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16

 ビームをなんとか耐え、ロリババアとの距離は3メートルくらいまで接近した。

 俺はそのまま突撃をする。


 「このっ・・・!」


 ロリババア急いで迎撃の態勢に構えて俺を迎え撃とうとする。

 しめた・・・!

 ここで距離を取られて逃げる選択肢を選ばれたら終わりだったが突撃する前にやった絶対に避けられない宣言(大嘘)が効いたのだろう。

 俺は右手に持っていたひのきの棒を捨てた。


 ロリババアが杖を振り上げて俺の頭に目がけて杖を振り下ろそうとする。


 「ビームを耐えたのは予想外だったが・・・これで終わりだ!」


 ブンッ!


 杖はすごい速さで振り下ろされたがその狙いが俺の頭であり杖が届く距離と時間も今までの戦いで把握できている。


 「ここだぁ!」


 ガシッ!


 俺は両手で杖を受け止める。

 その瞬間物凄い激痛が両手から伝わる。


 「おおうおおうおおおおお!?」


 痛すぎて変な声が出てしまった。

 これは間違いなく手の骨折れてまっせ!

 だが絶対にこの杖を離さないよう強く握りしめる。


 「我の攻撃を受け止めたか。だが、悪あがきだな」

 「いいや、作戦通りだ」

 「・・・何?」 

 「食らえ!俺の愛を!」


 俺は口をすぼませて目を見開きロリババアとキスをしようと顔を近づける。


 「ベロベロベロベロっ!!」

 「ひえっ!?」


 ロリババアは体をのけ反らせてキスを拒もうと必死に抵抗する。

 俺は逃げられないよう杖を全力で握りしめる。


 「ベロベロベロベロっ!!」

 

 そのままジリジリと顔を近づける。


 ふっ・・・こんなイケメンからキスをされるロリババアも内心さぞかし喜んでいるだろう。

 あれ・・・なんでだろう。

 ドン引きして思いっきり拒絶してるロリババアの顔を見てると何か涙があふれてくるぞ・・・?

 


 「・・・くっ!」


 残り数cmでキスができる所でロリババアは杖を手放して距離をとった。

 

 「とことん変態だな君はっ!・・・だが、例え武器を奪っても我に勝つことはできない!」

 

 そう言いながら構えをとった。

 今の状況で武器を奪っただけでは俺に勝ち目なんてない・・・と思っているのだろう。


 「そうだなその通りだ・・・俺にはもうこの杖以外の武器もアイテムも持っていない」

 

 そう言いながらシステム画面を開き所持品リストをロリババアに見せて本当に何も持っていないことを確認させる。


 「だが・・・俺はね!?・・・俺はねっ~!?」

 「・・・は?」


 そして天を仰ぎそして大声で叫んだ。

 戦いに疲れて正常な判断をしていないと思わせるのだ。

 てかもう変態とか狂人とか思われてるだろうからわざわざこんな演出をする必要もないとは思うが。


 「おお神よっ!!女神よっ!!俺にこんな機会をいただきありがとうございます!ありがとうございます!」

 「・・・おい、大丈夫か?」

 「それではいただきますっ!」

 

 カラン


 俺は奪った杖をそのまま捨ててまたロリババアに全力ダッシュをする。

 もうビームも来ないしロリババアは防御の姿勢をとっているから逃げることもないだろう。


 「いただきます!いただきます!いただきます!」

 「せっかく奪った武器を捨てるのか!?素手では我に触れることができないことを忘れたのか!?」

 「ひょえー!ひょえー!」


 そのままロリババアに突っ込もうとする。

 ロリババアの認識ではシステム上、俺が素手の場合、触れることができず体をすり抜けると思っているようだ。

 他に武器やアイテムを隠してないと分かった以上、どうあがいてもダメージを与えることができない・・・そう思ったのであろうロリババアは戦闘態勢を崩してぼう立ちになっている。

 

 だが・・・その認識はもう古いんだぞ!?

 俺は完全に油断しきっているロリババアの後ろに回り込み後ろから羽交い締めにして抱き着いた。


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