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27話 Lineって何ぞ?日産スカイラインの新型?

 スラが武器を作るしかできない脳筋女神な以上、どうやら自力で友達を作らなければいけないらしい。

 周りを見ると昨日よりもボッチの人数が減ってグループに属してる数が多くなった気がする。

 よろしい、ならば俺がボッチ達の救世主になってやろう。

 狙いはそうだな……あいつにしよう。


 狙いは教室の隅の席でずっと読書をしている奴だ。

 俺には敵わないが、そこそこイケメンの部類に入ると思う顔つきをしている。

 だが、『ただの人間には興味ありません!』みたいな雰囲気を出しているせいで他の奴もなかなか声を掛け辛い様子だった。


 いいだろう……俺がお前をボッチという呪いの鎖から開放してやろう。

 

 ついでに言うと俺の友達カウンタにはスラと陽菜はカウントされていない。

 スラはペットで陽菜は嫁だからな。


 「こんにちは、ずっと読書ばっかりだけど本が好きなのか?」

 

 この本がたとえ俺の趣味範囲外だろうが食いついてやる。

 政治でも宗教でもアイドルでも主義思想でも何だって話してやるぞ?

 今の俺はエリート営業マン。何だって大げさな身振り手振りで笑顔で相槌だ!


 「……」


 パタン


 そいつは本を閉じると無言で俺を顔を見た。

 本の話題から入ろうと思ったのが失敗だったか?


 「ああ、読書の邪魔をして悪かった。だけど、どうしても気になってね。俺の名前は」


 「知ってるよ」


 「はは、俺も随分有名になってしまったものだ。」


 「……」


 また無言で俺の顔を見ている。

 この感じは昔出会ったばかりの陽菜と似ているな。

 だったら、同じように接すれば良いだけだ!これは攻略できるで!


 「どうして君はそんなに下等な人間のフリができるんだ?」


 「……へ?どういう意味?ボクわかんない」


 またすごい質問が飛んできたな。

 別に俺はいたって普通の人間だぞ。

 まさかこいつは機械女神について何かしらの情報を持っていて、さらに俺にカマかけて情報を引き出そうとかしているのか?

 

 「君はこんな下等な奴らと同じ空間にいて息苦しくないのか?僕はここにいるだけで苦しいのに、君はわざわざ低レベルな奴らに合わせて高校生活を送ろうとしている。それが疑問で仕方がないんだ」


 これはこれは凄まじい。

 どうやら機械女神とは全く関係なさそうだが、これはこれで難しいぞ。

 俺自身ほんのちょっぽり他の人間と違かもしれないと思っていたが、こいつはぶっちぎりで中二病だ。

 とりあえず適当に答えて会話を続けてみようか。


 「確かに、我は他の生物と異なる時空軸から観測をしているため価値観などに大きく相違がある。だからと言って、我は他の生物を下等な生物とは感じていない。何故ならば我も所詮は下等な生物にすぎないからだ」


 「そんなことはないだろう。君だって私と同じようにこいつらと話すのが疲れるだろう?幼稚だと思うだろう?」


 「その負の感情もまた我の成長を促す糧となる!」


 ビシッ!


 俺はかっこ良くポーズをとる。

 するとスラが俺の横に立ち、俺の中二病に合わせたポーズをとった。


 「糧となります!」


 スラは空気読めるのか読めないのか本当に分からない子だ。


 「そうなのか……」

 

 納得された。ごめんね?

 自分で何言ってるか分かってないし、後半なんか完全にノリで喋っているだけ。


 「そういうことだ。下等な生物と接触することは苦しいかもしれない。だがあえて接触してみるが良い。いずれ、我と同じ境地に到達できるはずだ」


 「少し考えさせてくれ……」


 「りょーかい。で、君の名前は?」


 「山坂春樹……」


 「分かった、よろしく!山坂!」


 そう言うと俺は自分の席に戻る。

 ふふ……癖のある奴だったがなんとかまともに友達になれそうだ。

 また時間を置いて話しかけに行こう。


 「スラも俺や陽菜ばかりじゃなくて他の友達も作れよ?(上から目線)」


 さて、飼い主としてスラの友達作りのサポートをしてやるか。


 「んふふ~さっきもLineでアドレス交換しました!これで10人目です!」 


 「えっ!?Lineのアドレス交換!?Lineって何それ!?それで友達できるの!?……ごほん、よく分からんが、まぁ……そこそこがんばってるじゃない?(まだ上から目線)」


 スラが転校してきてからずっと俺の横にべったりいたのに何で10人もアドレス交換できるの?

 脳内妄想なの?架空の友達?だったら俺だって負けてねーし!もう30人くらい脳内でちゃんと友達設定作ってるし!


 「Lineのアドレス交換って……どうやったの?」


 「ん~こうフルフルってスマホを振ると交換できます!」


 「フルフル?振るだけで友達作れんの!?」


 ぶんぶんぶんぶん!!


 俺はピッチャーの投球モーションを3倍速でループさせたような動きをする。

 

 「これでアドレス交換できるなら……余裕!!フルフル最高ぅっ!!」


 ニヤニヤしながらアドレス帳を見る。

 アドレス帳は何も変わっていなかった。


 「おいスラ……騙したな?機械女神だから機械の事は信じてたのに……。友達増えてねーんだけど?」


 「違います!フルフルする前に、ちゃんと挨拶して、話して、じゃあアドレス交換しようね!の流れが必要なのです!スマホをフルフルしてたってスマホが可愛そうなだけです」


 「そうだな、スマホだけじゃなくて俺自身も周りから可愛そうだと思われてしまってるしな」


 周りにいるクラスメイトを見る。なんか俺から少し距離が離されたような気がする。

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