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自縄自縛な僕・三人の女神   作者: 松永 もっこり
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後輩編 上

三人の女神のうち一人


華城 沙奈

登場します。



推しメンです(真顔)

「咲人は悪くないよ、何も悪くない。

だから私の事は気にしないでください。

咲人のわ悲しむ顔なんか見たくないのから。私のことは忘れて?」


嫌な夢を見た。

おいおい、冗談しゃない。

せっかく、新しい日々が始まったのに

ずっと引きずってるじゃないか、おれ。

一番見たくもない夢を見るとは...。

やっぱり、唯。

俺はお前の事を忘れるなんて

芸当できる訳ないんだ。


「うわぁぁぁぁ」


爽やかな朝とは正反対の形相で

目覚めてしまった、最悪だ。

今何時だ?

まだ寝れるじゃないか。

いやでもまたあの夢は見たくない。

そう思うと咲人の眠気は

徐々に覚めていった。

とりあえずは、なんだ。制服に着替えるか。


「お兄ちゃん、おはようっ!

今日も一日全力投球で行きましょう~!」


楓は今日も朝から元気である。


「あぁ、妹とはいいものだな。」

不意に咲人は楓の頭を

ワシャワシャと撫ではじめた。

「んー」と気持ち良さそうに目を細める楓。なんとも仲睦まじい兄妹である。


「おい、楓。まだ探索し足りないし、

お兄ちゃんもう学校行くからなー。」


また

あの生徒会長に会う可能性はあるがな。


「えぇーもう行くの?

今日こそはお兄ちゃんと

一緒にキャッキャッウフフを

他の女に見せつけてやろうと

思ったのにぃ~。」


と、その小学生かと

見間違いそうな幼い顔で

可愛く頬を膨らませるのだあった。

おっといけない。

楓は拗ねるとなかなか

機嫌を直してくれない。


「帰りにケーキ買ってきてやるからさ。

それで許してくれよ。

今度は一緒に行こうぜ。」


一瞬だが、獲物を見つけた

猛禽類の如く目が光ったのは気のせいか?


「ほんと!お兄ちゃん!?

ほんとにほんとでケーキ!?」


「,お、おう。ちゃんと買ってきてやるよ。ま、まかせろ。」


「なら、許したげる!お兄ちゃん」


どうやら機嫌は直ったらしい。

ケーキのよく分からない歌まで歌ってる。

このくらいで妹の機嫌が取れれば

兄としては楽なものだ。


昨日の朝と夕方。

はじめてとはいえ二回は通った道なのに

未だに未開の地をあるいてるかのようだ。

環境が変わると見方も変わるらしい。


「いいトコだな、ここ。」


聞こえるか聞こえないかで言った言葉。

まさか誰かに聞かれてるとは

思いもしないだろう。一人を除いてだが。


「この街を気になってくれるとは

実に嬉しいことじゃないか、咲人君。」


いやな予感しかしなかった。

動物的本能とはこういうものだろうか?

あぁ、野生動物って大変なんだな。

自分が狩られそうになるのを事前に

感じ取るだなんて。

ゆっくりと振り返る咲人。

そこには予想通り龍ヵ峰桜子がいた。

口の端を少しだけ上げている。

一般人が見たらただの美人の微笑に

見えるだろう。しかし咲人は違った。

不敵な笑みにさか見えなかった。


「龍ヵ峰先輩、おはようございます。

い、いい朝ですね。」


なんとか普通にあいさつはできた。


「うむ、おはよう。私のことは

名前でいい。

その、龍ヵ峰という苗字は...

女の子っぽくなかろう...

だから、桜子でいいぞ。」


「は、はぁ。では桜子先輩で。」


どういうわけか

女性が苦手なはずの咲人だが

桜子には苦手という意識が薄いらしい。

男として見てる訳ではない。かといって、

これは決して好意的な意味ではなく

猛獣として見ているからなのでは

ないかと咲人は結論づける。


「うむ、よろしい。ではまたな。

学校フェチの咲人よ。」


「また人に変なレッテル貼りやがって

あの会長。」


朝から疲れる咲人である。

あの会話にどれほどの時間があったかは

知らないが学校についていた。

相対性理論とはこういうものなのか?

今回のケースも

当てはまらなくはないのだろう。


「まだ、誰もいないな。そりゃそうだな。普段ならまだ寝てる時間だし。

ん?でもバッグはあるってことは

誰か来てるのか。朝練か?

いや誰も見なかったし音もしなかった。

学校でも見て回るか。暇だし」


嗚呼、咲人よ。ここで勉強すれば

優等生になれるものを。

咲人はふとある教室の前で足を止める。


「家庭科室か

ここか人の気配がするのは。

なんか食べ物の匂いもするし。」


開けてドアから覗き込むと

そこにはあの天真爛漫な

女子 鼓奈津美がいた。

料理を作ってるのか。はたまた何で?

それにしても、昨日とは別人に

見えるくらい集中した顔してるな。


「よう、なに作ってんだ?」


咲人は空気がよめない訳ではない。

むしろ読みまくる方だ。

女心が分からないという程でもない。

咲人も人並み以上にモテるからだ。だが

女性が苦手なのも本当だ。

しかし、変なところでバカでアホなのだ。

許してやって欲しい。


奈津美は驚き顔を上げる。

まさかこの時間に家庭科室に

人が来るとは思いもしないだろう。

よく見るときのうのモデルのような

転校生ではないか。


「や、やぁ。サッキー!

こんな朝早くからとうしたの?

勉強?うわぁ優等生だね!」


明らかに動揺している。


「いや、勉強じゃないが。

教室にカバンあったから。誰かなと思って。料理してるんだよな?」


「う、うん。た、食べてみる?」


そういうと、手渡して来たのは

決して綺麗とは言えないいびつな形をした

ホットケーキ?であった。

とりあえず、食べてみる咲人。

何故か必死の形相で見守る奈津美。

何故しょっぱい?

ホットケーキだよな?

これ?


「なぁ」


「は、はい!なんでしょう!


そんな驚かんでも。


「これってホットケーキであってるよな?しょっぱいんだが」


「うん、ホットケーキだよ!

良かった~わかってくれたんだね。

...え!?しょっぱい!

またまちがえて塩いれちゃったよ。」


なんとテンプレなお約束なんだろう。

本当にあるとは。


「私ね、料理部なんだけど

全然料理が得意じゃなくて。だから

早く上手くなるためにもここで

練習してたんだ。」


ほう、咲人のなかで奈津美に対する

警戒心が少し解除された。

ただ明るいだけじゃなくて

努力家という点であることに驚く。


「ふーん、すごいじゃないか。

俺なら朝から頑張るなんて無理だな。

例え苦手でもそういう姿勢は

カッコいいと思うし、

きっと上達するとろ思う。」


こんなセリフを真顔で言えるのが

咲人が顔以外でモテる

りゆうだったりしなかったり。


「あ、ありがとう!

じ、じゃ私もっと練習するね!」


「頑張れよ、あとで教室で。」


女性苦手はどこにいったんだ、咲人よ。

とおもいたくなる。


いやぁ、しかし緊張した。

やっぱり女子はだめだ。

俺なんかが近づいて

もう誰かが傷付くのはもう嫌なのに、な。

なんでだろう。

そんなことをおもいながら

教室に戻る咲人だった。






奈津美ちゃん影薄いな...

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