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周りを見渡して誰も居ないことを確認する。
ひょっとしたら遠隔でスラ以外の機械女神とかに監視されているかもしれないがこればっかりはどうしようもない。
計画を実行しよう。
俺はこっそりとポケットに忍び込ませていたある者を取り出して手の上に乗せる。。
「ミニスラちゃん1号、起きてるか?」
「" (´;ω;`) "」
筆談で話してきたミニスラちゃんは泣いていた。
・・・恐らく1号じゃないんだろう。
俺にとってすご~くどうでもいいことなんだが、ミニスラちゃんは何号なのかとても気にする。
俺が何号か正しく当てないとすごくしょんぼりするのだ。
だからミニスラちゃんを個別に呼ぶ時は何号か言い当てないといけないのだが、どいつもスラの分身で見た目も中身も同じだから1回で何号かを当てる確率は5体いるから20%しかない。
確か・・・適当に並んでいたミニスラちゃん達の左端をとってきたから1号じゃないということは5号だったか。
「え~っと・・・ミニスラちゃん5号・・・?」
「" (´;ω;`) "」
な?どんなに考えて予想しても確率は20%だろう?
規則性が全くないんだよ、こいつら。
ゲーム製作が終わったらミニスラちゃんに油性ペンで番号書いてやる。
ぴょんぴょんぴょん
ミニスラちゃんは手の上で3回軽く跳ねた。
「分かった、ミニスラちゃん3号だろ?」
「" (≧∇≦) "」
どうやら3号で正解らしい。
「少し軽く質問したい事があるんだ。何、そんなに難しい質問じゃないから気軽に答えてくれて構わない」
せんべいを取り出してミニスラちゃん3号にあげる。
ミニスラちゃん3号はとても嬉しそうにもぐもぐとせんべいをほお張った。
「じゃあ早速質問しよう・・・」
俺は一息ためを入れてトーンを落としミニスラちゃん3号を凝視する。
「機械女神及び自分の本体であるスラと・・・飼い主であるご主人様の俺・・・どちらかを裏切って片方の味方につかないといけない時・・・お前はどっちの味方につく?」
・・・ぽろっ
ミニスラちゃん3号はあまりにも衝撃的な質問に驚きもぐもぐしていたせんべいを地面に落とした。
いつものぷるぷると震える動作もせず、ただ呆然と硬直している。
「具体的に言おう。このゲームで女の子を触れるようにして欲しい」
分身と言えど機械女神の端くれ。
恐らくそのくらいのシステム変更くらい造作もないだろう。
「もちろん、女の子に触るようにするにはいくつかのプロセスを踏んで簡単には触れないようにしてばれないように細工はする。当然、責任は全て俺にある。・・・協力してくれないか?」
ミニスラちゃん3号を優しく撫でる。
どうやらすごく困惑している様子だった。
「俺は最高のゲームを作りたいだけなんだ。機械を作る機械女神のお前なら、物を作るのに妥協したくないと言う気持ちは分かるだろう?」
機械を造るスラちゃん妥協しない!っと前にスラ言っていた記憶がある。
ならば妥協したくない気持ちは分身のミニスラちゃんにもあるはずだ。
「ほら、ご褒美だ」
今度はキャンディを取り出してミニスラちゃん3号に放り込む。
するとゆっくりともぐもぐとし始めた。
「これは俺の勝手な憶測になるが、きっと俺がこうやってエロい事をゲームに仕込むのは依頼主の黒は既に織り込み済みだ」
機械女神が戦争してた時代ですら2,3回くらいしか発動されなかった超重要な仕事依頼を俺に頼んできたのだ。
俺がどんな人物かはスラからの情報と故郷の旅行で良く分かっているはずだ。
きっと誰でも作れるような適当なテンプレゲームではなく、俺が作るゲームを機械女神は欲しているのだろう。
「・・・な?一緒に作ろうぜ、最高の神ゲーを!」
ミニスラちゃん3号はタブレットにへばりつく。
するとタブレットの画面が光って"魔改造完了!"と表示された。
「・・・よくやった」
俺はニヤリと微笑む。
さぁ、これで眺めるだけでは終わらない。
触れて感じてひゃっほいできる神ゲーを作ろうじゃないか!
「" (゜∀゜)アヒャヒャヒャヒャ "」
極限状態が続いて少し壊れてしまったミニスラちゃん3号は後でフォローしておこう。




