47話 セクハラ作戦に移行!
「さて、ミニスラちゃん。友達作り作戦は無事終了した。これより次のステップ、セクハラ作戦に移行する。いつでも準備をしておいてくれ」
ぴょん!ぴょん!ぴょん!
うーん、この跳ね方から見るに多分OKなのだろうが確証が欲しいな。
俺は部屋にあったメモ用紙とボールペンを渡すとそこにミニスラちゃんは文字を書いて返事をした。
「" ヽ(≧∀≦)ノ "」
「……」
確証は持てないがきっと大丈夫だろう。
「セクハラ作戦?一体何をする気なんだ?」
「なぁに、ちょっとした余興だよ、余興」
山坂が聞いてくるが、ここでばらしても面白くない。黙っておこう。
「とりあえず用意していたあれをここに出しておいてくれるか?」
「" ヽ(≧∀≦)ノ "」
どうやらスラちゃんポケットはミニスラちゃんでも使えるらしく、一つづつ例のアレを取り出した。
「何だ、その水鉄砲は?」
「ただの玩具の水鉄砲だ。でも対象年齢は15才以上のちょっとエッチな水鉄砲なんだぞ!さて、俺たちは食堂に戻るか。山坂はどうする?」
「僕も行こう」
「おう!」
ミニスラちゃんを部屋に置いて食堂に戻る。
すると、5組の皆はこれから何をするかについて熱い議論を交わしていた。
ただ、熱い議論と言っても雰囲気はとても良さそうだったため俺は安堵しこっそり空いている席に座る。
山坂を見て5組の一同が一瞬驚いた様子だったが、特に混乱も起きなかった。
じー。
赤神先生がこちらを見つめていらっしゃる。
「随分長いトイレだったな」
「慣れない豪華な食事だったから腹を壊したのです。疑うなら証拠を見せましょうか、ちゃんと撮ってますよ俺の山盛りのあれ」
「ほう、見せてみろ」
「思わないところで食いついてきた赤神先生に俺ドン引き」
「……減点」
「冗談ですから!ちょっと部屋に戻ってただけですから!」
こんなつまらないことで減点されたら吊るし上げを食らってしまう。
「で、ナオはどう思う?」
陽菜が現れ俺に意見を求めてきた。
「皆で何をやるか候補は色々出てきてるんだけど、これだって言うものが決まらないのよ」
書記がびっしりと書き込んだノートを見ると、スポーツ、バーベキュー、思い出アルバムを作成する、などいくつか案が書いてあった。
「山坂はどう思う?」
「えっ?僕!?」
山坂の意見を聞いてみたかったので話を振ってみると5組全員が山坂が一体どんな意見を出すのかと注目する。
しばらくの沈黙後、山坂が口を開いた。
「このノートを見る限りちゃんと話し合いをしているからこれだけでも大きな加点なはずだ。先生は初めの中間発表は、クラスがどんなに良い行動でもマイナス点をつけるつもりだったから……焦る必要はないよ」
「どういうこと?ナオも全クラスマイナス点だって言ってたし」
「お、俺そんな事言ってないんだけど?」
「さっきの勉強会でナオぶつぶつ独り言で言ってたのをさっちゃんが聞いたのよ」
「……へぇ~。まぁいいや、山坂、続けて」
「全クラスをマイナス点することによって、焦らしたり落ち着かない状態になった後のクラスのグループディスカッションを見たいんだ。喧嘩したりバラバラになったら不合格、ちゃんと話し合うことができれば合格みたいな感じだね。どうせ初めの中間発表まで何をしてもマイナス点になるだろうから、夏野は僕を強くは誘ってこなかったんだ」
遠藤が俺に問いかける。
「じゃあ、なんでマイナス点になるって分かってたんだ?知ってたなら教えてくれたら良かったのに」
「俺が学年主任に質問した『0点からスタートですか』の答えが返ってこなかったこなかっただろう?じゃあマイナス100点からスタートした方が0点からスタートして減点されてしまったと思い込んでる学生たちを阿鼻叫喚できるなぁって思ってた。まぁ、確証がなかったから言わなかったが」
遠藤がさらに質問をする。
「つまり、僕たちは52点減点された訳ではなく、48点の加点をされたって事か?」
「いや、マイナス100点からスタートってのも適当だ。実際何点からスタートしたなんて分からん。赤神先生、そこらへん教えてくれますか?」
「採点についての質問は答えることができない」
「てな感じに、採点担当の先生は答えないだろうから、この採点方式に気づけずに今も醜く『なぜ減点になってしまったのかの犯人探し』をしているクラスは終わりだろうな。5組は上手く回避できたからセーフだろう」
皆はへぇ~と納得した様子だった。
「だったら、このまま勉強会を続けても大丈夫って事?」
よしチャンス到来!今が絶好のチャンスだ!セクハラ作戦へ誘導だ!
「いやいやいや、勉強会なんて言ってしまえば誰だってできることだからな。それよりも!一つ良い案があります!男子、女子がそれぞれ皆一致団結できる素晴らしいアイデアがあります!」
「却下。超嫌な予感がする」
陽菜が即答してきた。
だが、それに反して陽菜以外の女の子たちは俺の提案を聞こうとしていた。
「でも、夏野君が良いアイデアがあるって言ってるから信じてもいいんじゃない?ほら、少なくともここまで夏野君の言ってたこと、正しかったしさ?」
「とりあえずアイデアくらい聞いてみてもいいんじゃない?」
「ボクもなお君に賛成です!」
「皆聞いて!こういう時のナオは超危険な存在よ!てか、スラは何するか分かってるんでしょ!?」
「えへへ~知りません!」
どうやら陽菜を除く、クラスの女子が俺の案に興味津々のようだったが、男子達は相変わらずの反応だった。
まぁ今は良い、そのまま進めよう。
「だが陽菜が心配しているように、俺のアイデアを実行するためには、皆にも協力して欲しいことがある。……それは覚悟だ……聞いてから、やっぱ嫌です、とは言えない」
クラスが静まり空気が変わる。
遠藤が俺に、
「それはどういう意味だ?危ないことや犯罪みたいなことだったら当然参加しない」
「それは安心して欲しい。……たぶん違う」
「たぶん……ってどういう意味だ!そんな怪しいもの……」
「俺の作戦はぶっちぎりで1位をとるか逆に最下位の5位になるかの一か八かの作戦だ。採決をとろう。クラス全員が承諾をしたら俺の案を実行する。1人でも拒否ならば、また話し合おう」
話せば話すほど怪しまれてしまうため、俺は遠藤を言葉を遮り採決を取ろうとした。
俺の計画を実行してしまったら、女子グループにすら見放されてしまうだろう。
だが、俺には既に友達が出来てしまったのだ。友達が出来たのなら次は性欲を満たすためのセクハラじゃないか。
採決を取ると女子達は快く賛成し、男子達も渋々と賛成した。
結果、陽菜以外の全員が賛成をした。
「そうか……陽菜は拒否か。だったら俺の作戦は無かった事で
「まっ、待って」
陽菜が観念したのか渋々と手を挙げ賛成をする。
「覚悟はしたわ……」
「ははは!はっははははははは!!!よろしい、ならば女子全員これを着用してもらう」
俺はポケットからある物を取り出し皆に見せる。
それはスクール水着だった。




