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また上手く仕切り直すことができたがそろそろ体力的にも時間的にも残りわずかになっていた。
ロリバアアの弱点を上手く攻めて決着をつける必要がある。
ロリババアの弱点、それはババア設定なのにエッチな事に初心と言うことだ。
俺がローアングルで攻めていた時、ロリババアの顔には驚きに羞恥心が混じっている事を見抜いたのだ。
まぁ・・・あんなに顔を赤くしてたら誰でも分かることだが。
俺はわざと声を張り上げてちゃんと周囲に聞こえるくらい大声を出す。
「俺は必殺技を使って決着をつける!絶対に避けることができない必殺技を食らうが良い!」」
「・・・必殺技?レベル1なのにそんなのがある訳がないだろう」
「そういうのじゃねーよ!僅かなチャンスが必殺技になるんだよ!いいか、成功しようが失敗しようが次で最後だ!」
ゴソゴソ
そこの岩陰に隠れてるお前、上手いタイミングで合わせてくれよ。
ダッ!
俺はまたロリババアに向かって全力ダッシュをする。
だがこの開いた距離を埋める間にロリババアはビームを1発撃てる時間がある。
防御でもしてガン待ちしてくれてると嬉しいが・・・
ブーン・・・
「絶対に逃げられないのなら撃ち落とすまで」
「・・・やっぱりそうするよな」
ロリババアはチャージ体勢に入る。
このビームは絶対になんとかして掻い潜らないといけない。
さっきみたいに土下座してビームの弾道の下に潜り込むか?
いいや、さっきも使った手は読まれている可能性が高い。
ならロリババアの上を宙返りしたみたいに弾道の上を通ってみるか?
いいや、ビームは結構長く判定が残るように見える。
俺の予想では落下時にビームに焼かれてしまう。
なら単純に横に避けてみるか?
だが、ビームの太さは"少なくとも"半径1メートルだ。
半径1メートルでも俺の能力では避けることがかなり厳しいのにそれ以上太いビームが撃たれたら避ける方法はない。
なら防御で受け止めるか?
いいや、あんなもんどう防御しても食らったら即死だは。
・・・いいや、実はあるだなぁ防御する方法が!
俺はそのまま全力で前に進む。
「ウェーイ!」
「・・・馬鹿な奴」
できるだけギリギリまで粘ってから使いたい。
ビームが撃たれる瞬間が一番眩しく光る。
その時を見極めるんだ!
「これで終わりだ!」
「ご丁寧に合図くれてどうも!」
俺はシステム画面を片手で開いてある物を装備する。
これでOKだ!
ドキューン!
ビームが俺に目掛けて放たれる。
ビームの太さは半径・・・5メートルくらいと言った所だろうか。
威力もさっきのより強いだろうが果たして耐え切ることができるだろうか。
「ぐぬぬぬぬっ・・・・・たかがビームひとつ、俺で押し出してやる!!!」
物凄い衝撃と痛みが体全体に伝わる。
これ、しゃれにならねー痛さだぞ!
しかも衝撃に耐えられずに体が吹き飛ばされそうになる。
吹き飛ばされた時点でもう負けは確定。
なんとか耐えないといけないがこのままじゃ駄目そうだ。
ガシッ!
「私達の勝ちだな。いま計算してみたが私達は耐えられる」
背中からぐっと体を前に支えられる力がかかる。
その力は物理的な力以上に力強く感じられた。
「フフフフ・・・・ははははは!」
後ろを振り向く余裕なんてないが誰かは見なくたって分かる。
仲間だ!
「終わったか」
我はビームを撃った瞬間勝利を確信した。
避けられないようにビームをさらに太くしてダメージも高いやつを撃った。
また小賢しくビームを回避するつもりだったんだろうがもうどこにも逃げ場なんてない。
それこそチートでもを使ってどうにかするしかないのだが、どうやらあの少年はそういったものを使うつもりはないらしい。
あの少年は・・・ゲームをとても楽しんでいるのだ。
ゲームプレイヤーがゲームを楽しむ・・・NPCの我たちにとってもはそれが一番の幸せだ。
・・・願わくばもう少し健全に楽しんで欲しいが。
ビームの中から人影が見える。
ありえない・・・少年の能力と装備ではこのビームはどう防御しても即死だぞ?
「・・・一体何をした!」
なんでビームの中を突き抜けることができる!?
まさか、チートを使ったのか!?
・・・・いや、違う!
少年はビームでボロボロになったが赤いゴテゴテした鎧を装備して突き抜けて来た。
「あの鎧はフロ・ノゾイタルが装備していた鎧!?なんで君が持っている!?」
そうかあの時!脱がそうとしているのを見たが、こっそりアイテム譲渡までしていたのか!
レベル1000が使う衛兵の特別装備だったら直撃してもギリギリ耐えることができるのか!
「俺が!俺達が変態だ!」




