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アナザーストーリー  作者: りょーじぃ
第三章 過去の世界編
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21/38

第20話 過去の世界での再会

2016/6/17 前話と分岐し話を追加

       ※話分けのみの実施の為、ストーリー自体に変更はございません

 約600年前に転移させられた大山 修は、その過去から自身の住む未来への繋がりを知り、鷹の目を持つチョ・ミンからその目を譲り受けた。


 鷹の目は開眼すると慣れるまで生活がしづらく、その違和感はすぐ治るとチョ・ミンは話していたが、その違和感が消えるまでは狩に出ず村に居る事にした。

 目も慣れだしそろそろ狩に復帰ようと思っていた時、狩に出ていた住民から一枚の紙を見せられる。


 それは日本語で書かれた紙切れで、大山 修が日本人だと知っていた村人がその紙を見せに来てくれて、その紙は描かれた六芒星らしき破片などから何かの術式の一部だと言う事は確認出来た為その話を村長に話すと、その術紙は最高神を召喚する儀式でしようした紙ではないかと話す。


 召喚術の式紙は各国の皇帝や人間の最高神が持っているらしいが、その危険性を恐れ一般の庶民が持つ事は無いとの話を聞いた大山 修は、あの獣を召喚したのは日本人かも知れないと考え日本を目指すべきだと感じる。

 消息を経った仲間がもし同じ世界へ転移されていれば自身と同じ行動を起こすと考えれば、自身の鷹の目を使い仲間を探しだし、同時に術紙の謎も解明出るか知れないと考えた大山 修は目の前で考え込む村長へ話し出す。


「私は自身の故郷である大和へ戻ります。その術紙の謎は、大和にあると思う」

「もし、最高神が召喚されていたらどうすんだ!戦うにしてもオオヤマ一人では・・・」

「我々もついて行こう!」

「いや・・・。大和も今は戦国乱世の時代、その中に異国人が入り込んだらそれこそ混乱を招くし、これ以上皆を巻き込む事は出来ない。聞く話だと、術者もそんな簡単に召喚は出来ないはずだし、幾らこの場所に最高神が出る可能性が無くなったとは言え、あなた達が村を空ければ村の襲撃に備える事は出来ない」

「まぁ・・・それは確かだが・・・」


 村長を中心に村人が集まる場で、大山 修は今回の最高神討伐でこの地域に危険は無くなったが他に最高神が召喚されるかも知れないと話し、皆が親身になってくれているのは有難い事だが、これ以上は迷惑を掛ける事は出来ないと同時に感じる大山 修は


「それに・・・、私はこの時代(・・・・)の人間じゃない。これから先の未来・・・600年先を生きている人間なんだ」


 大山 修の一言で参加していた村人達は、その言葉の意味を理解するのに時間が掛かった為ざわめき出すが、その周りの雑音を断ち切るように村人側から語り出したのは既にその話を聞いていたリ・ヤオだった。

 全てを理解し冷静だった彼は、大山 修のここまでの経緯を語り始める。


「彼は時代を逆行させられ我々と同じ時代に辿りついた。他に2名、彼の仲間が同様にこの時代に転移されている可能性があり、その人達を探しに旅を続けていたんだ。・・・だから、彼は大和の人間ではあるが現在の大和の人間ではないのだ」

「日本である現象に会い、この世界に飛ばされた。私の仲間はもしかすると私と同様に日本を目指す事を決意しているかも知れないから、その仲間達に会えれば最高神を倒せる。現に、私の時代に現れた最高神を討伐する部隊に所属している」

「オオヤマはアヌを見た事があるのか?」

「・・・ああ、向こうで第3生物と呼ばれていたが、見た目と金属の物理攻撃が効かない事や、私の念射が効くのも同じだった」

「だから、お前は最高神の有効打を知っていたのか・・・」


 最初、信じられない物が大半であったが、リ・ヤオの懸命な説明で回りも次第に冷静さを取り戻し、大山 修の話を聞いた事で最高神アヌを討伐する時の手際の良さの理由を村長はこれで納得出来た。

 正直、日本語が書いてある術式跡が出て来た時、村長はオオヤマを一瞬疑っていた事を詫びる為、頭を下げる。


「・・・すまないな、オオヤマ。お前を一瞬でも疑った時があった」

「いいって、隠していた私も悪かったんだから・・・」

「もし、私の考えが正しければ、私の世界に現れた最高神は5体。以前に聞いた話で召喚によって現れる最高神は全部で12体。だとすれば、召喚によって現れる最高神は残り7体だ。私は早くこの事実を伝える為に、元の世界に戻らなくてはならない」


 自身が入った渦によって最高神が時空を超えて現れているのであれば、召喚される前に止めればこれ以上現代へ最高神を召喚出来ないかも知れないと考え、仲間の捜索も大事だか最高神を召喚する事を止めるのも大事だと感じ、この世界で召喚しているとは限らないが召喚されている可能性は高いのであれば、その謎を解明する為にも日本へ行く必要があると決意した。


 翌朝、大山 修はこの村を後にする。


「短い間でしたが、お世話になりました・・・」

「お前に畏まった口調は似合わないな」

「また、いつでも来てください。あっ、でも現代に戻ってしまうのですね・・・」

「まぁ・・・、今の所戻る方法はないんだけどね」


 早朝に関わらず、村中の人々が彼の出発を見に来てくれた。

 からかうリ・ヤオや寂しそうに握手をかわすリュウ・チン、そして自分を家族のように思ってくれた村の人々は、小さい村ではあるがとても居心地の良い空間だった。


 名残惜しさを残しながらも決意を固めた大山 修は、村の人々に別れを告げ一路日本を目指す。

 出発前に村で地図と移動用に馬を一頭貰い、最初は馬まで貰うのを遠慮したが、最高神の討伐の礼とこれまで村の為に狩をしてくれた報酬と言う話を聞き、これからの移動距離を考え貰う事にした。


 地図を広げ今後のルートを検討する。

 この当たりからシルクロードがある話は聞いている大山 修は、ここから海に近いのは南京だがこの時代の航海は命懸けだったはずと考え、多少距離が伸びても安全な陸路を選び、シルクロード抜けて北京を目指し日本へ渡るルートに決める。

 距離にして千キロくらいはある長旅に覚悟を決めた大山 修は、鞍を叩き馬を走らせる。


 夜は野営をし、日中全てを移動に費やしひたすら進む。

 この時代になると海上輸送が主になり、シルクロードは当時ほど使われておらず人を殆んど見る事は無く、たまに獣の類と戦闘になるが念射で全て撃退出来た。

 現れる獣類は一緒だったので鷹の目を使い特定の範囲の敵を常に補足し、獣のおおよその位置も把握しながら進みなるべく戦闘を避け、食肉用に戦闘を行った。


 蛇やサソリなどの危険動物も一度目の記憶しておけば夜間も領域に入るのが確認出来るので撃退も可能で、合わせて目に慣れる為のトレーニングも兼ねられたこの行動は大山 修の能力の向上にも一役買う事になる。


 西安を出て1ヶ月が過ぎた頃、現在は洛陽付近まで近づいて来た。

 北京まであと1/3くらいか。


 その時、なぜがふと思い出すように携帯の電源を入れてみると、ソーラの充電器はあったが必要な時に充電出来なかったら困ると考えなるべく充電はせずにいた携帯の電源を入れた瞬間に現れた光景に大山 修は驚きの表情を見せる。


 隊員の携帯の有無を知らせるLEDが点灯している。

 しかも2つ。


 それは大島携帯を示す赤のLEDと、大山 由希子の緑のLED表示で、携帯のみの可能性も否定できないが2人は同じ世界に転移され無事だと言う事が証明された。

 自分もこうして生きていたので、正直それ程の深刻な心配はしていなかったが、こうして形となって無事が確認出来た途端、大山 修の体は軽くなったように気持ちが前向きになった。


 その点灯位置から推測すると表示は東西に分かれていて、大島は西側で大山 由希子は東側に進んでいて、距離までは測定出来ないが互いに目指している方向が自分と同じ東だと理解した大山 修は、2人の目的も恐らく自身と同じく日本だと感じる。


 やはりそこには何かがあるとその時感じた大山 修は、2人も自分と同じように何か手掛かりを掴んだに違いないと考えていたその時、鷹の目が距離はおよそ70キロ位に人物反応を示す。

 大山 修の目は現在半径100キロ程度なら正確に距離が測れるくらい精度が上がっていて、その力はチョ・ミンの全盛期に迫る距離であり、彼の既鷹の目を自分の物にしていた。


 目に反応があったと言う事は自身が一度会った事のある人物だと感じた大山 修は、慎重な趣で自身の意識を赤い点に焦点を合わせてみると、その視線の先に見えたのはこの時代の衣装に合わせているので判りづらいが大島だと認識出来き、休息を兼ねてこのまま待つことにする。


 翌日、乾き切った砂道を馬に乗って進む1人の女性と合流すると、馬上から鋭い視線で見つめた女性は、その見た事のある人物に、何時ものクールな表情ではあったが目を大きくし少し驚いた様子で話し掛けて来た。


「・・・修、なのか?」

「私は隊長が来るのを知ってましたけどね」

「・・・まぁ、いろいろ聞きたい事はあるが今は先を急いでいる、とりあえず進みながら話そう」


 久々の再開にも簡素に済ませた2人は、そのまま再度移動を開始しながら互いのこれまでの経緯を話す。


「隊長はトルコから来たんですか!?」

「ああ、厳しかったが天山南路を使ってシルクロードを伝って来た」

「この世界に来ても相変わらずのアクティブさですね・・・」


 大島の話を聞き、トルコからここまで一体どのくらいあるのだろうと考えた大山 修は、自身も西安から結構な距離を旅して来たが、大島のここまでの移動距離は異常だと感じ、この人はバケモノだと改めながら自身のこれまでの情報を話すと、大島は大山 修の話す召喚に興味を示す。


「なるほど、修が戦った第3生物は召喚術によって現れたと言うのか・・・。私もオスマン砂漠でエンリルと言う怪物と戦ったが、手応えが生物と似ていたが、ヤツもその最高神と言う召喚された生物と言う事か」

「あと、その召喚術式の術紙に日本語が書いてありました」

「日本語か・・・。それなら私の倒したエンリルの体に貼りついていた紙も日本語が記載されていた」

「それ、後で見せて下さい!」


 その日の夜、焚火を囲み話しの続きをする大島は持っていた紙を大山 修に渡し、途中で破れてはいたが【大仙】と記載されている長方形の短冊のようなその紙は、大山 修が持っているほぼ確認出来る状態の【大仙陵】と同様である事が判明され、その下に六亡星とアルファベットの【C】が描かれていた。


「・・・大仙陵って、大阪のか?」

「多分、隊長の持っている紙の切れた長さを考えると、私の持っている紙と同じもので、その紙も残りの文字と六亡星が書いてあったはず」

「あの古墳なら、何かやるには持って来いの場所だな。今の時代であれば天皇の支配能力は低いし、居ても盗賊程度だろうし」

「あの召喚は術者との契約が成立していないから術者本人も制御出来ないらしいから、術者は人気の無い場所で召喚と時空間移動を行い、自分に被害の出ない別の時代へばら撒いているって事じゃないですかね」

「ばら撒く理由は検討が付かないが・・・。術者に被害が出る危険な術であれば、術者に害の及ばない世界で使えば心配なく召喚出来るからな、その部分は私も賛成出来る」


 大仙陵は古墳の名称で通称仁徳天皇陵と言われる日本最大の古墳で、そこで召喚を行っているのであれば、渦を使い術者に害の及ばない別の世界へ転移させている可能性を示唆する大山 修の意見に大島も賛同する。


 ただ、これである程度の目的は決まった。

 日本へ戻り大仙陵を目指し、そこで術者を探し出し召喚を止めさせる。

 説得でうまく行けば良いが多分それは無理だろうと考える2人は、力づくになるかもしれないと危険も感じるが、同時に最高神を野放しにしておく訳にはいかないと覚悟を決める。

 それまでにこの世界に居る可能性が高い大山 由希子と合流できればと思った大島は、まるで自分が来る事が分かっていたかのように待ち伏せしていた大山 修へ、なぜ自身の居場所が分かったのかを聞くと、大山 修は自分の目を大きくして大島に見せる。  

 その目はまるで動物のように大きな瞳孔をしていて、少し驚きの様子の大島に大山 修は笑みを見せ話す。


「別に呪いとかに掛かった訳じゃないですよ。私が隊長に気付けたのは、鷹の目っていう能力を貰ったからですよ。この目は半径100キロくらいまでなら一度見た人物の場所が分かるんです」

「・・・ほう、それは便利だな。それで、私を見つけたと言うのか?」

「ま、その前に携帯の隊員位置情報で隊長と大山の表示が点いたのもあるんですがね」

「何!?大山もやはりこっちに居るのか?」

「たいちょー!、確認してないのですか!?まぁ、らいしっちゃ、らしいですがね・・・。大山の反応は結構前から出てましたけど、多分私達より結構先に行ってるみたいだけど、目指している場所は同じっぽいです」

「・・・そうか、無事であればそれでいい。井田と鈴森は?」

「そっちは表示されませんね・・・。私があの光に巻き込まれた時の勢いを考えると、もしかして巻き込まれていないかも知れません・・・」


 大島は最新の機器をあまり使いたがらないので、携帯も電源を切っているのはざらだ。

 それを知っている大山 修はこれも想定の範囲内だったので、呆れがた表情であったが、そのまま話を続け互いの情報交換を行った。


 それから洛陽から暫く東に進み、その後北上して1ヶ月位で北京へ到着する。

 この辺りはかなり繁栄していて、宿や食料確保にとても便利だったので2人は久しぶりに宿で泊まる。

 今まで野宿で固い土の上で眠る事を余儀なくされていたので、シルクロードの影響で西洋からの文明で来たベッドで久々にゆっくり休むことが出来た。


 翌朝、出発前の買出しに出掛けた町中にはいろいろな店が立ち並び、西から来た商人が西洋文化の物を実演販売のように売り出している。


「隊長!あれ面白そうだよ!」

「・・・修、お前は先を急ぐと言ってなかったか?そんな事よりお前は薬の店を探せ」


 まるでウィンドウショッピングをしているのかのように楽しんでいる大山 修に、彼の集中力のない性格をよく知る大島は、子供をなだめる様に別の指令を出す。

 暫く歩いた先の一角に書物を売る店があり、この時代の書物に興味が変わった大山 修はその店に一目散に入り立ち止まる姿にやや呆れ顔の大島だったが、どうせ話は半分しか通用しない事を知っているので「隣の薬屋にいるからな」と告げ先に店を後にする。


 その店は簡易テントの様な感じの建物であったが、現代同様に木製の本棚が多数並びその中に本がびっしりと敷き詰められていて、外観と違い意外としっかりした店内に興味津々の大山 修の目に一冊の本が入り、それは現代の本屋で言うと売れ筋本的な位置に陳列されていた。


 書籍名は【最高神大辞典】。

 最高神とは、神と謡われる人物や伝説の怪物などが神と名乗るのを認めてもらう事で得られる称号で、流し読みで見ようと開いたページが大山 修の目に飛び込んで来ると驚きを隠せずに入れなかった。 

 それは、自身のいた現代で現れた謎の生物そっくりの絵が描かれ、先日自身が倒したアヌは最高神として君臨する【最も高い天国の神】の通り名を持ち、上空や高い標高に住む者達に恐れられていた伝説の獣と記載されていて、現代でもあの生物を倒したのは宮田ミヤダのみだ。


 続けて中身を確認すると人間にも最高神の称号を持つ人物がいるらしく、棒術の達人であり流光武術師範大のファ・ソンは、現在明皇帝の下で討伐部隊をしているらしく、それ程の人物でないと称号は無理らしいと感じる。

 その後ページを進める毎に書いてある絵には、【書記の守護神】ナブーと描かれた最高神の姿は第2生物とそっくりで、通り名は無いがダムキナは第1生物、東北で見つけた第四生物は【太陽と正義の神】と言う名のシャマシュで、大島と大山 由希子が交戦した第5生物と酷似している最高神は【天候の神】パダトと描かれていた。 


 この本は毎年更新され今で言うベストセラー的な本らしく、タイトルの下に1402と書いてあるこれは多分今年の年号を意味していると感じたが、一応店主に聞いてみると毎年更新されるらしく、言わばギネスブックみたいな物らしい。


 あまりの衝撃的な出来事に頭の中が整理しきれてはいないが、現代に現れた生物が全て最高神だった事は間違いなく、大山 修が気になるのは、人間以外の獣の最高神は全部で12体存在し、今までの生物が全て最高神であるのであれば、あと7体の未知の生物が召喚される可能性は高い事だと感じる。


 持っていた金貨でその本を購入し、薬屋で買い物をしている大島の所へ飛んで来た大山 修に大島は呆れ見ていたが、持っていた本を見せると表情が一変する。


「私もこの生物を知っている・・・。エンリル【天候と嵐の神】で、コイツは私とトルコで交戦して倒している」

「やっぱり・・・。私達の世界で出ていた生物は、おそらくこの世界言う最高神と一致しているのは間違いないですね」


 7体の内1体はこの世界で交戦済みだと話す大島に、やはり他の最高神も召喚される可能性が高くなったと大山 修は話す。

 それと同時に急に外の気配が騒がしくなり店の周りでも話し合う姿が見られ、その騒ぎに2人は外に出て状況を確認すると、この先の万里の長城で最高神が出たらしく明の守衛はほぼ全滅して数人がここに逃げて来たと聞く。


 2人は最高神が現れた詳しい情報を近く居た人に詳しい話を聞くと、ここから北の古北口付近で最高神が現れたらしく、その最高神は【知恵の神】エアと呼ばれる辞典で見たのみの初めての生物だった。

 既にこの世界で戦闘を経験した大島の話を聞く限り、現代では戦っていない新しい最高神が出始めていて、このまま野放しにして置けばいずれ現代へ召喚される可能性があると感じる大山 修に大島は話す。


「仕留めるか?」

「もちろん!」


 朝鮮半島から船に乗る予定だった2人にとってどちらにせよ通り道だったその場所へ行く事を決めた2人は、辞典には最高神の属性など戦いに役立つ情報を見ながら現代で現れる可能性のある未知の最高神を倒しに、万里の長城のある古北口へ向かった。


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