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17話 スライム進化2!

 「次元移動ねぇ……じゃあ、何だ?スラは宇宙人なのか?」

 

 朝食を食べながらの尋問が続く。


 「んー宇宙人とはちょっと違います!ボク、人間ではないので宇宙人ではありません!」


 見た目はそこらの人間と大して違いがないが、目と髪がとてもキラキラと発光してるレベル輝いてる。

 それはとても綺麗……いや、認めない。絶対に認めない。

 俺だって頑張れば髪と目くらい簡単に光らせることできるし?


 「ボクは機械女神なのです!機械が人間のために創った女神様!」


 「へ?機械女神……?良く分からんが女神なのか?まじかよ……スラが?」


 「ふふ~ん。驚きましたか驚きましたか!そう、ボクは女神様なのだ!」


 「信じられない……こんなバカが女神なんて。スラが女神だったら俺だって女神になれるよ(高い声)」


 「ボク、バカな子じゃないよ!」


 スラはぴょんぴょん飛び跳ねて抗議している。

 どうやら思考や行動はスライムの時と大して変化ないっぽい。


 「スラの卵焼きくれ。代わりに俺の白米を少しやろう」


 「等価交換ですね!良いでしょう!」


 スラの卵焼きをもらいって、俺の白米をスラのお茶碗に移す。

 そして俺は不足した分の白米をおかわりした。やっぱりダメだねこの子。  

 ……まぁいい。とりあえずスラが機械女神だってことは鵜呑みにしておこう。 一々質問の答えに対して証拠を見せろってこんな馬鹿に言ってたらいくら時間があっても足りない。

 とりあえず質問を続けよう。


 「バカでも女神になれるのは分かった。それで?この地球には何の目的で来たんだ?布教活動か?それとも……侵略か?」


 「ふっふっふっ~いつも冷静でクールななお君がとても不安そうな顔をしています!ですが安心してください!ボクはずっとなお君の味方なのだ!」


 うぜぇー。今まで飛んだり跳ねたり簡単な筆談しかできないスライム状態の時ですらうざかったのに、口が聞けるとさらにうざさが増している。

 何だかめんどくさくなってきた。

 人間に対して危害を与える奴じゃないことはこの長い付き合いで分かっている。

 だったらこのまま放っておこうか?


 「実はですね、スラちゃん社外実務研修のために地球にやって来たのです!」


 「ほう、女神ですら会社に所属し働かないといけないのか。俺絶望だわぁ。あ、ごちそうさま」


 朝食を食べ終えた俺は登校の準備をするため部屋に戻ろうとする。

 するとがしっとスラに背中から抱きつかれた。


 「なんで部屋に戻るのですか!まだ話は終わっません!」


 「めんどくさくなって来たからもういいかな~っと思って。今はスラよりも学校での友達作りの方が問題だは」


 「いつもボクのこと知りたがってたから話しているのにー。なお君は相変わらず天邪鬼です!」


 「マジで聞かないといけないの?……分かった。遅刻するギリギリまでは聞いてやろう。」


 「はい!えへへ~ありがとうございます!」

 

 スラは嬉しそうな顔になり話を続けた。

 

 「ボクは数万年だか数億年くらい前に生まれました!長生きしてるので何才かは忘れましたが!それで――……」

 

 「いや、それはおかしい。スラを拾った5年前、とても長生きしてる生物だと思えないくらい知能が低かったぞ?」

 

 今でこそ人間と同じよう家事やら何やらをしているが、それは母さんや俺が長い時間をかけて教育した結果だ。

 拾った時はカブトムシやミドリムシ程度の知能しかなかったはずだ。


 「それは知能が低かったんじゃなくて人間の文化を全く知らなかったからです。つまりスラちゃんはなお君が思ってるほどバカな子なんかじゃないよ?」


 「つまり、地球人の文化とスラがいた所の人間の文化に違いがありすぎて理解できてなかったってことか」

 

 「ボクは地球に来るまで人間を見たことありません!ボクの周りには同じ機械女神しかいませんでした!」


 「えっ?スラのいた所では、『人間なんて下等生物ごときが私に直接会えると思ってたの?』みたいなお嬢様ポジションだったのか?そうじゃないかって思ってたんだよ。そのドヤ顔が物語ってるだもん」


 「ボクのいた次元の人間は……ボクが生まれる更に昔に絶滅しました。守れなかったのです」 

 

 「……え?」


 「うにゅ……」


 突然の重い話に俺、困惑。

 どうするのこれ?マジで朝から聞かなきゃいけないの? 

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