転校編 下
「転校初日から疲れたな。
まあ、前の学校より楽しいかな?」
と、綺麗な夕暮れの通学路を
上機嫌に帰る咲人であった。
「ただいまー」
「おかえり!お兄ちゃん!
学校どうだった?
私はもう友達たくさん出来たんだぁ〜。
いいでしょ〜」
と自慢気に言っているのは
咲人の妹の夢崎 楓。一つ下の高校一年だ。
見た目は残念ながら
まだまだ未成熟な体つきをしているが、
我が妹ながらきっと立派に
成長してほしいものだ。
「むむむ、今変なこと考えてたでしょ!」
「い、いや。そんなことないぞ。
お兄ちゃんもそうだな〜
個性的なクラスメイトで
これから忙しくなりそうだよ
(色んな意味でね...。)」
「そうなんだ!良かったね、お兄ちゃん。
ご飯あともう少しでできるから待ってて〜」
なんと、よく素直に育った妹だろうか
兄としては非常に鼻が高いぞ!妹よ!
できれば、体つきをもっと育てばな。
実の妹とはいえ失礼な咲人であった。
「今日は疲れたな〜
これからどうなるんだろう?
まっ、そんなのは明日になってから
考えればいいことだなっ!
とりあえず今日のところは飯食って
寝ようじゃないか!」
咲人の転校初日が終わりを告げる。
と、同時に咲人の思い瞼も閉じられ
夢の世界へと誘われる。
波乱の生活が今か今かと待ち構えている。
当然、そんなことを咲人は知る由もない。
徐々にアクセルかけていきたいです