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126話

  さて、このまま1組の問題解決方法についてだらだら考えていても仕方がない。1組奴らのの三分の一くらいは既に教室から立ち去っていた。


  だから今、俺に出来る事をやろう。俺に出来る事、それは友達作りだ。


  「ただ、友達を作ると言う行為はことは天才の俺すら辛辣を極めると言うのは1ヶ月前に十分すぎるほど味わった。

この俺が友達一人作るのに1ヶ月かかったんだ。きっと有象無象の凡人どもは血を吐く思いで友達を作っているのだろう。つまり、友達を作ると言うのはそれ

ほど難しいことなのだ。……なあ、君もそう思うだろ?」


特等席の目の前に向かい合って座っている女の子に語りかける。さっきの授業中に俺が爽やかイケメン挨拶をして俺に惚れてしまった可愛い子猫ちゃんだ。さぁ、君の可愛い鳴き声をきかせておくれ。そして俺の心を動かしてみたまえ。


  「あの、そこにいると黒板に書いてる文字が見えないので用がなかったらどいてくれませんか?(怒)」


  「あ、はい……すいません。今どきますので……」


  俺はこれ以上彼女の邪魔にならないようにする為に自分の席を横に動かした。


  ……やっぱりこの教卓の真横に用意された特等席、明らかに邪魔じゃん。さっきの授業の時だってこの子、黒板に書かれた文字を少しでもノートに書き写す為にエグザイルみたいにくるっくるしてたんだもん。すごい申し訳ない気持ちで一杯だったよ、うん。


  こほん。さてさて、かなり話が脱線してしまったが本題に戻すと、友達作りクエストはコミュニケーションスキルのランクをチート並みに上げて挑まないとクリアができない。今、俺が適当な奴に話しかけた所でめんどくさい取引相手との商談中の目の笑っていない愛想笑いをしている営業マンみたいな対応をされて終わるだけだろう。


  だが、俺の頭には既に友達作りの必勝法が既に確立されている。


  「……ナオ~……」


  廊下から金髪の美少女が1組の教室をひょっこり覗き込んで様子を伺っている。顔は半分くらい扉に隠れていてハッキリと見えないが、実質半分俺と結婚してる相手の姿を見間違う訳がない。そう、陽菜だ。


  「来たか」


  俺はすっと特等席から立ち上がり陽菜の元に向かう。


  「わざわざありがとな。頼んだものは持ってきてくれたか?」


  さっきの授業中にメールで陽菜に頼んでいたものを催促する。陽菜の手にはバックを持ってきているからどうやらちゃんと持ってきているようだ。


  「うん。……だけどこれどうするの?私、知らない間にセクハラの片棒とか担がされたくないんだけど」


  「えへぇ!!(マジキチスマイル)」


  「……持って帰るぅ」


  「いやいや、俺が陽菜をセクハラの共犯にする訳がないだろ?だって考えてみろよ、前提条件として陽菜は常にセクハラの被害者になってもらわないといけない。つまり、これは全く別のことに使うか、もしくは陽菜をターゲットとしたセクハラをする為に使うものだから陽菜が俺のセクハラの共犯になって陽菜に迷惑がかかるなんてことはありえないんだ!」


  「……1組に行って少しはちゃんとすると思ってたけど、いつも通り絶好調ね」


  「まぁな」


  陽菜は俺には何を言っても伝わらないと諦めのジト目をしながらバックを俺に手渡す。

  そして俺はバックのファスナーを開けて中身を確認する。


  「よう、30分ぶりだな」


  「" ( ゜д゜)ポカーン "」


  俺が陽菜に頼んだもの、それはスライム状態のスラだ。

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