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23話 スラと陽菜の3人で買い物

 「スラ、この子供用の下着はどうだ?別に馬鹿にして選んだつもりはない。こういった下着は年齢を重ねるとつけることはないだろう。つまり人生において今しかつけることができない限定品っという訳だ。それにこの水色の配色がスラに似合っていてとても良いと思うんだ。どうだ?」

 

 「ノーコメントでお願いします!」

 

 「じゃあ、視野を変えてみよう。この黒のレースの下着はどうだ?普通こういった下着は大人の女性が自身の大人の魅力を高めるためにつけるものだ。確かに今のスラには似合わないかもしれない。だが俺たちの業界ではギャップ萌えというものがあることを忘れていないだろうか?まだ大人になりきれていない幼い体の少女が背伸びをしてつけてみたという設定にしたら上手くギャップ萌えを狙えると思う。どうだ?」

 

 「ノーコメントでお願いします!」

 

 「なら、王道を征こう。この純白の下着はどうだ?女の子から見るとつまらない普通の下着だ。だけど、俺たち男からしたらこういう普通の下着が最高にして頂点だ。変に着飾らないこの下着こそが少女の初々しさを最高に引き立てる一品であると俺は思う。どうだ?」

 

 「ノーコメントでお願いします!」

 

 「そうか、俺好みだとこの水色と白の縞パンはどうだ?二次元の女の子やコスプレとかで良くつけられているものだ。男からしたら純白の下着と並ぶ、最高に大好きだと思っている一品なんだが、リアルでつけてる女は少ないらしい。何故だろうな?だが、スラには多分これが一番似合うと思います。保証します。どうだ?」

 

 「ノーコメントでお願いします!」

 

 「ナオ……恥ずかしいから大声で話すのやめて」

 

 せっかくスラと楽しくショッピングをしていたのに陽菜が水を差してきた。

 

 「そう慌てるな陽菜、後で陽菜にも似合う下着を一緒に探してやるから!」

 

 「私のはいいから!」


 俺たちはスラの衣類を調達するためにショッピングモールに来た。

 スラが美少女化したため急遽揃えないといけないと昼飯を食べているときに陽菜からアドバイスを受けたのだ。

 そのため。まずは下着売り場からショッピングを始めている。


 「なお君、あまり高い下着はいいです!このワンコインとかので十分だよ?」


 「いいかスラ。下着とは普段人には見えない所だが、そういう所こそ妥協するな」

 

 「でもあまり高いと――……」


 「ふははは。ペットが金の心配をする必要はない」


 女の子の服の値段は高いと聞くが、実際どの程度高いのか俺は知らない。

 しかも一式を複数揃える必要があるため大金がいるだろう。

 そう思ってこっそりと母さんに電話で相談した所、後で衣類代は払うから立て替えといてと言われてとりあえずATMから30万ほど引き下ろした。

 まぁ必要経費だ。圧迫された家計は親父の小遣いで調整したらいい。


 「ってゆーか、ナオは恥ずかしくないの?ここ、女の子の下着売り場なんだけど?」

 

 「陽菜や周囲の女性客は恥ずかしいかもしれないが俺は何も恥ずかしくない」

 

 「なんでそんな図太い神経持ってるくせにいつも周りからの視線がーとか言って怯えてるのよ……」

 

 「それとこれとは話が違う。それより陽菜、この少しヒラヒラがついたピンクの下着はどうだ?待っててやるから試着してこいよ。なぁに、サイズはバッチリだ。」

 

 「な・ん・で・私の下着のサイズを知ってるのよ!」

 

 「陽菜、あまり大声で話すと他の人に聞こえるぞ?恥ずかしいんじゃないのか?」


 「えっ……!? えー……」


 陽菜の顔が真っ赤になり手で顔を隠した。

 その仕草、なかなか可愛いぞ!


 「スラがスライムの時、たまにスラが陽菜の家に泊りに行ってただろう?」

 

 「う、うん」

 

 「でな、陽菜が寝る時、俺と同じように陽菜もスラを抱き枕として使ってるだろう?」


 「……」


 「つまり、スラと陽菜の体が密着状態になるというわけだ。後はスラに駄菓子を与えれば正確なスリーサイズを教えてくれる」

 

 「なっ……!!」

 

 額に手を当てながら高らかに笑って俺の勝ちだとアピールする。

 

 「HE!HE!HE!いやぁ、スラと体を密着させればメジャーいらずで正確なスリーサイズが分かるなんて流石は機械女神様な」


 陽菜は耳まで真っ赤にし涙目でスラを睨んだ。スラは慌てた様子で俺に言う。

 

 「な……なんでバラすのですか!バラさなかったらこれからも陽菜ちゃんのスリーサイズが簡単に分かります!それに陽菜ちゃんに怒られることもないのに……」

 

 「同じ芸を使い続けるというのは成長を諦めるということに等しい。あえてバラすことによって更なる成長を促すのだ。それに、黙って勝手に女の子のスリーサイズを測るなんて最低だろ?」

 

 「もう……十分最低よ」

 

 陽菜はわなわなと震えて、スラはプルプルと震えている。


 「なお君!夢だった下着売り場に来たからだって浮かれ過ぎです!早くボクと一緒に陽菜ちゃんに謝るのです!……じゃないとボクの生命がピンチ!」

 

 「スラ……俺はな、どんな罰でも受け入れる覚悟を持って陽菜にセクハラをするんだ。だからスラも覚悟しろ」

 

 「何を……ですか」

 

 「例え謝っても許されないだろう。罰を受け入れる覚悟だ!さぁ、共に謝ろうではないかスラ。陽菜様、すまなかった。だが許してくれとは言わないがこれだけは言わせて欲しい。夢をありがとう!」

 

 「すいませんでしたぁ!」


 「まぁいいわよ、下着揃えたら次は服を買いに行きましょう。私良いところ知ってるのよ。ふふっ……ブランド物がいっぱいある所。もちろん、ナオがプレゼントしてくれるんだよね?」


 「お……おう」

 

 どうやら陽菜のスリーサイズの情報の代償は高くつきそうだ。 


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