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アナザーストーリー  作者: りょーじぃ
プロローグ
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第1話 プロローグ

2016/1/4 文構成を修正実施

 妄想癖。


 現代の呼び名では中二病と言われているが、昔はそう言った呼び名ではなかった。


 私の名前は上村。

 妄想癖と言う名の中二病に掛かる男だ。


 小学生時代、クラスでは頭の悪いチームだったが性格は明るくクラスの人気者で、野球を始めてからスポーツは万能になり結構イケてる小学生だったが、中学時代は明るすぎるその性格がウザがられ嫌われた時も当の本人はまったく気にしておらず、幼馴染だった友人に嫌われるまでその状況に気付かない暗黒時代をさまよった。

 高校入試は勉強というものをまったくしておらず、担任からも「高校はムリ」と三社面談で言われた程の頭脳だったが猛勉強の果てなんとか三流高校へ進学し、引き続き野球を続け縦社会の辛さを経験した事で我慢と礼儀・秩序を覚えた。

 高校野球終了後に初めて進学を意識し、ほぼゼロからの猛勉強をしとりあえず大学へ進学出来た。

 大学時代は一人暮らしの仕送りは最小限だったのでバイトに明け暮れたが、稼ぎの殆どを彼女とオシャレにつぎ込んだこの時に妄想癖は卒業したと思っている。


 そして、しがない中小企業に就職し平凡な毎日を送っていた。


 高校時代はクラスの仲間とサバイバルゲームを頻繁に行なっていて、それは趣味程度だが今でも続いている。

 中学時代に先輩に誘われて始めた銃撃戦に快感を覚え、その時少年誌で連載していた無敵のスイーパーと自分を写し合わせ完全に妄想の世界に入り込み、目にも止まらぬ速さで脇のホルスターから銃を抜き瞬く間に敵を打ち抜いていく姿を自分と重ね合わせて妄想し、たまたま店で目に入ったワルサーP38とホルスターを購入しひたすら銃を抜く練習に明け暮れた。

 修学旅行にも制服の中に忍ばせていたあの当時は、かなりの妄想重傷者だったと今は思う。


 中二病的な無駄なトレーニングは今も続けていて、もう使うことはないと自分自身で理解している筈なのに、昔あった外国の映画に出ていた妄想主人公が行っていた家の中の柱を使っての懸垂と鏡に映った自分を見つめての銃の早抜きの練習は常に行っている。


 そんなある日だった。


 いつものように仕事を終え帰りを急ぐ週末、今日は金曜日で明日の連休は何をしようかと考えていたその時、いつもならそんなに混雑した事の無い道が大渋滞になっていた。


「・・・なんでこんな道が?あーめんどくさいなぁせっかくの週末なのに」


 特に予定も決まっていないのに、いつもは混まない道路で混んでしまうとなんか損した気分と、上村は仕事帰りの疲れた表情で車のフロントガラスから空を眺め呟いた。


 だが、上村は何か様子がおかしいのに気付いた。

 前の車の人が外へ出て上を見上げている。

 私の車は、かなりの低車高なので上は殆ど見えないので確認する事が出来ない。

 女子高生のスカートの中以外は・・・。


 冗談はさて置きと、我に戻り周りのを見渡すと近くの家に住んでいる人も徐々に外へ出ている騒々しさに、車社会のこの土地ではお祭り位でしか見れない程の人だかりが出来ている。


 明らかにおかしい周囲の雰囲気に上村も何かあったかと思い、車を降りて状況を確認しようと車から出た時、目の前に見えた景色はこの世の物ではない風景だった。



 ・・・そして事件は起きた。


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