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自縄自縛な僕・三人の女神   作者: 松永 もっこり
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クラスマッチ編 上

放課後になり、生徒会室へと足を

運ぶ咲人。

非常に憂鬱な気分であった。

「クラス役員か、まぁ誠が言ってた

ことも一理あるし。仕方ない。」


物わかりがいいのは数少ない咲人

の美点である。

しかし、咲人は気付かない。

生徒会室ということは例の猛禽類

がいることに...。


しかし、予想通りだな。生徒会室も

バカにならない広さだ。どこから金が

湧くのやら。


見知った人物が教卓に立つ。桜子だ。

「静粛に!これよりクラスマッチの

競技決めを行う!学年などは気にせず

ドンドン意見を出して行ってくれ!」


流石会長だ。朝の変人ぶりとは

打って変わって立派な会長じゃないか

そこで、咲人は気付く。

クラス役員の八割以上は女子である。

ここは女子校かと突っ込みたくなる。

どうやら、生徒会役員もほとんど

女子ではないか。なんだここは?

それに、他の女子が惚れ惚れとした

表情で会長を見ている。

え?ここにいる女子っていわゆる

ユリって奴ですか?キャーじゃねえよ

何しに来たんだよ、こいつら。


咲人が呆れるのも無理ない。

実際、この龍ヵ峰 桜子は容姿端麗

のためもちろん男性からの人気も高い

しかし

それ以上に女生徒からの人気が

凄まじい。ファンクラブが出来るのは

当然。裏で生写真なんかも

出回ってるらしい。肖像権なんか

ガン無視である。


顔を赤らめるだけで意見を出さない

役員だらけ。これじゃ成り立たない

よな。はー、無駄な時間じゃないか。


「あなた達!意見を出さないと議論が

進まないじゃない!」

「キャー!お姉様!!」


おい、今怒られたんだぞ?

いい病院紹介しようか?治るぞ?

そんなことを思っている咲人を

桜子は見つけた。

(咲人君、クラス役員になったのか

フフッ...)


ブルッ!!嫌な視線を感じた。

これはあれだ。例の猛禽類の方だ。

ヤバイ、これは当てられる!

どうせ、夢崎君、なにか意見はない?

とか聞い...


「そこの男子の夢崎君、あなたの

意見を聞かせてもらえないかしら?」


聞いてくるんだな、これがっ!

俺の第六感を褒めるべきであろう。

ほらっ、あんたが俺に振るからみんな俺に視線があつまってんじゃん!


「え、ええと」

ヤメろ、その期待を込めた目で

俺を見ないでっ!

「バレーボールなんてどうですか?」

ええい、もうやけくそだ


「ふーむ、理由をきかせて貰える?」

そうだな...

「普通の球技や競技に比べて

バレーボールは少人数で全員で協力

しないことにはゲームが

成り立ちません。それに

運動が苦手な人でも手しか

使わないので言うほど難しくない

かと思われます。それに、まだ

始まったばかりの学級の仲をより

深めることも可能と考えました。」


よくもこうサラサラと言えたな俺。

頑張った俺にはくしゅ!

同時にオォーという歓声と共に

拍手が鳴った。すごく気恥ずかしい。

でも、悪い気はしないな!

なにかと切り替えが早い咲人であった


「いいわね、バレーボールで決定

していいか」


「ちょっと待って下さい!」

おい誰だよこの円満に終わりかけた

空気を一刀両断したバカは。


「私はバレーボールに反対です!」

副会長とネームのついた腕章を付けた

少女が勢いよくたちあがる。

「ど、どうせこの男の本当の目的は

アンダーパスの時に

強調されるお姉様の胸!

スパイクを打つ時にジャンプして

弾むお姉様の胸!そして!

お姉様の太ももが目的なんですわ!」


誰かこいつを黙らせろ、いや

殴る許可をくれ。確かに女子だが

言っていい事と悪い事があるだろ?


「ダメですわ!お姉様!こんな野獣の

意見をやすやすと聞いては!」


「誰が、野獣だ!失礼な!」

言わせておけば、この野郎!いや尼!


「やめなさい!一途!彼はそんな

下衆な物ではありません。

謝罪なさい。」


一途と呼ばれた副会長は渋々謝った。

なんだその反抗的な目は!。

まぁいいや。しかし


ほう!いいところもあるじゃないか

この桜子会長!見直したぞ。


慌ただしかった教室も桜子の一喝

にやり元通り静かになった。

これが鶴の一声というものか。


「では、皆さん。クラスマッチの競技

はバレーボールでよろしいですね?

賛成の方は拍手でお願いします。」


こうして、無事に競技が決まった。

やっと、帰れる。今日はしなくちゃ

いけない事が山ほどあるんだ!

プラモにゲーム!etc...

馬鹿な咲人の後ろから猛禽類の声

がした。


「咲人君、さっきはごめんなさい。

一途は決して悪い子じゃないの。

許してあげて?。それより

バレーボールの案は

素晴らしかったわ」


変人か猛禽類のスイッチの会長しか

知らない咲人にとって会長の顔をした

桜子は新鮮なものであった。

やはり、綺麗だ。いくら猛禽類でも。


「いえ、自分自身もあんなにスラスラ

言えたのにはビックリしてきます。」


「そあなの?あの理路整然とした

説明は見事なものだわ。とりあえず

今日はありがとう。じゃあ」


人の上に立つものの品格を垣間見た

咲人であった。


「とりあえず、クラスマッチまで

役員頑張るか!」



























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