ!!!
「ちょっと気持ち良くなってくるぅぅぅぅぅっ!!!!!」
俺は自身を制御することができずに単身楽園に向けて侵攻を開始した。
「夏野ぉっ!?待てよ!!……ええい、仕方がない!俺たちも続けぇ!!!」
「えっ、いいのか!?作戦は!?」
「仕方ねぇだろ!一人で突っ込んでもやられるだけじゃねぇか!」
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」