転校編 中
「とほほ、やっと地獄の質問攻めが
終わった。
なんだよ、スリーサイズは何?って。
俺は男だぞ。
やはり、変わっているこの高校。」
愚痴を言いつつも
受け入れてもらえたと思い
咲人は内心は安心している。
そんな様子を誠は面白かったのか
何も言わず微笑んでいる。
「いやだって、咲人は
イケメンじゃないか。この学校は
転校生は珍しいし、君のような
イケメンの転校生がクラスのみんなは
嬉しかったんじゃないかな?」
「それは嫌味か?誠。そういう
誠だってかなりイケメンだと思うぞ。」
実際、誠はかなりイケメンだ。
どことなく気品すらかんじる。
同級生とは思えない上品な感じだ。
かくいう咲人は口調こそ軽いが
黙って見ればモデルと遜色ない
ぐらいの美形である。
本人こそあまり自覚はないが。
そうこう話をしていると
咲人の前にまるでヒマワリを
擬人化したかのような笑顔の女子がいた。
さっき質問をしてきた女子だ。
「やあ!やぁ!咲人くん。
さっきの質問の続きをしようじゃないか!」
あぁ、さっきの女の子か。
よく見るとなかなか可愛らしい容姿を
している。スタイルもいい。
笑顔を見ていると疲れすら
飛んで行きそうだ。
「ええと、君の名前は?」
顔が近すぎる。たしかに可愛いが
俺は女子は苦手なんだ!
「あっそうだった。
私の名前は鼓奈津美だよ!
なっちゃんでもなんでもいいからね!
サッキー!」
「さ、サッキー?あだ名か。」
随分と安直だ、と言いそうになったが
直球すぎると思い
すんでのとこで飲み込んだ。
「はら、奈津美。授業始まるよ。
あんまり転校生を困らせるものではないよ」
「なんだい、なんだい!誠のケチー!」
はぁ、助かった。この誠、見た目だけ
じゃなくて中身もハイスペックか。
やるな、リリーベル学園の
誠は化け物か!
ってな!とか呑気に
考えている咲人であった。
まだ慣れませんね。