そうだ、狩りに行こう 前篇
前回の続きです
だんだんながめの文章にしていくつもりです
「く~疲れたぜ」
そう言いつつ伸びをする。それにしてもこれからどうしようかと考える。
いつもならまだ道場で修業をしている時間だったが、免許皆伝してしまったため、修業にでなくてもよくなったのだ。
本来は免許皆伝した人は教える側に回って修業に出るのだが、俺の場合は、免許皆伝したこと事態を隠しているため、それもしなくていい。
そのかわり、分家のやつらには、あまりにも才能がないので見限られたと思われているだろうけどな。
う~ん、でもその時間なにしてようかなぁ?特に問題は明日からだ。
午前中はいつものように一人で修業をするからいいとしても、午後からが暇だ。
一日中ずっと修業ってのもやだしなぁ。
困った。う~ん。
う~~~~~~ん・・・・
・・・駄目だ何も思いつかない。あとでみんなが帰ってきたら相談してみるか。
よし、そうと決まればみんなが帰ってくるまで寝てよ。
俺は、軽くシャワーを浴びて自分の部屋の布団にもぐりこんだ。
ドドドドドドドドドドドドッ‼‼
こっちにだんだん近づいてくるすごい音で目が覚めた。
「うるさいなぁ、なんだってんだ?」
まだ、完全に覚醒していない頭で音の原因を考える。
そして、原因に気づき逃げようとするが、気づくのが遅すぎたようで俺の部屋の扉がすごい勢いで開くと同時に何かが叫びながら俺に突っ込んできた。
「しゅんにぃ~~~、おめでと~~~~」
「ぐはっ」
俺はものすごい勢いで突っ込んできた何かの衝撃に耐えきれず押し倒される。
そして、状況を確認すると美少女が俺に抱き付いていた。
しかし、これはよくある状況なので俺はあまり焦らなかった。
「落ち着け愛由美。どうした?」
そう、何を隠そう、今俺に抱き付いている美少女こそが俺の妹の愛由美なのである。
金髪をツインテールにいていて、目は銀色という珍しい容姿だが、小柄ですごく整った顔立ちをしている。
愛由美は俺の1つしたであるので、まだ子供なのだが、それでも家族であるひいき目なしにものすごい美少女である。
将来は絶対に美人になるだろう。しかも、この状況からわかる通り兄である俺をものすごく慕ってくれている。
俺から見るとかわいくて仕方のない妹である。
「どうした?ってしゅんにぃが桜木流の免許皆伝の試験に受かったんでしょ?だから~、おめでとうっていいにきたの」
言いつつ愛由美は俺に抱き付いたまま、俺の胸にほおずりをしている。
俺は愛由美の頭をなでながら話を続ける。
「親父から聞いたのか?」
「そうだよ~。今日試験なのは知ってたから修業が終わったらお父さんに結果を聞いたの。それで、早くおめでとうを言いたくて走って帰ってきたんだ」
そういって愛由美はえへへっと笑った。わが妹ながらかわいすぎだろ。
「そっか。ありがとな」
そういって、おれは愛由美の頭をなで続ける。愛由美は幸せそうに俺に抱き付いたままだ。
すると、またドドドドドッ‼というおとが聞こえてきた。
今度は俺の部屋の前で音が止まったので部屋の入り口に目を向けてみると
銀髪のロングヘアーに銀色の目をしたこれまたものすごい美少女が不満げな表情で立っていた。
その人物は走ってきたにも関わらず部屋の入り口に立って不満げにこっちをにらんだまま固まっているので、俺から声をかけることにした。
「どうしたの、あやねぇ?」
いま呼んだ通り、この人は俺の姉である綾香ねぇちゃん、通称あやねぇである。
「どうした?って、しゅんくんが免許皆伝の試験合格したっていうからおめでとうっていいに来たんだけど・・・」
「けど?」
そう俺が聞き返すとキッと俺に抱き付いている愛由美をにらむ。
「どうして、あゆちゃんが私のしゅんくんに抱き付いているの?」
「しゅんにぃはおねぇちゃんのじゃなくて私のだからいいんですぅ」
そういいつつ愛由美は瞬にだきついたままである。
そして、俺はというと毎度ののことながらいつの間に俺の所有権が決まったのだろうか?と考えていた。
俺がそんなくだらないことを考えている間にも二人は言い争っている。
そして、気づくと右手側に愛由美、左手側にあやねぇが抱き付いているという状況が出来上がっていた。
俺はふたりから女の子のいい匂いがしてきて焦る。
いくら家族とはいえ二人とも美少女なので、大変心臓に悪い。
「二人とも気持ちは嬉しいけど少し離れてくれ」
俺がそういうと、二人はしぶしぶながら離れてくれた。
そして、このままの空気ではまずいと思い、話題を変えることにした。
「二人ともちょっと相談があるんだけどいいか?」
「いいよ~、しゅんにぃ。どうしたの?」
「それがな、俺は今日免許皆伝したわけだろ?でも、このことはあまり分家に知られたくないから、修業を教える側に回れないわけだ。」
そこまで言うと俺の言いたいことがわかったのかあやねぇが引き継いだ。
「つまり、明日から暇だからどうやって暇つぶせばいいか考えてくれってことよね?」
「さすが、あやねぇ俺のことがよくわかってるな」
そうあやねぇにいって笑いかけると
「もちろんよ」
とあやねぇも嬉しそうに微笑んだ。
「あたしも!しゅんにぃ、あたしもしゅんにぃの言いたいことわかった」
そういって愛由美は手を上げる。それが微笑ましくて
「愛由美も、よくわかってるな」
といって、頭をなでてやると、あやねぇが不満そうに言った。
「私も・・・」
「え、あやねぇなんか言った?」
「しゅんくん、私にもなでなでして」
そういってあやねぇは近づいてくる。俺はそんなかわいいあやねぇをみて、あやねぇの頭をなでる。するとあやねぇは幸せそうにえへへと笑った。
しばらくそんな感じで二人をなでていたのだが、本題を思い出して話をつづけた。
「で、俺はいったい何をして暇をつぶせばいいと思う?」
「一日中私の修業に付き合うのとかはどう?」
「おねぇちゃん、ずるい!あたしもしゅんにぃに修業つきあってもらいたい‼」
また、ふたりで言い争いを始めそうだったので、俺はその前に二人を止めた。
「それどもいいけど、二人が喧嘩するからなしだ。」
「「えー」」
ふたりして不満げな声を上げるがそこは譲らない。
なぜなら、俺が一生だったら二人とも修業に集中してくれなくなって後でおれが親父に怒られるからな
そうしてそのまま三人で考えていると、部屋の入り口からこえが聞こえた。
「ちかくにある森で魔獣狩りにでもいってきたらどうだい?」
その声に反応して入り口に目を向けるとそこには、金髪金目の美少年が立っていた。
「仁兄ちゃん」
この人が我が家の長男である仁兄ちゃんである。仁兄ちゃんは今15歳で去年免許皆伝している。
俺が免許皆伝するまでは仁兄ちゃんの14歳が免許皆伝の最年少記録だった。
「瞬、免許皆伝おめでとう。」
「仁兄ちゃんありがとう。でも、魔獣狩りってどういうこと?」
「瞬は明日からの暇つぶしを考えていたんだろ?なら、魔獣狩りをして、村の警護とうまい肉の調達をしてもらおうかと思ってな。この辺の魔獣なら、瞬なら万に一つも危険はないだろうしな。」
仁兄ちゃんはそういってこっちを見る。どうするか答えを求めている感じだ。俺は仁兄ちゃんの言葉をもう一度考えなおして、うなずいた。
「そうだね。いろいろと役に立てるみたいだし、俺は明日から昼間は魔獣狩りに行くとするよ。」
こうして、俺は魔獣狩りに行くことが決定した。
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