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アナザーストーリー  作者: りょーじぃ
第一章 国家公務員になる
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第5話 部隊と能力

2016/1/11 文構成を修正実施

 入省してから初めての出省となる今日。


「スーツ着込んでネクタイなんかしちゃって~♪」


 元は電気系の上村としては面接や卒業式くらいしか着ていないので、ちょっと着慣れていない、と言うか着らされている感のスーツを纏い新人に戻った気分で鼻歌混じりで身支度を整える。


 生まれて初めての満員電車に困惑しながら目的の駅に着く。

 上村は初めて経験した満員電車があんな怖い物だとは思わなかったと小さく呟くが、それ以上い驚いたのが乗り遅れた上村の所へすぐ次の電車が来る事で、あんな間隔で来たらぶつからないか心配した上村は、都会は怖い所だと感じている。


 駅を降りすぐにある首都の中心部にある建物が、今後上村の働き先になる会社で、防衛省の一室を使わせてもらう形なので連携はいいのではないかと思う。

 とは言っても、現地調査や討伐などで殆ど居る事はないと思うが。


 初登省なのでIDカードとかもない為、守衛所へ寄り挨拶がてらに手続きを行い待合室に通される。

 面会相手はこれから上司になる人らしい。


 名前は宮田ミヤダ 徹。

 役職は隊長で、元は自衛隊幹部の人物で、今回の新省設立メンバーとして召集されたのだそうで、ミヤダの最後は(タ)ではなく(ダ)で、ここは結構気にしているらしいが、上村としてはハギワラとオギワラ程度にしか思っておらず、とりあえず取っ付き難い人でないことを祈るだけだと考える。


 暫くし目の前の扉をノックする音が聞こえ、上村は姿勢を正して大きく返事をすると中に入ってきた人物はガッチリした体系に見事な逆三角形で、自衛隊の人とは聞いていたがボディービルダーかよと思うくらい見事な筋肉で、「よっお兄さん!キレてるね!」と言ってしまいそうで、さすが毎日鍛えている人は違うと感じ、年齢は30代くらいだがその体系に加え、身長もあるのでまるで鬼だ。


「は、はじめまして!」

「おー!!お前があのケモノを倒した男か!」


 まずは上村から話を切り出すと、宮田ミヤダは6畳程しかないこの部屋で出す音量でない声で返して来る。


「ワシが第二部隊隊長の宮田だ!これからよろしく!」


 鍛え上げられた上腕二頭筋から振り落とされた腕が上村の前に差し伸べられる。

 指という指の筋肉もムキムキしていて、上村はちょっとオッカナビックリにその手に手を差し出し挨拶をした。


「よ、よろしくお願いします・・・。」

「元電気屋さんだっけ?もう少し力を付けないと前線ではキツイぞ!アッハッハ!!まずは毎日腹筋200回くらいやってもらおうかな!それと走りこみ!これが一番基本!ハハ!」


 予想はしていた完全な体育会系チックな人だったが、上村も今は筋肉も無い見た目だが元体育会系な人だから多分大丈夫だろうと思いながら愛想笑いをし、上村の体を見た宮田ミヤダは、その筋肉の少ない華奢な体に対し即座にトレーニングの指示を出し始め、「あー、この年なって筋トレかよ」と心の中で嘆く上村は、「省が付いているけど、これじゃ自衛隊じゃないですか」とも心で嘆きながら小声で宮田ミヤダへ話しかける。


「・・・あのー、それに関してはコツコツやりますので。」

「そうか!じゃぁ毎日の日課としてやりたまえ。基本ルーチンワークはないので 個人能力と体力の向上に努めてくれればよい!緊急出動に備えて2名2班体制での勤務になる時もあるのでよろしく!」

「2名2班ということは私以外にメンバーはいるのですか。」

「まだ全員揃っていないのだ!お前が最初の一人目だ!」


 2名2班で4名と隊長1名の5名体制が上村の入る第二部隊のメンバーになり、まだ隊長と上村二人しかいないが今週中に関西圏から一人くる予定らしく、残り2名のうち1人は現在入院中のあの男性だそうだ。


「あの男に関してはまだ未知数だが、ワシが立派な隊員に鍛えてやるわ!ハハ!」


 大笑いする宮田ミヤダの表情を見て、上村はあの男性の将来を心配しながら再び質問をする。


「あと1人は?」

「あとの1人は現在向かっている!今は飛行機が使えないから、陸と海での移動だらかしばらくかかるだろう。着次第、連絡は貰えるようにしてある!ハハ!」


 最後の一人に関しては移動中らしく、上空にも謎の生物が生息している現在は空の移動は出来なくなっていて、上空を飛ぶ生物の特殊能力で運転手が硬直して墜落してしまう為、移動手段は海か陸しか出来ず時間が掛かるとの事だ。


 空を飛ぶ生物は討伐が難しくまだ手が付けれない状態で、アメリカが協力を断念したのはそれも原因であり、空の移動が出来ないと海でしか移動出来なく時間も掛かってしまい、移動中に自国が狙われてはたまったものではないのが米国が断った理由でもある。


「そう言えば、私の部署は第二部隊ですが第一部隊は?」

「うむ、既に第一部隊は隊員をそろえて稼働中で今日から東北へ現地調査に出向中だ!」

「では私たちは?」

「うーん、まだなにも出来ないので筋トレでもするか?」

「・・・いや、それは個人で行います」

「なに!?そうか!ではワシは筋トレに行って来る!

地下のトレーニングルームに居るぞ!」

「あの、その前に今回の体制や今後の計画を聞きたいのですが」

「お!それ話していなっかたか!?」


 先に召集済みの第一部隊に関して聞き上村は今後の計画を聞こうとしたが、宮田ミヤダは、それに関してはまったく忘れていたらしく、「・・・おい大丈夫かこの人?」と上村は心の中で嘆く。


「では、話だけならトレーニングルームでしてもいいか?」

「はぁ、構いませんが」

「よし!!では行くぞ!なんならお前もトレーニングしながらでもいいぞ!?」

「いえ、トレーニングは別で行いますので」


 トレーニングが出来る事にちょっとうれしそうな宮田ミヤダの後ろについて地下の部屋へ移動した。


 トレーニングルームで今後の計画などの話を聞き、政府は数ヶ月前にこの事態を把握していたが、その詳細は宮田ミヤダへは連絡が無く「来た敵を蹴散らせばいい!」と、言いながらバーベルを持ち上げる。


 第一部隊はその時に編成された部隊で、各方面の特殊能力を持つ選抜部隊で第一隊長は大島 忍で、宮田ミヤダ曰く第一部隊の隊長は好かないらしく、それはどうでもいいが第一部隊の役割は現地調査と情報収集で分析能力を重視した部隊だそうだ。


 一応戦闘タイプの人も居るそうだが、火力は第二部隊の方が上らしく上村のような接近戦が出来るタイプは貴重な人材で、第一部隊は遠距離戦タイプが多く遠距を取りながら攻撃をし逃げ道を探り第二部隊にタッチする流れだそうだが、第一部隊隊長の大島は刀術の達人で上村と同じ特殊能力で接近戦も可能だとの事で、万が一があった場合は隊長自ら第一線に出るそうだ。


 我が第二部隊隊長の能力は気配を完全に消せる能力で戦闘は暗殺がメインらしいで、なんかその体が無駄に思えてしまう能力だ。


 今後の計画は、生物の生態の理解と発生原因の追究で、その研究は第一部隊が大体の生物の種類と特性の情報は収集済みで、生物の名前は出てきた順で種類別で名前を付けているそうでなんだか台風みたいだ。


 上村が以前戦ったケモノの様な生物は第2生物と言い、スライム状性物が第1生物だそうで他にも上空にいる生物が第3生物で現在調査に向かっている東北にいる生物は、第4生物と名づける予定だそうだ。


 生物の種類は今の所4種類で、発生率と発生数が圧倒的に多いのが第1生物で、これであれば自衛隊でも倒すことは可能だが、第2第3生物が1体でも現れる自衛隊ではどうにもならない。


 そこで特殊能力を持ち第2第3生物を倒す事が出来る人物を厳選した部隊が、この謎の生物対策省の第一部隊と第二部隊との事で、ここに居るものは一度生身で生物を倒した物と他の推薦で来た者が集まっている。


 ちなみに宮田ミヤダは、第3生物を倒した唯一の人物で、宮田ミヤダは生物の特殊能力を解除出来る能力を持っていないが、気配を消して近づく能力を使い一撃必殺で相手の急所に特殊プラスティックナイフを刺し暗殺する方法で、そのほかにも第2生物も相手したらしいく、やっぱりその筋肉要らない気がすると上村は感じる。


 第一部隊が出向している東北でのサンプルが回収出来れば発生原因の研究に役立つ狙いがあり、そういった調査・研究を主な任務にしているのが第一部隊との事で、第二部隊はと言うと、自衛隊が手に負えない第2以上の生物が発生した際に現地へ出動し討伐する部隊になり、第一部隊と合同の場合は第二部隊が前衛で、第一部隊が後衛になり戦闘をする言わば戦闘要員だ。


 第一部隊隊長は頭の切れそうなイメージがあり、こちらの隊長は筋肉バカって感じなのはそう言った理由が上村は理解出来たが、戦闘に関しては自衛官の上司であってプロフェッショナルで、上村もそこは尊敬してはいる。


 宮田ミヤダから省舎の人とも一応挨拶はするようにとの事だったので、今日は省舎を見学する事にした。


 それって上司が付いて来てくれるんじゃないの?と思ったが「筋トレ始めたら止まらない!」との事だったので、ヘタに巻き込まれても嫌だったので一人で回りますと言ってトレーニングルームを後にし、そう言えば隊長以外のメンバーの話聞かなかったがと思いながら地下から地上階へエレベーターで上った。


 とりあえず大臣にでも会って来るかと考える上村だったが、自分一人で大丈夫だろうかと言う心配もあり、不安になった上村はとりあえず下の階から順番に挨拶しようと考え、その頃にはさすがに隊長もトレーニングが終わっているだろうと考え、上村は2階の研究室へ行くことにした。

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