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134話

 もぐもぐもぐ


 赤神ちゃんは子供のように焼き鳥を美味しそうにもぐもぐさせて、ほっぺに頬張っている。

 機会があったらファミレスに誘ってお子様ランチをご馳走してやろう。きっとすごい良い絵になる。


 赤神ちゃんは焼き鳥をせっせと焼いているスラに喋りかける。


 「やっぱ焼き鳥はうめぇーよなぁ〜。それにしても、あのスラがここまで使えるようになってたとは。機械女神辞めて、焼き鳥焼く機械にクラスチェンジしたらどうだ?」


 「ふふ~ん、やきとりだけではありません!たこやきとかホットケーキだって上手く焼けます!」


 煽られてる事に気が付かないスラはドヤ顔していた。

 どうやら赤神ちゃんは捕まえたミニスラちゃんから色々聞いて機械女神の存在について詳しく知ってる設定らしい。

 俺もその設定に合わせてるから突っ込まない。


 「……なぁ、そろそろ私にくれてもいいんじゃないか?あまりもったいぶるなよ」


 赤神ちゃんはクイクイと手招きするようにして、お土産として持ってきたビールを要求してくる。

 保冷材をたくさん入れたクーラーボックスに入れてるから、キンキンに冷えていてる。犯罪的に焼き鳥に合うはずだ。

 だが俺はそのビールを渡すことはできなった。

 渡す前に一つ確認しないといけない事があるのだ。


 「年齢確認を行います。20歳以上でしたら、こちらの股間にタッチしてください」


 「……年なんて見れば分かるだろ?さっさとよこせ」


 いやいや、そんな中年のおっさんみたいなクレームつけても分からないから。

 どうせ『10才くらいかな?』とか言ったらブチ切れるんだろ?


 「どうかお客様のご協力、よろしくお願いします」


 「年齢確認ボタンって、客にキレられて、よくパンチで壊されるらしいぞ?お、いいのか?」


 「……」


 ブンブンブン!


 そのキレの良いシャドーボクシングはマズイ。

 俺の股間のパーツは中国で大量生産されるような量産型ではないのだ。

 特別製のオーダーメイドなんだから替えがきかないんだぞ。

 タッチして欲しかったが仕方がない、ここは腹を割って本音で言おう!


 「俺は未成年の子供に酒を飲ませて、酔い潰してからセクハラするほど屑ではありません!20歳以上だと証明してくれないと、酔い潰した後にセクハラできないじゃないですか!だから年齢確認ができるまで酒は渡せません!」


 「年齢関係なしにお前がやろうとしてる事は屑だからな!?……はぁ、スラは頭空っぽだからともかく、陽菜は何でこいつの近くに何年もいられるんだ?バグってるんじゃねぇーだろうな?」


 スラはともかく、いきなりディスられる陽菜が可愛そう。

 そういや、陽菜と赤神ちゃんも長い付き合いで仲良しらしいな。そこらへんの絡みは全然知らないが一体どんな関係なんだろうな。


 もぐもぐもぐ


 ディスられたスラは特に反論もせずにもぐもぐしていた。

 どうやら今は焼き鳥の方が重要らしい。


 「ほら、免許証だ。これで満足だろ?」


 赤神ちゃんは、水戸黄門みたいに車の運転免許証を見せる。

 生年月日から計算すると25歳か。こんなロリが本当に25歳?25歳の女がみんなこんなロリだったら世界は平和になるのにな。


 まじまじと免許証を確認するが、少なくとも素人見ても分かるような偽造免許証ではない。

赤神ちゃんが未成年ではないことは分かっていた。だが確実な証拠がなかった以上、酒を渡すのをためらったがこれなら渡しても良いだろう。

 未成年に酒飲ませるのは犯罪だもんな……。


 「ほら早くよこせよ~よこせよ~」


 急かしてくる赤神ちゃんに缶ビールを渡す。貰うのと同時にフタを開けて、グビグビと一気に飲み干した。


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