121話
分からん。ギスギスした雰囲気をなんとか良くする方法が分からん。
この問題に対して良い解決案を提示してくれるのは誰か?
「みんなが仲良くできる方法ですか!ボクに名案がありますよ!みんなで美味しいものを食べればみんなにっこりです!」
そりゃあ、陽菜しかいないだろう。頭がお花畑のスラなんて論外だ。
「でよ、陽菜ならどうする?アイデアの一つや二つくらいあるだろ?」
「私?……うーん。私ならー……どうしたら良いんだろ?」
陽菜は首を傾げてはにかんだ笑顔で応える。可愛い。
「ナオは何か良い案ないの?」
「俺?あるぞ。陽菜と白澤さんが――……」
「却下。1組ですごい露出したえっちな格好でポールダンスしろ、とか言うんでしょ?そう言った変態的なものはなしなし」
「ぽーるだんすって何ですか?」
スラが無垢な笑顔で陽菜に聞く。
「えっ!?そっそのっ……ポールダンスってのは~ナオが喜ぶようなえっちなダンスよ」
「この前、陽菜ちゃんが故郷のお風呂でやったスライムプレイとどっちがえっちですか!」
スラの言葉に男子たちが反応する。
「す、お風呂でやったスライムプレイ……??」
「あれは私がやったんじゃなくて無理やりやられただけでしょうが!……あっ、その、スライムプレイって言ってもそういう意味じゃないから!みんなが想像するようなのじゃないから!」
陽菜が慌てて否定する。だが時既に遅し。男どもの今日の夜のおかずの妄想は決まっただろう。
「それより、今は1組の仲を改善する案よ!ナオ、何かあるよね!?」
顔を真っ赤にさせながら涙目で無理やり話を戻そうとしている。俺に対して明らかに助けてとSOSの目線を送っていた。
うーむ、こんな猥談は大好きだが、これ以上スライムプレイの詳細を聞かれてボロが出てしまうとまずい。
特にスラなんていきなりスライム存在を説明しかねない。ここは仕方ない、話を戻しておこう。
「うーん、そうだな。適当に気の弱そうな奴1一人選んで1組のいじめられ役になってもらう。一人を生贄に捧げるだけで解決だ」
「えっ……本当にそんな事言ってるの?」
いつもセクハラをした直後にしてくるゴミを見るような目……以上の本当に俺をゴミと同一とみなした本気の目で蔑んでる。
だから俺には無理だって言ってるじゃん。むしろこっちが教えてほしいくらいだ。
「いや、……その、冗談だ。冗談……――」
バタン!
慌てふためきながら否定してると突如、教室のドアが力強く開かれた。
「良いなその案!乗った!」
その声がする方を見ると赤神ちゃんがドアの前で生き生きした下種っぽい笑みをしていた。
「いつまで経っても職員室にこねーから引きずりだしてやろうと思って来たら、白澤が"先に相談"してたんだな。良くやった!」
赤紙ちゃんが白澤さんの肩をバシバシ叩く。
「……あ、ありがとうございます。後、肩痛いです……」
「あ?ああ、悪い悪い。ってことで夏野。お前、今日から1組のサンドバックな!」
「はい?」




