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ぐりぐり
どうやらロリババアの足で頭をぐりぐりされて押さえつけているようだ。
力を入れて払いのけようとするがなかなか振りほどくことができない。
ぐりぐり
そういえばロリババアって下駄をはいてたはずなんだがそれにしては後頭部から少し柔らかい感触がする。
もし下駄なんかで押さえつけれられていたら間違いなく激痛だろう。
じゃあ俺は一体何で抑えつけられているのか・・・これはもしかして!!
「ふはははは!!下駄を脱いでわざわざ素足でやってくれるなんて優しいじゃないか!!」
「・・・咄嗟にやったから脱げただけだよ」
ぐりぐり
顔が地面とくっついてるから上から力がかかると痛い・・・痛いんだがそれ以上に気持ちええ!
これ良いんじゃね!?
もうこの時点で勝負は俺の勝利で良いんじゃね!?
「くふっ、くふふふふううううううううー!!」
「・・・キモッ」
何か聞こえたような気がしたが主人公特有の難聴スキルが発動して何も聞こえなかった。
多分聞いてしまっていたら心がパリーンしてただろうから聞こえなくて正解だなー!
このまま無抵抗でHP0になるまで楽しんどけば良いような気がする。
だが悲しいかな・・・男の性欲は青天井。
思わぬラッキーでこの勝負は俺の勝ちになったがもっと勝ちをとりに行きたい!!
「まさかこの絶望的なステータスの差でここまで苦戦するとは思わなかった・・・降参する気になったか?」
「ぐぬぬ・・・!」
抑えられているのは頭だけで手足は自由に使える。
手でがんばってロリババアの足をどかしてみたり足を使ってもがいてみたりもするがステータスの差でこの拘束から抜けることができない。
いや、現状に満足して手を抜いている訳じゃないんだよ?本当だよ?
「もうこうなったら君はどうする事もできない。これ以上痛い思いをしたくなかったら降参して反省しろ」
「んっふっふっふっ!!」
「っというか早く降参して欲しい。・・・君が怖いよ」
俺はポケットに手を忍ばせてもぞもぞする。
ちゃうで!?いやらしいことしてるんちゃうで!?
そして俺は素早くポケットの中にある物を取り出して、力いっぱい大声を出す。
「テ~レッテレ~!!スマ~トフォ~ン!!(ダミ声)」
現実世界でポケットに入れていたスマホやらお菓子やらはそのままこの世界に持ってきている。
お菓子やスマホがここまで使えるとは思わなかった。
・・・激しい戦闘をしてたから画面とか少し割れちゃってるけど。
「・・・今更スマホを使って何をする気なんだい?」
この仮想世界にスマホは存在しないがどうやら名前の略し方からしてスマホの事は知っているようだった。
だが俺がこれからスマホを使って何をするのかは理解していないようだ。
だったら教えてやろう。
男がよく使うスマホの使い方を!!
「カメラ撮影も~ど~!!(ダミ声)」
「・・・?」
「パンツ撮影~!!(ダミ声)」
「しまっ・・・!?」
ロリババアは俺のやろうとしてる事を理解して焦りが出る。
この一瞬の間にどう対処しようか迷っているのだ。
「今だ!!」
どうやら撮影される前に一旦距離を取ろうと考えて迷っていたのだろう。
足の力が緩み俺は脱出することができた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
HPもスタミナも残り少ないがなんとかしきり直すことに成功した。
注意を逸らすためにスマホをわざと置いてきたが大した問題ではない。
後で回収すればいいだけだ。
「はぁ・・・はぁ・・・人工知能と言えどまだ生まれたばかりの雛だ。その浅い経験では本物の変態に対処することなんてできない!」
「・・・なら、悪いとは思うがこんな危ないものはさっさと処理しないといけないな」
ぐしゃ
「・・・えっ!?」
ロリババアは俺が置き残したスマホを全力で踏み潰して見るも無残に破壊された。
それ、ゲーム世界で壊されたらどうなんの!?
まさか現実世界でも壊れて使えなくなるとかないよね!?
8万5千もした奴だけど大丈夫だよね!?
「・・・たかがメインカメラをやられただけだ」
俺は精一杯の余裕アピールをした。




